二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『募集なう』作者とオリキャラとカオスな仲間たちの日常 ( No.280 )
- 日時: 2014/06/01 23:37
- 名前: 葉月@iPhoneにて執筆ッス(≧∇≦) (ID: viAVUXrt)
その時、眼鏡をかけた少年とマリオと瓜二つで緑色の服を着た男性と金髪で整った顔立ちの少年が慌てた様子で、駆け寄る。
「オーナー! 今すぐ来てくれ!」
突然の訪問に驚く三人。彼女達の顔から笑顔が消えて深刻な表情になる。眼鏡の少年はオーナーとリコを呼ぶ。
「どうしたの日向君!? 一体何があったの!?」
「【ドゥンケルハイト】の奴らが襲ってきたんだ!」
「何ですって!? 【ドゥンケルハイト】が!? 確かあいつを封印したはずよ!? また動き出したっていうの!?」
「恐らく……封印が弱まっているらしいッス。あいつの封印を解くために行動をしてるッス」
「え? 何かあったんですか? 【ドゥンケルハイト】って……?」
「名前のとおり闇という存在さ。僕達にとって、【ドゥンケルハイト】は生活の妨げとなる悪い奴らだよ」
木実はリコ達の会話を聞いても分からなかった。聞きなれない単語がまた現れて、何の事なのかは分からない。【ドゥンケルハイト】が動き出したことや「あいつ」の封印が弱まっていることなど、この世界にとっては一大事になっているのだ。
マリオが木実に彼らについての特徴を説明し、更に金髪の少年がマリオの細く説明をした。
「奴等の目的は『あいつ』の復活をさせることッス。闇の力は俺達をも凌駕するほどだからもし、『あいつ』が復活したらどうしようもないんスよ」
「闇の力?」
「【ドゥンケルハイト】が持つ邪悪な力のことよ。またの名前を『ディスペアマテリアル』……絶望の物質よ。その力が強いほどあいつの力は桁違いに強いわ」
『ディスペアマテリアル』が強ければ強いほど危険が増していくと【ドゥンケルハイト】に封印したあいつの力も強くなる。
木実はようやく理解して深刻な問題になっていることに落ち込んだ。
「じゃ……じゃあ大変なことになってるんですね」
「そういうことね。ごめんなさいね、まだ会って間もないのにこういう出来事に巻き込んでしまって……」
「大丈夫ですよ。こういうときは皆さんに頼りますから……」
「出来れば奴らが来ないときにすればよかったな……」
マリオは苦笑いをして、木実を違う形で会えばよかったと呟いた。 【ドゥンケルハイト】が来ない形で出会えばもっと平和に会話をしていたのに。
「木実ちゃん……だっけ? あなたはここにいて。あたしと日向君とルイージさんが様子を見に行くわ!」
「分かりました」
リコは日向とルイージと共に部屋を出て、軽やかな足取りで階段を降りていき、騎士団の機関の様子を見に行く。
リコは少し鋭い目付きで様子を伺った。敵の動きや仲間の状態も含めて『カイセイ』の騎士達に聞いた。
「やつらはどうしたの!? みんなは!?」
リコの声を聞いた茶髪の少年は慌てて早口で言う。しかもラ行が言えてなくて声が大きい。また、ラ行の発音がア行になっているのが特徴である。
「みんなは外に出て応戦中だ! やつ(ら)の戦力(せん(りょ)く)で押さ(れ)て(る)けど!」
「え!? 何!? 何言ってんの!? 応戦中なのは分かったけどその次何!?」
ルイージは茶髪の少年のあまりにも早すぎる口調でしかもラ行が言えてないことに困惑していた。リコは少年について話す。
「ルイージさん、あれが黄瀬(きせ)君の先輩の早川(はやかわ)君のしゃべり方よ。あたしも最初の頃は何言ってるのか分からなかったから……」
「……俺もだ。一応、応戦中であいつらに押されてるってさ」
日向に教えてもらい、ルイージはようやく茶髪の少年——早川が言っていることを理解する。リコも日向も彼の早口に理解をするまで困惑していたらしい。
「何だ、そういうことか。じゃあ応援に向かわせないと……」
「たった今黒子(くろこ)と火神(かがみ)、小堀(こぼり)さんが応援に行ったよ。こっちも何かを備えないとね」
応援を要請しようとルイージが提案するが、見た目が大人っぽく、眉毛が太く、穏やかな雰囲気をかもし出す少年がもう応援を出したと答える。
既に手を打ってあることにルイージは内心驚き、感心する。彼よりも若いリコ達が何よりも奮起しているというのが驚きだ。それに、リコや日向、早川も全員年端も行かない少年少女である。それなのに、対応力の高さには定評もあった。
「木吉(きよし)! それは本当か!?」
「ああ。火神がな、【ドゥンケルハイト】の連中を迎え撃つために黒子達と外に出たところだ」
木吉と呼ばれた少年は火神達が【ドゥンケルハイト】の連中を迎え撃っていると伝える。木吉の報告を聞いたルイージ、リコ、日向達は真剣な眼差しで腕を組んだり顎を当てたりとしている。
ふと思いついたリコは外の世界から来た木実を外に出させないようにと提案する。
「あの子を外に出すわけにはいかないわ。早川君、笠松さん、あの子に今は外に出ないようにと伝えてください!」
「ああ! 任せて!」
「……分かった」
リコの言うあの子とは言わずもがな、ここに迷い込んだ木実のことである。外の様子が知らない彼女に伝えたほうがいいとリコは笠松と早川に言う。返事は早川ははきはきと、笠松は冷静な対応で答えた。二人はそのまま二階へと駆け上がった。
残ったルイージや日向、木吉らは音をしている方へ振り向き、それぞれ武器を構える。(ルイージは素手で戦うが)闇の使者はもうここまで来ているということだ。
「構えろ! もしかしたらここにも来るかもしれない! オーナーは倉庫室かどこかに隠れてくれ!」
「分かったわ!」
日向の指示でルイージや木吉らは戦闘態勢に入り、リコは倉庫室の中に隠れた。
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