二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.31 )
日時: 2013/09/30 18:39
名前: ランスロット (ID: 7jx1K2pT)

『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』

…このコールで目が覚めるのは、2回目…だったかな。
相変わらず耳障りな声だ。
そういえば、今日から朝食会でみんなが集まるんだったわね。だとしたら、早く行かないと。
私は着替えと準備を済ませ、食堂に向かって歩いて行った。


「おはようございます、神谷さん」
「おはよう、神谷」
「神谷さんも早起きなのですね」
「おはよう、神谷さん」
「おはよう、みんな」


花岸さん、神崎くん、シオンくん、長月さん。
私が来る前に既に起きていた、礼儀正しい生活リズムの人たちのようだ。
しばらくして、ほかのクラスメイト達も食堂にやって来た。


「あ〜っ?!あたしが一番早く起きたと思ってたのに〜!!」
「おっはよーみんなー!」
「くるみも起床したぞ!まだ眠いのだがな…ふぁ〜あ」
「……おはよう……」


佐藤さん、豊島くん、雨宮さん、秦野くん。
わりかし規則正しい生活をしているグループのようだ。
そして、7時前後。


「おはよーみんな。ちょっと寝坊した…」
「おはよう!時間には間に合ったみたいだね、良かった…」
「おはようございます」
「よォ。おはようさん」


冥雅くん、星野くん、白戸さん、羽柴くん。
彼らも、前のグループと同じ判断をしていいだろう。
そして、約束の時間を少し過ぎて。


「わりぃわりぃ遅れたぜ!おはよう!!」
「ごめんねみんな〜、髪のセットが整わなくてー」
「少し寝すぎたわ、ごめんなさい」
「皆さん…。次からは気を付けてくださいね」


東条くん、安西さん、立花さん。
立花さんはともかく、2人は約束の時間によく遅れてくるタイプだと感じた。
花岸さんが注意しても話半分に生返事をしているところを見ると、余計にそう思った。


「…これで全員ですね」
「なぁ、影浦は?」
「ごめんね、影浦くんも呼んだんだけど、結局来てくれなくて…」
「返事をしたということは、無事なのですね?」
「う、うん」


ならいいですよ、と花岸さんは答えた。
私達全員が席につき、モニャンが朝食を持ってくる。昨日と同じ光景だった。


「モニャンが高校生なら、『超高校級の料理人』って言われてるかもね〜!」
「うれしいお言葉です」


やりとりも、いつも通りだった。
朝食後、私は隅っこに佇んでいる秦野くんに話しかけることにした。
…素顔の件も謝ってないしね。


「秦野くん、今いいかしら?」
「……あ、神谷……」


秦野くんは私の顔を見るなり反対方向を向いてしまう。
やっぱり、素顔を見られたことを気にしているみたいだ。


「秦野くん、ごめんなさい。事故とはいえ、キミの素顔を見てしまって…」
「……違う……。人に話しかけられたの……あんまりなかったから……どう対応すれば……いいのか……分からなかっただけ……」
「あ、そうなの…」


数刻の沈黙。それを破ったのは、意外にも秦野くんだった。


「……俺がこの学校に来ることになって……。他の人と話せるかなって……すごく不安だった……。俺……他人とどう話せばいいのか……分からない……から」
「小さい頃とかに友達と話したりとかはしなかった?」
「……外に出ることすら……なかった……。だから……友達も……あまりいない……」
「…なんかごめんなさい」


まずい言葉を投げかけてしまった、と自分を後悔した。
しかし、秦野くんからは意外な言葉が返ってきた。


「……だから……神谷が話しかけてくれて……嬉しいんだ……。ここの学校の……クラスメイトは……優しい……」
「秦野くん…」


長い髪の毛の下で、秦野くんが少し微笑んだ気がした。
同時に、彼はこんなことを言った。


「あと……素顔のこと……忘れなくて……いい……」
「え?でも忘れろって…」
「見られたのは……仕方ない……。あの時は……素顔を褒められたから……どうすればいいのか……分からなかった……ごめん」
「じゃあ改めて言わせてもらうわ。秦野くんの素顔はとても綺麗よ」


秦野くんは顔を赤らめてフードを深く下げてしまった。
…でも、これでよかったのよね、きっと。
数分後。食堂に豊島くんがやって来た。


「神谷ー!秦野ー!今からドッジボールするんだけど、一緒にやらねぇかー?!」
「私はやるー!秦野くんは?」
「……行く……」
「秦野くんもやるってー!!」
「おうー!!」


その後、みんなで一緒にドッジボールをして遊んだ。


…2日目の特筆すべき出来事は、これくらいだと思う。
明日も、何事もなければいいわね。今日みたいに…。
そう思って、私は三度目の眠りについた。
…明日、モノクマがとんでもない罠を仕掛けていくことに気付かずに。