二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編 ( No.169 )
日時: 2014/01/04 17:53
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: uCPU0kM7)

私達が赤い扉の前に来ると、既に他のみんなは揃っていた。
もう、生き残っている人数は9人。あの、食堂で「出よう」と約束した9人になっていた。
…そして、この裁判で。少なくとも1人、減ってしまうのだ。今更だけど、どうしたこんなことをしなければならないのかと自分を追い詰めてしまう。
いえ、考えるのは裁判場についてからでも出来るわ。とにかく、エレベーターに乗りましょう。
私はみんなを待たせすぎないように素早くエレベーターに乗った。


「もう…こんなに減ったんだよ。まだ2週間ちょっとしか経ってないのに」
「私もう嫌だよこんなの…!!」
「でも起こッちまったんだ。過去を悔やんでる暇があッたら裁判を乗り越えるしかねェだろォよ」


エレベーター内の会話も、階層が深くなるほどに重く、酷く悲しいものへと変化させていく。
会話を続けているうちに、エレベーターが大きく揺れる。
…着いたのだ。来たくなかった場所に。あの不気味な…裁判場に。


「やっほ〜!!もう、毎回捜査ゆっくりすぎてボク飽きてきちゃうよ。捜査はもっと手短にお願いしますよ〜」
「でも…人が死んでるんだよ?!」
「オマエラの中の誰かが動いたんでしょ?今回ボクは動機用意してないし」
「それはっ…そうだけどっ!!」


そうだ。今回の殺人は「モノクマが動機を提示していない」殺人。…責めたくてもモノクマを責められない。
なおも引き下がらない安西さんを諭して、私は自分の名前の教壇に立つ。
今回も、学級裁判の装飾は大きく変わっていた。そんなに頻繁に変える資金があるのなら少しはこっちが出る手助けに回してほしいものだけれど…。そうも言ってられない。今回は、ニューヨークの夜景を見ているような、ネオンが溢れる壁紙で覆い尽くされていた。所々には蛍光ライトで作られたモノクマが怪しく光っている。


そして、18台の教壇を見てみる。前回おしおきされた豊島くんと、今回殺されてしまった佐藤さん。
彼らの遺影が彼らの席に立っていた。その遺影が、私に重くのしかかる。もう、死んだ人数が今いる人数と同じなのだ。
…もう、これ以上被害を増やしてはいけない。私は改めてそう決意し、真剣な表情を作る。


「それじゃあ、議論始めちゃおっか!!間違えてクロ以外がお陀仏にならないように気を付けてね〜!!」


…今でも分からない。佐藤さんを殺した犯人。そして…その動機が。でも、見つけなければ私達が死ぬ。それだけは避けなければならない。
とにかくみんなの集めてくれた情報から、何か手がかりを導き出しましょう。
…あわよくば、犯人がボロを出してくれればいいんだけど…。そんなことを期待しても駄目よね。






コロシアイという状況に置かれても、常に元気を忘れなかった佐藤さん。






大切な親友である雨宮さんを失って、狂気に陥ってしまったけれど…。







でも、そんな彼女でも『殺していい』はずがない。







———一体誰が…。何のために…。









暴かなくては。犯人を、見つけ出さなくては。
出来れば彼女を加えた10人でここを脱出したかった。でも、そんなこと言ってられない。今は裁判なのだ。
…起こってしまったことを悔やんでも、仕方がない。






命がけの言及。



命がけの弁明。



命がけの騙し合い。



…今、命をかけた四度目の裁判が。



始まる。