二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter05 〜キオクのウタ〜 おしおき ( No.232 )
- 日時: 2014/02/13 19:25
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: dD1ACbVH)
『超高校級のDJ』神崎満月 おしおき
〜少年は空を辿る〜
———目を覚ますと、そこには沢山のモノクマお面の人間がいた。
目の前にはDJキット。周りにはモノクマのお面を被った『見たことのある服装』の男達。…そうだ。こいつらは…俺と同じレーベルに所属している『仲間』なんだ…。
下半身はまるでロボットが油を失ったかのように動かない。恐らく、黒幕の手で動かないように固定されているのだろう。
———そっか。俺、ここで死ぬんだよな。そう思いながら、目の前のスクラッチに手をかける。
ここで俺にできることといえば…。せめてもの俺への天からの贈り物である、『音楽を届ける』こと。それしかないだろ。俺がスクラッチを回し始めるとともに、軽快な音楽がスタートした。
周りにいるモノクマの形をした『仲間』も、同じように音楽をDJキットをいじることで盛り上げ始めた。
音楽は中盤へと差し掛かり、観客の歓声もボルテージを最高潮に達させる、正にその瞬間だった。
パァン!!!
その場に似つかわしくない『音』。恐る恐る銃声の音の方を向いてみると…………
『仲間』が、胸を一瞬で撃たれて倒れた。
パァン!!!
パァン!!! パァン!!!
———銃声は瞬く間に音楽のメインリズムを乗っ取り、観客の歓声を悲鳴に変えていく。
そして、その音が鳴る度に俺の大事な、『家族』とも呼べる人が———いなくなっていく。
そして、その場に生き残っている演奏者は俺一人だけになった。
『(そっか、俺もこの『音楽』に殺されるんだ———)』
そう、思った。だけど…………
———俺の思いは、悪い方向で当たってしまうこととなった。
ふと、銃声の方向が変わった。方向は——————上。
ガラガラガラガラ!!!!
銃弾で撃たれた場所から落ちてくる瓦礫となった屋根。崩れていくライブ会場。
逃げ惑う観客達。既に終盤へと差し掛かった音楽。その場に固定された俺。
瓦礫の塊は正に『凶器』となり、俺を押しつぶそうとしていた。
「そっか…。そういうことか…。じゃあ…せめてもの…贈り物だよ」
俺は帽子を取り、目の前に投げる。
『神谷達の希望』を潰えさせないように。消さないように。
小さな灯でも、いずれは大きくなると信じて。
ここで、絶望してはいけないと自分に言い聞かせて。
——————そして、真上から落ちてきたかつての『ライブ会場』を見ながら、俺は————————————
ベチャッ!!!
ガラガラガラガラガラガラガラ……………………
……崩れて跡形も無くなったかつての『ライブ会場』の傍には。
彼のいつも被っていた、あの『十字架マークの帽子』が落ちていた、という。