二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編 ( No.44 )
- 日時: 2013/10/07 18:36
- 名前: ランスロット (ID: XhcgQ6Qp)
〜イチノマチ内 ホテル ロビー〜
私達は事件の手掛かりを求めて、ホテルに戻ってきた。
…何人かが捜査をしている。とりあえず、話を聞いてみましょう。
私はロビーで手掛かりを纏めている二人に近づいた。
「シオンくん、花岸さん、何か分かったことはある?」
「いいえ、わたくし達は有益になることはなにも…。犯人が、証拠を隠滅してしまったのでしょうか」
「…それは考えにくいと思うな。完璧に証拠を隠すなら、花屋に手掛かりなんて残さないもん」
「何か情報を掴んだようですね」
シオンくんにそう言われ、私は花屋で分かったことを全て話した。
この状況で、「情報の共有」は、かなり大切なことなのだ。
そんなことを考えていると、花岸さんがふと「そういえば」と漏らした。
「校則の夜時間…。犯行時刻は、その時間に近かったんですよね」
「えぇ、そうね。今回の犯行時刻は10時45分。そして、夜時間が始まるのは11時」
「夜時間は、一部の施設の鍵がかかるのでしたよね?花屋も…鍵がかかるのでしょうか」
「…どうかしら。モノクマにでも聞いてみないと…」
「はいはい呼びました〜?」
「お前本当どこにでも出るんだな?!」
まるで自分が呼ばれるのが分かっていたようなタイミングで、モノクマが現れた。
彼は、もじもじデレデレしながら私達の質問を待っている。…はっきり言って気持ち悪い。
「…気持ち悪いからもじもじするのやめてくれないかしら」
「え〜神谷さんひっど〜い!!ボクに用があるから呼んだんでしょ〜?」
「誰もあなたを呼んでなどいないのですが」
「みんなしてひどいなぁ。いいもん、じゃあボクだって事件解決のヒント教えてあげないんだから!
『夜時間には花屋の鍵が閉まる』とか教えてあげないんだから!ぷんぷん!!」
そう言ってモノクマはとことこ歩いて去ってしまった。
…普通に私達が疑問に思ってること言ってるじゃない。
とにかく、手帳にメモをしておきましょう。
『夜時間』夜時間になると、花屋の鍵は閉まる。
「あ、一応、昨日の夜何をしてたか教えてくれないかしら」
「わたくしは昨日は自室で茶を嗜んでいました。安西さん、長月さんと共に部屋にいました」
「僕は大浴場でお風呂に入ってました。確か…秦野くんと一緒に入りましたね」
二人とも、複数人で何かをしていた。犯人の線は薄そうね…。
「…そうだ、犯人は東条をスキーストックで刺してるんだよな?だったら、返り血を浴びてるはずなんだ。ランドリーとかに行ってみない?」
「そうね。花岸さん、シオンくん、捜査頑張りましょう」
「はい。神谷さん達も頑張ってくださいね」
私達は花岸さんらと別れ、ランドリーへと向かっていった。
そこには、佐藤さんと雨宮さんがいた。
「ありゃありゃはるちゃんとめいくんだ〜!はるちゃん達も手掛かりを求めて来たの?」
「ええ。そうよ」
「だったらお願いがあるのだぞ!あの奥の洗濯機だけなかなか扉が重くて開かないのだ…」
そう言って彼女は奥のドラム式洗濯機を指さす。
試しに開けようと力を込めて引っ張ったが、扉は何かの原因で重く、なかなか開かない。
「だめ…。開かないわ」
「オレやってみるよ」
冥雅くんが扉の目の前に立ち、力を込めて引っ張る。
すると、さっきまで頑なに開くのを拒んでいた扉がするっと開いた。
「うわぁ、開いちゃった」
「おおお!!流石幸運なのだ!!さぁ、中を見るぞ?!」
雨宮さんの言葉を皮切りに、私は洗濯機の中をのぞいてみる。
そこには…オレンジ色が特徴な、エプロンが入っていた。
「エプロン…?誰のだろう」
「ここに集まってエプロン使うのって、ほっしー、ももっち、みきてぃくらいだよね?」
「そうね…あら?」
…エプロンのひもが、一つ足りない…?
試しに、さっき持ってきた白いひもを他のひもと合わせてみる。
すると………。ぴったり、長さが合ったのだ。
「長さが同じなのだ!」
「じゃあ、このエプロンの持ち主が犯人…?」
「いえ、まだ断定するのは早いわ。このエプロンがマルチショップのものであるか、盗まれた他人のものか、の可能性もあるもの」
「そっかー…。でも、重要そうな手掛かりゲットだね」
『エプロン』オレンジ色が特徴的なエプロン。腰を結ぶひもがひとつ足りていない。
そのひもは、花屋に落ちていたものと一致した。
「そうだ。二人は昨日の夜何をしてたの?」
「あたし達?一緒にくるみんの部屋で絵を描いてたよ」
「くるみも一緒に絵を描いていたのだ」
「そう、ありがとう」
二人にも犯行は無理そうね…。
情報をまとめていると、ランドリーに神崎くんがやって来た。
彼も彼なりに捜査を続けていたらしい。
「神谷、冥雅。ここにいたのか…探した」
「どうしたの?」
「今から東条の部屋に行こうと思ってるんだけど、どうかな」
「他人の部屋に入るの…?!不法侵入だよ!!」
…冥雅くん、突っ込むところ違うわよ。
「モノクマにもモニャンにも許可とったから大丈夫。もしかしたら、何か事件解決の手掛かりがあるかもしれないからさ。行ってみないか?」
「…そうね。行ってみましょう」
「それじゃあ神谷、捜査頑張るのだ!」
「えぇ。お互いに最良の結果を出しましょう」
こうして、雨宮さんと佐藤さんと別れ、私達は東条くんの部屋へ向かった。
…捜査を始めてからそろそろ30分か。
モノクマが痺れを切らして時間切れを宣告する可能性があるかもしれない。
その前に、何としても事件をまとめないと。
- chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編 ( No.45 )
- 日時: 2013/10/08 17:43
- 名前: ランスロット (ID: 7pjyJRwL)
〜ホテル 東条ノ部屋 前〜
「でも、どうして私達を呼んだの?神崎くんほどの冷静さなら一人でも事件をまとめられると思うんだけど」
「いや、俺一人の情報だけだと、流石に事件をまとめるのは無理。神谷なら何か手掛かりを得ていると踏んで、呼んだまでさ」
「…随分と買い被っているのね」
「あれ?お怒り?」
きょとんとした顔で神崎くんが私の顔を見る。
…いいえ、ちょっとびっくりしただけ。こんな短期間で、よく人をすぐに信頼できるわね…。
「いえ、ちょっとびっくりしただけ」
「そっか…ならいいや。無駄話してるのも時間の無駄だし、入ろうか」
「うん」
意を決して私達は東条くんの部屋に足を踏み入れる。
部屋の中は東条くんらしく、スノーボードやスキー板が置いてあった。
恐らく、マルチショップから持ってきたものだろう。
部屋を調べていると、ふと小さな紙切れが私の目に留まった。
「…これは、何かのメモ…?」
「どうしたの神谷、何か見つけた?」
「えっと…『10時30分に花屋まで来てください。話したいことがあります 白戸佳織』」
「…白戸?」
「これは…どういうことなの…?」
書いてあったのは、東条くんを花屋に呼び出すためのメモだった。
恐らく、これは犯人が東条くん宛に書いたメモだと思われる。
でも…宛名が『白戸佳織』って…どういうこと?
「まさか、犯人は白戸?!」
「いや、そんなはずはないわ。白戸さんは私と映画を見ていたもの」
「あぁ。俺も夜に食堂に飲み物を取りに行ったんだが、その途中、ロビーで白戸と神谷が映画を見ているのを見た。白戸に犯行は無理だ」
「じゃあ…犯人が白戸さんに罪を擦り付けようと…?」
「どうもそうとしか思えないな」
『東条宛のメモ』東条の部屋に置いてあったメモ書き。何故か宛名が「白戸佳織」となっている。
「…他にも何かあるといいんだが」
「そういえば、神崎くんは昨日の夜何をしてたの?」
「俺か?昨日の夜は、部屋に突然置いてあったDJキットをいじくって、途中で食堂に飲み物を取りに行ったんだ。その時にロビーでお前さん達をを見たのが10時45分くらいだったな。それで、飲み物を持って部屋に戻った」
「神崎くんにも犯行は無理ってことね」
「…そうだね」
他に目ぼしいものは見つからず、私達は東条くんの部屋を後にする。
…すると、神崎くんが思い出したように呟いた。
「そういや、お前さん達の他に、もう一人ロビーに来た奴がいる」
「それは誰なの?」
「…影になってて誰かは覚えてないんだけど…。背が割かし高くて、女性だったな」
「一応、メモをしておきましょう」
『神崎の証言』ロビーを通る途中、背が高い女性の影を見かけた。
「神谷はこれからどうするんだ?」
「話を聞いていない人に昨日の夜何をしていたのか話を聞いてみるつもりよ。その後は…事件をまとめるだけね」
「…手分けして行った方がいいかもな。俺も手伝うよ、それ」
「どうして?」
私は不思議そうに神崎くんに聞いた。
すると、神崎くんは急に真剣な目つきになって私にこう言った。
「…モノクマがもうすぐ学級裁判を開くらしいんだ。そう呟いてたのを見たのがついさっきだったから…。神谷と冥雅だけで全員聞きまわる時間がない」
「じゃあ、3人で手分けして聞いてこようよ!」
「時間がない…。分かったわ、手分けして聞き込みをしましょう」
私達は互いに頷いて、それぞれの通路を走って行った。
…私も、出来るだけ動かないとね。
そして、数分後。ロビーに戻ってみると、冥雅くんと神崎くんが既にいた。
二人とも、出会った人全員に話を聞いてきたらしい。
…体力があって、羨ましいわ。
「とりあえず、全員のアリバイを書き出してみよう」
「そこから、犯行可能な人と絶対無理な人を導き出す、と」
「でもさ、複数人でいたとしても『共犯者』って可能性もあるよね?」
「それもあるかもだけど、とりあえずまとめてみましょう」
そして、私は二人の情報を元にアリバイ帳を書き始めた。
<全員のアリバイ(10:30〜11:00まで何をしていたか)>
神谷:白戸と一緒にロビーで映画を見ていた。
冥雅:自室にいた。
雨宮:佐藤と一緒に雨宮の部屋で絵を描いていた。
影浦:自室にいた。
安西:花岸、長月と一緒に花岸の部屋で茶道をしていた。
神崎:自室でDJキットをいじっていた。途中で食堂に飲み物を取りに行った。
花岸:安西、長月と一緒に茶道をしていた。
シオン:秦野と一緒に大浴場で風呂に入っていた。
佐藤:雨宮と一緒に絵を描いていた。
白戸:神谷と一緒に映画を見ていた。
豊島:自室にいた。
立花:自室で服を畳んでいた。途中で大会議室に寄って、戻った。
羽柴:自室で薬品の仕分けをしていた。
長月:安西、花岸と共に茶道をしていた。
秦野:シオンと一緒に風呂に入っていた。
星野:自室の掃除をしていた。
「こんなもんかしら」
「この中でアリバイがないのは、オレ、影浦、神崎、豊島、立花、羽柴、星野…くらいかな?」
「うーん…。難しいわ…」
本当にこの中に犯人がいるのかしら…。
ますます分からなくなってきたわ。
その後、今行ける場所をくまなく調査したけど、これ以上の情報は手に入らなかった。
…もう、限界ということなのかしら?