二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編 ( No.258 )
- 日時: 2014/03/03 19:38
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: g7gck1Ss)
「大正解大正解だいせいか〜い!!!モノクマの正体かつ、みんなをここに閉じ込めてコロシアイを仕掛けたのはこのアタシ、本物の『村上一夜』ちゃんなのでした〜〜〜!!!」
目の覚めるような青いサスペンダースカート。最初に出会った頃よりも明らかに不自然に伸びているドリルのポニーテール。青かったはずの赤いネクタイ。そして———彼女が見据える、この世界を嘲笑うような感触を味わう、絶望的な目。
一瞬で分かった。彼女が黒幕なのだと。彼女が———私を、みんなを、閉じ込めたのだと。
やっと正体を暴くことができたのに、私はただたじろいでいた。その圧倒的なオーラに。その圧倒的な『絶望』に——————
「あのね、本当は東雲もそのまんまの姿でコロシアイに参加してもらうはずだったの。だ・け・ど〜、あいつって『超高校級の女番長』って糞コロシアイ起こしやすそうなネーミングじゃん?絶対怖がって近づかないじゃん?
だから、アタシに変装して近づいてもらったのよ」
「だったらなんで殺したのよ…!!彼女は殺人を犯してもいないし、あの時は校則だって知らされてなかったわ!!」
ありったけの声でそう叫ぶ。だけど、帰ってきたのは滑稽な笑い声と、冷たい一言。
『ツマラナイから』
その、一言だけだった。
…これが、絶望。これが、『カムクライズル』。これが………………。
常識を覆す事実の連続に私の脳ははちきれんばかりに限界を訴えていた。もういい、もういいと脳内で繰り返してきた。
……でも、まだ聞くことがある。『どうして私達を閉じ込めたのか』。まずはこれを聞かないと。
そう思い、私は意を決して彼女に向き直る。
「どうして私達を閉じ込めたの…?」
「そ、そうだ!!どうしてオレ達をここに閉じ込めたんだよ!オレの記憶もでっち上げて!!」
「そうだな〜…。どこから話せばいいんだろう。実はね、これも未来に起こる『新たな超絶望的な事件』の礎の一つになる予定なの」
「礎?」
「江ノ島盾子が暴走した事件。そして予備学科が暴走した事件。これが、今までに起こった希望ヶ峰学園の大きな2つの事件だわ。
それに、新たな絶望は3つ目の事件を組み込もうとしているの」
「……3つ目の事件……」
「それが、『新たな超絶望的な事件』。事件を引き起こすために、新しい絶望を生み出させて行動させたわ。『コロシアイ』というエサを無数にまき、生み出された『死体』に『絶望』を与えることで『生きる屍』として使用する方法を使ってね。
そして、それはこのコロシアイ体験職業で終わりを迎えるの。アンタ達18人の屍と共にね!!!」
…つまり、黒幕の目的は『死体をたくさん作ること』。そのために、私達にコロシアイを命じたのね。
だったら、どうして最初に閉じ込められた際にみんなを皆殺しにしなかったのかしら。
「な、なぁ。だったら一つ聞きたいんだけど」
「な・に?」
「だったらどうして閉じ込められた初日に皆殺しにしなかったんだよ?」
「初日に皆殺しにするって、随分メンドクサイしツマラナイこと言ってくるのね。人々が絶望しながら仲間割れして死んでいくのを見物していったほうがはるかに面白いじゃない。
しかも、今までだって同じ方法で屍を集めてきたの。今更方法を変えるつもりはないわ」
「狂ってるよぉ…!」
「お褒め言葉をあ・り・が・と・ね☆ 白戸!」
話を切り替えるようにして彼女は白戸さんにウィンクをかます。その姿はハッキリ言って今するものではないと感じた。
当のウィンクされた彼女は涙ながらに身体を震わせている。
「…でもね〜?神崎のファインプレーと神谷のいらない知識欲がいい感じに混ざり合ってアタシの邪魔してくるからほんっとあの時はイライラ来ちゃって。
マジふざけんなって感じ。だから、邪魔だった神崎を始末した」
「…………ふざけてるのはどっちだよ!!」
「あっれれ〜?ふざけてるのはアタシじゃなくて『本科生』であるアンタ達のことなんだからね?言葉遣いには気をつけなきゃダメなんだから!!」
「『本科生』?あんたは『本科生』じゃないの?」
ふと、違和感に思ったことをぶつけてみる。
すると、彼女は深いため息をついた後こう答えた。
「…アタシね、『予備学科』所属の生徒なの。だってそうでないと『カムクライズル』になる意味ないもんね?」
「『予備学科』…?」
彼女から出てきた『予備学科』という言葉。
確か…予備学科って、大量のお金を払って入る『一般人用』の希望ヶ峰学園の門…だったはずよね。
でも確か、彼女は絶望だということを抜いても『超高校級のリポーター』だったはず。
……まさか、その事実すら『カムクライズル』の能力の一つなの…?!
次々に襲い掛かる常識ではあり得ない事実。でも…受け入れるしかなかった。
だって、彼女が言っているんだもの。目の前で滑稽に笑う、『絶望』が。