二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 ( No.163 )
- 日時: 2013/12/26 22:03
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: SnkfRJLh)
【コロシアイ職業体験 17日目】
「はるちゃーん!!ねぇ、はるちゃんってば!!起きてるんでしょー?返事してよー!!」
「……んんぅ……」
…扉の向こうから声がする。私を「はるちゃん」と呼ぶことから声の正体は佐藤さんだろう。ついに、殺人計画を実行することを決めたのだろうか…。ターゲットは、もしかして私?いえ、マイナスに考えてはいけない。私が死んでしまっても、残ったみんながきっと脱出してくれるはず…。秦野くんや神崎くんが狙われないだけ、ずっとマシだわ。
「自分はどうなっても構わない」そう決意を固め、私は素早く支度を済ませて自室の扉を開ける。
扉の向こうにいた彼女は……危険なものも持っておらず、笑顔で寝起きの私を見ていた。
「おっはよー♪」
「お、おはよう…。私に何の用?」
「別に変なことは考えてないよ〜?この生活に飽きたわけでもないし、コロシアイをするのはまだ先かなって思ってさ♪はるちゃんにはこれを渡しに来たのです!!」
そう言って、彼女は私に白いメモ用紙を渡して自室へと戻って行った。なんでわざわざメモなんか…?私の頭の上の疑問符はただ増え続けるだけだった。
…とりあえず、渡されたメモを読んでみましょう。そう思い私はメモに書いてある文字を読み始めた。
『お昼の12時に1階の小会議室に来て下さい♪ 佐藤かがみ』
…小会議室って、確か羽柴くん達が探索の時に見つけた、1階で新しく見つかったっていうあの部屋よね。あそこで一体何をするつもりなのかしら…。
まぁ、とりあえず食堂に行ってそのことを話さなきゃ。今日から秦野くんは単独行動のはず、それも頭に入れないと…。
私は気持ちを切り替え、食堂へと足を急いだ。
「あ、おはよう神谷さん!そのメモ…もしかして、佐藤さんから…?」
「じゃあまさか…」
「俺達も貰ッたんだよ。佐藤からの伝言」
そう言って、その場にいたメンバーは白いメモを取り出す。渡されたのは私だけじゃないってこと…?佐藤さん、一体何を考えているのかしら…。
「佐藤さん、きっと何か考えているのでしょうね」
「この中の誰かを殺すつもりなのかな…?」
「分からない。だからこそ、このメモの時間帯は気を付けましょう。行かないのも何をされるかわからないから…。とりあえず、指定された時間に指定場所に行ってみましょう」
「…でも、全員で行っていいの?」
「全員で行かないと逆に怪しまれるだろ。秦野のことは後で説明するとして、12時には小会議室の前で集合、な」
「うん。分かったよ」
みんなで話し合った結果、とりあえず12時に小会議室に行ってみることにした。何が起こるか分からない、けど…。彼女の真意を聞き出したい。その気持ちもあった。
…でも、誰も犠牲は出さないわよ。
「じゃあ朝食会だね。秦野には誰が話しにいく?」
「あ、だったらわたしが行くよ。丁度秦野くんに話したい用事もあったし」
「安西さん。よろしくね」
「任せて!」
———そして、約束の12時。
小会議室の前には、全員が既に揃っている。…いわれのない不安と緊張が、私を襲う。だけど…ここで引き下がるわけにはいかない。佐藤さんが何をしようとしているのか、ちゃんと聞きださなきゃ。
「…開けるわよ」
「うん」
意を決して、私は小会議室の扉を開ける。中は…。明かりがついておらず、周りが暗い状態だった。これも佐藤さんのやったことなのだろうか、それとも元から明かりがないとこんなに暗い状態なのか…。
とにかく、明かりをつけないと。
「とにかく、電気を探しましょう」
「佐藤ちゃーん?どこにいるのー?」
「…………」
パチッ
グサッ!! グサグサグサッ!!!
「……何、これ」
明かりがついて周りにあるものが見えるようになった。…でも、明かりがついた瞬間に何かが刺さるような…。そんな音がした。
辺りを見回してみると、部屋の中央に黒く、細長い箱があった。取っ手がついてあるから…マジックショーで使うようなものなのかしら。
そして、その箱には大量の剣が刺さっている。
「箱…?」
「開けるわよ」
「ちょ…ちょっと待とうよ!そんなに急がなくても…」
「中に何かあるかもしれないわ」
「それはそうだね…」
…でも、冥雅くんの言う通り開けたくないという気持ちはあった。というか、開けてはならないような…違和感が、その箱には漂っていた。でも、そういってられる情報ではない。
部屋の中に佐藤さんがいないってことは、彼女に関する情報が何かあるのかもしれない。
「……えいっ!!」
———そう思って扉を開けたのが間違いだったのかもしれない。
扉の中の光景を真っ先に見た冥雅くんが、青ざめた表情でこう言う。
「……神谷……やっぱり……開けちゃダメだった」
「え?…………!!!!」
扉の光景を見た全員が青ざめた。
…また、起こってしまったのか…。4度目の、殺人が。
黒い箱の中では…
『超高校級のマジシャン』佐藤かがみさんが、
大量の剣に串刺しになって……息絶えていた。
「佐藤さん…!!」
「どうして…殺人…が…」
『死体が発見されました!死体が発見されました!一定時間の自由時間の後、学級裁判を行います!
もう一度、お伝えします!死体が発見されました!死体が発見されました!』
殺人を誰よりも望んでしまった彼女が…『自分が死ぬ』という、一番望まないであろう結末で死んでしまった。
でも…一体誰が…?
<死亡者>
「超高校級のマジシャン」佐藤かがみ
ホテル内の1F小会議室で発見。
箱に刺さっている、大量の剣によっての刺殺だと思われる。
<生き残りメンバー> 残り:9人
「超高校級の知識」神谷春子
「超高校級の幸運」冥雅雪斗
「超高校級のパティシエール」安西桃花
「超高校級のDJ」神崎満月
「超高校級のディーラー」シオン・スカーレット
「超高校級の映画監督」白戸佳織
「超高校級の科学部」羽柴陸斗
「超高校級のハッカー」秦野吟也
「超高校級の美化委員」星野梓沙
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編 END