二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 ( No.147 )
- 日時: 2013/12/12 16:32
- 名前: ランスロット (ID: 73kQpkiy)
【コロシアイ職業体験 15日目】
『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』
「…んん…」
モノクマのアナウンスが自室に響く。そうか、朝か…。
昨日自室に戻ってから、何を考えて何を思い悩んで寝たんだっけ…。
私は昨日の出来事を頭の中で整理する。
まず、神崎くんが提示した『消された記憶』についての詳細。
学園生活の記憶だけではなく、『自分が関わった学園に関わる人物』の記憶も消されている可能性。最初は私も信じられなかったが、神崎くんに言われて記憶を呼び起こすと、不自然にぽっかりと空いた記憶の隙間を発見した。
その後、各々考えを整理するために解散したんだっけ。
…夢に出てきた幼い自分が「お兄ちゃん」と呼ぶ人物。
そして、紫のストールが特徴的な男の人。…私に何の関係があるのかしら…。
思い出そうとしても、思い出せなかった。
「…あぁっ!どうして肝心な時に思い出せないのよ!」
憤慨して思わず声が漏れる。そんなことを言っても無駄ってことは自分でもよくわかっているつもりだ。
…はぁ。考えても無駄か…。とりあえず、そろそろ集まる時間だし食堂に行こうか…。
そう思って、私は食堂へと向かった。
「あ、おはよう神谷さん!」
「おはよう神谷ちゃん。昨日は…ありがとね」
食堂に入ると、既に佐藤さんを除く全員が揃っていた。
安西さんはあの後、白戸さんの励ましのおかげもあってか、いつもの調子に戻っていた。…本当に良かった。
念のために佐藤さんの行方を聞いてみたけど、知っている人は誰もいなかった。どうやら、今日も自室にこもっているらしい。
「…減っちゃったね。随分」
朝食を食べながら、冥雅くんが開口一番にそう漏らす。
最初に集まった長テーブルには、ほぼ満席に近いであろう人数が揃っていた。
でも、今は…。空いている席も、今いる人数と同じ数になっていた。それだけ、人が死んだのだ。今までで。今までの経過で。
「朝食会を開いた張本人が、殺されちゃったもんね…」
「みんなで殺し合いはしないって、決めたのに…。まだ減るのかな」
「よくない妄想をするのは負け戦へのサインですよ、白戸さん。まだ、諦めてはいけません」
「でも…」
もう、殺し合いは止められないのか。シオンくんだって今はこんなことを言っているが、モノクマの動機で動かない確証があるわけでもない。…私達は、このままモノクマの掌の上で転がされ続けるのが運命なのだろうか…。
そんな諦めのムードが漂う中、モニャンが食堂へとやってきてこう言う。
「皆様。まだ、お一人だけが残ったわけではありません」
「モニャン…?」
「動機に動かされ、殺人を犯してしまった方、そして殺されてしまった方を慈しむことも大切でしょう。
ですが、それだけでは何も変わりませんよ」
「でもっ…。私たち、どうなるか分からないんだよ…?ここから出る術も見つからないで、一生ここで過ごして…。私もう嫌だよ…!」
「まだ、9人います。ここに、まだ。『希望』が残っています」
「…どういうこと?」
…いまいちモニャンの言っていることがよく分からないが、彼なりに励ましてくれているのだと解釈することにした。今ならわかる。モニャンは、本気で私達の脱出の手伝いをしてくれている。紛れもない、「仲間」だ。
と、思っていたその時だった。
「どんよりムードを何かき乱しちゃってんのさ、モニャン!ボクはね、ひじょーに怒ってるんですよ、今!!」
「モノクマ…」
声の方向を向いてみると、そこには顔を赤くして爪を剥き出しにしているモノクマがいた。
どうやら、モニャンの励ましに苛立っていたらしい。…彼らしいとはこういう時に使うのかしら。
「オマエラに学級裁判を乗り越えたご褒美のお知らせしに来たのにさ〜。なんでボク好みのシチュエーションになってないわけ?」
「知らねェよ。お前が勝手に思ッてるだけだろォ?」
「柱のロックと、ホテルのロックが解除されたんだな」
「あ、分かってました?ならここに来る必要なかったね!じゃあボクはこのイライラをあしたのグローブで解消してくるから、まったね〜!!」
そう言うと、モノクマはシャドーボクシングをやるふりをしながらこの場から消えていった。
…モノクマの退場の仕方についてはスルーするとして、ロックの解除…か。解除されていない柱は、これで残り1個にになったってことね。
「じゃ、やることは決まったな」
「え?」
「探索だよ。ホテル班と街探索班に分かれよう。ホテル班には、佐藤の見張りも頼みたいんだけど…。いいかな?」
「うん、分かったよ!で、どういう振り分けにする?」
「適当にじゃんけんでいいんじゃないかな?」
星野くんの案にみんな賛成し、じゃんけんをする。
…その結果、私は街探索班に振り分けられた。今回一緒に行くのは…。
「やった〜!久しぶりに神谷と探索だね!」
「俺も、久しぶりだな。よろしく、神谷」
「一緒の班ですね。よろしくお願いします」
やけに張り切っている冥雅くん、いつもの調子な神崎くんとシオンくん。
…そういえば、シオンくんとはカジノ以来かもね。一緒に過ごすのは。
「それじャ、頃合いを見て報告会しようぜェ」
「分かったわ。確か…生徒手帳にメール機能があったはずだから、探索が終わったら互いに連絡しましょう」
「……了解……」
「お互い頑張ろうね!!」
そう言って、私達は新しい街の探索に出かけることにした。