二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter03 〜We are so Zetsubou〜 ( No.112 )
- 日時: 2013/11/19 17:49
- 名前: ランスロット (ID: YrsbvNhI)
【コロシアイ職業体験 13日目】
「……パソコンが直った……俺の部屋まで……来て……」
朝食会後、秦野くんが私を呼び止めてこう告げた。
ついにゲームセンターで見つけた古びたパソコンが起動できるまでに直ったという。
見つけてからまだ2日しか経っていないのに…。さすがは『超高校級のハッカー』。才能のすごさを改めて実感した。
私は偶然その場に残っていた神崎くんと冥雅くんを引き連れ、秦野くんの部屋まで着いて行った。
「……どうぞ……」
「おじゃましまーす」
秦野くんが自分の部屋のカギを開け、私達を招き入れる。
部屋の中は秦野くんらしく、沢山の機械が置いてあった。…暇な時はこういうのをいじっていたのかな?
「それで、パソコンは?」
「……モノクマに見つからないように……更衣室へ移してある……。……更衣室なら……監視カメラもない……」
「じゃあ、俺達をここに招き入れた理由は?」
「……言っておかなければならないことがある……」
そういうと、髪に隠れた秦野くんの青い目が一瞬私の方を向き、彼は真剣な表情をする。
…そして、彼は口を小さく開き、話し始めた。
「……あのパソコン……中身は俺もまだ見ていない……。……だけど……プログラムの作成者は……とんでもない奴だ……」
「どのくらい凄いの?そのプログラム」
「……学園の情報……おそらく……殆ど入っている……。……あのパソコンに……」
秦野くんはあのパソコンの中身についても少し調べてくれていたみたい。改めて感謝をしなければならないわね。
私が「パソコンを見たい」と告げると、彼は大人しく更衣室へ行くことを決めてくれた。
…今は彼に行動の判断を任せたほうが良さそうだ。
そして、私達は更衣室の周りに誰もいないことを確認し、部屋へと入る。
部屋の隅に、銀色に光る物体を見つけた。
…恐らく、あれが「直ったパソコン」なのだろう。
私は見張りを冥雅くんに任せて、パソコンへと近付く。
「凄い。外装もピカピカ」
「……錆びてるだけだった……。……このコンピュータの作成者……とんでもない奴……」
「…相当な腕を持った人物が作り上げたんだろうな…。このパソコン」
他愛ない会話を交わしているうちに、秦野くんは素早くコンピュータを起動する。
『こんにちは!僕、アルターエゴだよ!』
画面に、女性…だろうか?ウサギのような小柄な少女の画像が移る。秦野くん曰く、『プログラムの作成者が作ったアルターエゴ』だという。
アルターエゴ…。聞いたことはあるけど、実際に見たのは初めてね。
自分の意思で動く、コンピュータプログラム。
確か『超高校級のプログラマー』って言われた高校生が作成したものらしいけど…。もしかして、この画像の少女のモデルがそのプログラマーなのかしら…。
『秦野くん、あっちの3人は誰なのぉ?』
アルターエゴは私達の存在を察知し、こう切り出してきた。
秦野くんはキーボードを素早く叩き会話を進める。
『一緒に閉じ込められた、俺のクラスメイト。左隣が神崎満月、右隣が神谷春子。
入り口で見張りをしているのが、冥雅雪斗』
…秦野くん、普段とは全然違う口調でアルターエゴと会話をしているわ。ネット上では普通に話せるのね、彼…。
『わぁ、秦野くんのお友達なんだ!僕アルターエゴ!よろしくね!』
そう言って彼女は天使のような笑顔をこちらに見せてくる。
く、くぅ、彼女も白戸さんと同じ笑顔の使い手だとは…。パソコンの画面が眩しい…。
そう思っていると、神崎くんがキーボードに何かを打ち込んだ。
『もし、過去に起こった殺し合いの情報があったら教えてくれないか』
彼が打ち終えると、彼女は真剣な表情になってこう返してきた。
『うん。厳重にロックがかけられてるファイルがあるんだけど、秦野くんのハッキングのお陰で2つは見られるよ!
もう1つは僕が担当してるんだけど、まだロックの解除には時間がかかるみたい…。ごめんねぇ…』
『構わない。ファイルの場所を教えてくれないだろうか』
神崎くんが会話を進めていると、アルターエゴはブラウザを2つ立ち上げる。
そこには、2つのロックが解除されたフォルダがある。タイトルを確認してみると…。
『77期生、78期生おしおき画像一覧』と書いてあった。