二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第1話 みんながいたから ( No.17 )
日時: 2013/11/16 22:50
名前: らくじょう (ID: viAVUXrt)

「ただいま、父さん、母さん。」
「おう!アルス!その子は?」
「フィーナっていうんだ。昨日あってね。具合悪そうだから連れてきたんだ。」
「まあ。早く寝かせてやんな。」
「うん。」

 フィーナを抱え2階の僕の部屋まで連れていく。ベッドにゆっくり横たわす。

「はぁはぁ・・・。」

 さっきよりも苦しそうな少女。

「アルス、これを。」
「ありがと。」

 母さんに渡された桶をベッドの近くに置き、タオルを絞る。汗を拭き、洗って今度は額に置く。

「あぁ・・・・っ!はぁはぁ・・・・。」
「フィーナ・・・。」

 さっき言っていた言葉が気になる。『我が復活する』『止まっていた120年の時が』何かが引っかかる。それにフィーナから感じた魔力。謎の神殿から感じた邪悪な魔力。

「アルス?フィーナの様子どお?」
「マリベル。お父さんなんか言ってた?」
「パパは心配そうに半泣きしてたわよ。まあちょっと急いでたから眠らせたけど。」
「こわ・・・。」
「それが勇者の言う言葉?」
「僕じゃないよ。皆がいたから、斃せたんだよ。」

 僕1人ならすぐに殺されていた。ガボがマリベルがアイラがメルビンがいたから。

Re: 第2話 アルスの両親 ( No.18 )
日時: 2013/11/16 22:49
名前: らくじょう (ID: viAVUXrt)

「フィーナちゃんの体調はどうだい?」
「回復呪文もかけたから、大丈夫だと思うけど。」

 フィーナの表情は余計に真っ青になっていく。苦しそうに息をしながら、汗ばんでいる。

「このままじゃ風邪を引いちまうね。アルスの服に着替えさせてあげるよ。さぁアルスは出た出た!」

 背中を押されバランスを少し崩し、梯子から落ちた。偶然足が梯子に引っかかったから無事だったものの、このまま落ちてたら僕死んでたよ・・・・・。
 母さん・・・・・考えてよ・・・・。

「はっはっは!アルスも運はいいな!」
「笑いごとじゃないと思う・・・・・。」
「お前はもっと食ってたくましくなれ!」
「・・・・・うん・・・・」

 心配してくれてるのか・・・・・楽しんでいるのか・・・・・・。父さんはわかりにくい・・・・・・。

「あれ?ガボは?」
「ん〜?ガボの坊主ならマリベルお嬢さんの家に行ったぞ!1時間くらいで戻るって言ってたな。」
「そう。」

 ガボがマリベルに用?珍しいことではないけど、この時間帯に行くのは初めて。っていうかこの時間はマリベルが来るのを嫌うんだよね。大丈夫かな?

「ほれほれ!着替えは終わったんだから看病しな!」
「母さん、背中たたかないでよ。痛い・・・。」
「母さんなら魔王とかを斃せたんじゃないか!?はっはー!」

 父さん・・・それは冗談?本気?冗談だよね?

「はは・・・・。」

 苦笑いしながら梯子を昇る。僕の両親って・・・・賑やかすぎるような・・・・・。
 小さなため息をついてベッドの横の椅子に座る。

「さっきより、顔色よくなってる・・・・。」

 真っ青だった顔はほのかに赤みを戻している。息も整ってる。安心して、僕は寝ているフィーナの隣で本を読む。

『心がけし呪文の秘密』

 マリベルに読めって押し付けられたんだけどね・・・・・。