二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter03 非日常編 ( No.124 )
- 日時: 2013/11/29 17:39
- 名前: ランスロット (ID: JHuVsDgH)
私達が赤い扉の前についた瞬間、みんなは私達の方を見る。
安堵の表情を浮かべるもの、呆れて溜息をつくもの、反応は様々だった。
私は「ごめんなさい」と一言誤り、エレベーターに素早く乗る。
「…広くなったね」
「そりゃあ、最初の裁判から5人も減ってるんだぜ…?広くなるだろうよ」
「これ以上…広くならないといいね」
「だけど…。ここに戻ってこられるのも、私達が学級裁判を乗り越えるか否かにかかっているわ。悲しいことだけどね…」
そう会話を繰り広げていると、不意にエレベーターが大きく揺れる。
…それと同時に、私はいわれのない緊張を胸に抱いた。
「ひゃっほう!待ってたよオマエラ!さぁ、早く教壇に立って議論を始めてよ〜!」
「…これで、3回目…だよね。ここに来るの」
「うん…。もう来たくなかったんだけど…ね」
「でも、真実を暴かなきゃ殺されるんだ。…行こう」
今回も学級裁判の装飾は大きく変わっていた。左半分は桜の木が連なっている壁紙で覆い尽くされており、右半分は本棚と木の模様のような壁紙で覆い尽くされていた。
天井には魔法使いが使いそうなシャンデリアが私達を照らし続けている。
まるで、おとぎ話に入る途中のような…。そんな感じがした。
18台の教壇には、やはり遺影が増えていた。前回おしおきされた雨宮さん、それから今回殺されてしまった花岸さんと長月さん。
彼女らの遺影が、彼女らの席に立っていた。…『殺された』のだ。彼女らは。
そして、だまって私達は自分の教壇に立つ。
「それじゃあ、議論を始めてよ!うぷぷ、今回は面白くなりそうだなぁ!!」
それぞれがそれぞれを疑いの目で見る。…今回、一番犯人だと指摘されやすいのは安西さんだろう。でも捜査の結果、彼女が犯人でないことが露見した。
…真犯人を見つけて、徹底的に追い詰めない限り、私たちの命はないだろう。
……この中に、長月さん、そして花岸さんを殺した人がいる。いや、違う。正確には『花岸さんを利用し、長月さんも殺した』人だろう。
真実とはなんなのだろうか。殺人を犯してしまうほど酷いものだったのだろうか。…知りたいが、きっと犯人は答えてくれないだろう。
悲しいけど、犯人はもう『精神が異常』なのだから…。
仲間を最期まで信じ、絆を貫こうとした花岸さん。
その花岸さんととても仲の良かった長月さん。
どうして、2人が殺されなければならないのだろう。
疑問と恐怖が私を渦巻く。
すべて、暴かなければ。犯人を見つけ出さなければ。
犯人の真の目的を聞き出さなくては。
…どうして、こんな残酷な殺人を起こしたのか。
命がけの言及。
命がけの弁明。
命がけの騙し合い。
…今、命をかけた裁判が、三度。
始まる。