二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編 ( No.249 )
- 日時: 2014/02/22 15:02
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 27fKn1TU)
私達は赤い扉へと向かう。絶望が勝つのか、希望が勝つのか。それを決める、最終決戦へと向かう扉へ。
たどり着くと、既に他の4人は揃っていた。
私の顔を見てほっとしている冥雅くん。
良かったよぉーと泣きついてくる安西さん。
涙を目にためながら笑っている白戸さん。
そして、みんなを見守るように立っている星野くん。
髪で顔は見えないが、覚悟を決めて私を見る秦野くん。
みんな、それぞれが覚悟を示していた。そして、黙って扉を開き、エレベーターへと入る。
みんなが入ったのを確認したエレベーターはゆっくり下降していく。この体験も、これで最後。そう思うと、俄然勝たなくてはいけない気持ちが高まった。
「…最後、なんだよね」
「うん。僕達が勝つか、モノクマが勝つか。ここで決まるんだ」
「負けちゃだめだよ!負けたら、今まで犠牲になってきたみんなが可哀そうだ…」
「……分かってる……」
「大丈夫だよ!わたし達には強い『絆』があるもん!そう簡単には絶望しないって!」
「ふふ、そうね。信じて…頑張るしか、ないのよね」
口々に出される覚悟を決めた言葉。そして、『絶望に勝つ』という一点を見据えた気持ち。今は、それが私を突き動かしていた。
モノクマは私達を『絶望』へと落としてくるだろう。だが、諦めてはいけない。負けてはいけない。自分達のために、そして…みんなのために。
——————エレベーターが大きく揺れる。
運命を決める扉が、今開かれる。
「ようこそ、最終決戦の場へ。まぁ最後ってことで装飾も豪華にしてみたよ。『十字架を背負った地獄の日本』って感じでね!!ぷひゃひゃひゃひゃ」
「御託はいいわ」
「ちぇっ、嫌な顔しちゃって〜。まぁいいや、さっさと教壇に立ってはじめようよ!あ、今回は『ボクも参加させてもらう』からね!!でもどこに立とうかな…ここでいいや」
私達が自分の名前の教壇に立ったと同時に、モノクマはある人物の遺影を壊し、そこに立った。その人物は———もう、みんなわかってるはずよね?
学級裁判の装飾は、前回よりも絶望度を増しているような気がした。一面が地獄のような黒の背景。そして、まがまがしい赤い十字架、そして『喪之熊万歳』と書かれた古臭い大きな旗。床に敷き詰められたおどろおどろしい魔法陣の数々。どれも、私達を『絶望へ誘おう』という合図なのだろうか。
そして、18台の教壇を見てみる。———壊されてしまった遺影のところにはモノクマが。そして、前回おしおきされてしまった神崎くんの遺影が。立っていた。
———神崎くんは自分が罠にかかっていると知っていて、私達に後を託してくれた。本当であれば、彼もここに立っていてほしいのだ。
腕章も、彼が自分で返すべきなのだ。でも、もうそれも思ってられない。
……出なきゃ。勝って腕章の持ち主を探して、返さなきゃ。そうでなきゃ、彼の思いが報われない———!!
「始めようよ。希望と絶望がぶつかる戦いを。血をまき散らすような恐ろしい戦いを。そして———知りなよ。絶望が渦巻くこの世界を。ボク達は、今そういう世界へ立っているんだよ。
うぷぷぷ、駄目だよ怖がっちゃ。駄目だよだじろいじゃ。そういう感情を見せるのは…ボクにコテンパンにされてからにするんだね!!」
そう言ってモノクマはけらけらと笑う。相変わらず憎いやつだ。
目の前に敵がいるからなのだろうか、私の心には大きな不安が残っていた。
でも、駄目だ。不安を見せたら、あいつの思うつぼになっちゃう。
沢山の仲間が犠牲になった。
泣いた。叫んだ。絶望した。
でも、それを乗り越えて私達はここに立っている。
もう、負けるわけにはいかない。
目の前の大きな絶望に、立ち向かっていかなければならない。
…………さぁ、始めましょう。『希望』か『絶望』か。すべてが、そこで決まる。
命がけの言及。
命がけの弁明。
命がけの騙し合い。
…今、命をかけた最終決戦が。
始まる。