二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.194 )
- 日時: 2014/01/25 21:46
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: BvZBUYdW)
【コロシアイ職業体験 18日目】
『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』
「朝…」
あの絶望的な裁判を乗り越えた、次の朝がやってきた。私の身体はいつも通りに気だるさを覚えながら『起きよう』と努力するものの…。
どうしても、脳が起きてくれなかった。どうしてなのだろう。私は一刻も早く手がかりを見つけて街から出ていかなくてはならない。もう…犠牲が出ることなんて勘弁してほしい。
だから…ここで休んでいるわけには、行かないのに。とにかく、起きて準備をして、食堂へ向かいましょう。
私は脳を無理やり起こして、食堂へと向かった。
「おはよう、神谷さん。目にクマ出来てるみたいだけど…大丈夫?」
「え?」
「うん。うっすらとクマ出来てるよ。もしかして昨日あまり眠れなかった?」
「そんなことないわよ?ちゃんと寝た感触はあるし…」
ちゃんと寝たはずだったんだけど…。後で鏡を見てこようかしら。
早起き組と話しているうちに、次第に今生き残っている全員が揃って、朝食会が始まる。
食事中も言葉の交わしは少ない。『これだけ人が減った』と、私の胸に突き刺さる気がした。
…はぁ、とため息が出る。朝食が終わったら何をしようか。いつもなら、この時間帯にモノクマが……
「はいはい呼びましたー?」
「うわあっ?!」
———案の定現れた。まさか私の心を見透かしているのかしら…?
まぁ…学級裁判翌日の登場だから、どうせ『柱のロックとホテルのロックを解除した』と連絡するつもりなんでしょうけど。
「あれボクの言いたいこと読まれた?!神谷さん知識だけじゃなくて読心術まで心得ちゃったとか?!」
「今までだってそうだったんだから少し考えれば分かるわよ…」
「ボクと神谷さんとの絆がアップしたって証拠だね〜!!あとはお身体の関係を踏まえれば新密度は更にアップするんだよ…ハァ…ハァ…」
「なっ、ななななな神谷とモノクマがっ…?!そんなの認めないぞ!!」
「お前は何を想像してんだよ…」
全く、モノクマといると調子を崩されるわ…。そ、それに私にはそんな興味なんてないんだから…!!す、するならちゃんと段階を踏んでから…って、はしたないこと考えさせないでちょうだい…。何してるのかしら、私。
「うぷぷぷ、冥雅クンは嫉妬っすか〜?これは神崎クンと神谷さんの取り合いっすか〜?ドロドロの三角関係っすか〜?」
「だ、黙ってろよ!!」
「言いたいことはそれだけなの?それならさっさといなくなってちょうだい」
「ちぇっ、神谷さんに嫌われちゃったよ。まぁいいや。ちなみにボクのロック解除は『これで最後』だから、隅々まで調べられるね!というわけでまったね〜!!」
そう言って、モノクマは猛スピードで食堂から駆けて出て行ってしまった。
全く…ロボットだとはいえ、あのスピードはどこから出ているのかしら。…まさか、足にローラーでもついているのかしら?いやいやそんなはずは…。
いや、くだらないことを考えている暇はない。早く出口を見つけないと…。最後の街のロックが解除されたんだから、きっと重要なものが眠っているはずだわ。
「ねぇ、今回も手分けするの?」
「そうでもしないと1日じャあ間に合いそうにねェからな。今回もじゃんけんでいいんじゃねェか?」
「人数が少なくなった分、多く情報は集めないといけないけどね」
「それじゃ、じゃんけんだな。秦野にはホテル班の誰かが連絡するってことで」
「おっけー!!」
今回もじゃんけんで探索区域を振り分けることにしたらしい。
…結果、今回も私は街探索班に振り分けられた。今回一緒なのは…
「お、俺が一緒かァ。よろしくな」
「神谷さんと一緒なんだね…。よろしくね!」
「神谷さんとの探索は2回目だね。よろしく!」
羽柴くん、白戸さん、星野くん。
彼らが今回一緒に探索する人達になった。
「今回も頃合いのメールで報告会、ってことでいいのか?」
「それが一番手っ取り早いし、連絡もしやすいからね!」
「じゃあ、秦野には俺が連絡しておくよ。探索はちょっと遅れるかも」
「うん。よろしく、神崎!」
「それじゃあ、出発しましょう。お互い、いい成果が出せるといいわね」
そう言って、私達は食堂を後にする…はずだった。
ふと、右手が掴まれる感触を感じ、思わず振り返ってみる。そこには———真剣な表情をした冥雅くんが私の右腕をつかんでいた。
「…ねぇ、神谷」
「何かしら?」
「———思いつめないでよ。絶対に。シオンの言葉をどう解釈したかは分からないけど…。精神崩壊なんてされちゃったら、オレどうしたらいいか分からないからさ。
それに———オレの思いも伝えられなくなる」
「…何が言いたいの?」
「…ううん、何でもない。それじゃ…お互い頑張ろう。な?」
寂しそうな表情をして冥雅くんはみんなを追いかけて行ってしまった。
———何を言いたかったのかしら…。まぁいいわ。それも、出口の手がかりを見つけられればいずれ分かるんでしょうし。
いつも以上に気合を無理やり入れて、私は最後の街へと足を踏み入れるのだった。