二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編 ( No.57 )
日時: 2013/10/12 21:47
名前: ランスロット (ID: HbGGbHNh)

「これが…『おしおき』なの…?」
「いくらなんでも、酷すぎるよ…!!」


私達は立花さんのおしおきの内容を、モニターで見ていた。
彼女は、最後の最期で信じていたものに殺された。
…なんて、絶望的なんだろうか…。
立花さんは最期、ミキサーの中に落とされて、モノクマに食べられてしまった。
…酷い。酷すぎる。


「立花ちゃん、逃げてたよね…最期まで」
「あんな場所にたちゃ、誰だって逃げたくなるだろ…」
「…どうしてこんなひどいことができるの…」


初めて見る『おしおき』という光景。
私達は、何も言えずに彼女の死に際を見ていることしか出来ない。
ある者は打ちひしがれ、ある者は泣き、ある者は悲鳴を上げる。
…でも、あいつだけは違った。


「エクストリーーーーーーム!!!!アドレナリンが全身に注入されるううううう!!!
 ねぇねぇみんな見た?立花さんがミキサーに入れられる丁度その時の顔!!!
 すっごく絶望的で楽しかったよねええええええ!!!!!」
「…楽しいわけないじゃん…!!」
「…モノクマ。いい加減にしてよ…!!」
「はにゃ?」


私はもう理性で怒りを抑えていることが出来なかった。
今すぐにでも、こいつを、殴りつけて、ぶちのめしてやりたいという気持ちに駆られていた。
…校則なんて、いまさらどうでも良かった。


「…元はといえばキミがあんなDVDを見せるのが悪いんじゃない…。キミが東条くんと立花さんを殺したとも同じよ!!!」
「で?神谷さん、ボクを睨み付けてどうしたの?」
「…校則なんて今更どうでもいい。キミを壊せば全部終わる!!!」
「神谷さんどうしちゃったのさ?校則を自ら破ろうとするなんて、キミらしくないよ〜?」
「キミが…ここに連れてこなかったらそんなことにはならなかったじゃない!!!」


私が怒りにまかせてモノクマを殴ろうとした、その瞬間。
私の右手を、止める人物がいた。


「神谷、止めるんだ」
「神崎くん!!!でも!!!」
「神谷!!!」


滅多に声を荒げない彼が、珍しく叫んでいた。
…そして、私を見る目は…酷く怒りに満ちていた。
私の、愚かな行動に対しての。


「お前も村上と同じ末路を辿りたいのか!!立花を、東条を思うなら、生きるんだ!!あいつらの分まで生きるんだよ!!」
「でも…またこういう風に殺人が起こるかもしれない!!」
「だからってお前がここでモノクマを壊して殺されて、ここにいるみんなが出られると思うか?!別のモノクマが出てきて、俺達に殺し合いを強要する。同じことの繰り返しだ!!」
「神崎…くん…」
「…だから、だ。これ以上殺し合いを起こさないためにも、みんなのためにも。生きろ。神谷」
「…ごめんなさい…!!」


神崎くんの言葉に、私は理性を取り戻す。
モノクマに勇敢に戦って殺されてしまった村上さん。
自分の過ちを認め、真実を追おうとして殺されてしまった東条くん。
家族のために行動し、自分の思い出に殺されてしまった立花さん…。
そうだ。私は、彼らのためにも。
いま、ここで私を見ているみんなのためにも。
生きなくてはならない。


「…ありがとう、神崎くん。目が…覚めたわ」
「ちぇっ。あ〜あ、ツマラナイの。妙な正義感に目覚めちゃってさ〜。
 せっかく主人公を始末できると思ったのに……残念で仕方ないよ」


あのまま私がモノクマを殴っていたら、校則違反で私も血の海に沈んでいたのだろう。
…私は、神崎くんに助けられたんだ。


「気分が白けちゃった。ボク帰るね〜。あ、帰るんだったら来た時と同じくエレベーターに乗って帰ればいいから。じゃあね〜!!」


しょぼーん、とワザとらしくモノクマは発し、椅子から落ちて姿を消した。
…それに安心したのか、今までの一部始終に何か思うことがあったのか、私の意識はそこで途切れた。


入手アイテム
『クマの形のヘアゴム』
立花実貴の遺品。
彼女が幼い頃、母親に秦野の拾ったヘアゴムと一緒にもらったもの。
既にゴムはどちらともヨレヨレになっているが、彼女は大切に扱っていた。

chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編 ( No.58 )
日時: 2013/10/14 19:08
名前: ランスロット (ID: DfPuoRMU)

…私は、とある家の前に立っていた。
今閉じ込められている街ではなく、どこか見覚えのある街。
そして、私の目の前にいるのは、私とよく似た髪の色をしている男の子と女の子。手をつないで怯えているところを見ると、双子だろうか。
そして、その前には紫のマフラーが特徴的な、双子よりも少し大きな男の子がいた。
向かい合っているのは、スーツを着た死んだ目をしている男の人達。
…男の子は、二人を庇うかのように前に立っていた。


「このクソガキが!!双子から離れやがれ!!」
「きさまら!!このひょうかいのまおうに立ちふさがるとは、なんたるぶじょく!!ふたりはぜったいにおれさまがまもってみせる!!」
「そうだ!!はるこはおれたちがまもる!!」
「おにいちゃん……」


「…おにい、ちゃん?」


女の子が発したお兄ちゃんという言葉。
それを聞いたとたん、私の頭が割れるように痛くなる。
なんなの、これ…!!私には、こんな思い出なんかっ、ないのにっ…
頭痛は時とともに強くなり、私は立っていられなくなった。




「あっ………あああああっ………!!!」







『…みや、神谷!!!』
「!!!」


目の前には心配そうに私を見る冥雅くん、秦野くん、長月さん。
どうやら神崎くんが私を止めてくれ、モノクマが帰った直後に倒れてしまったらしい。
そして、冥雅くん達で私の部屋まで運んでくれたらしい。
…今のは、夢……だったのかしら。


「…うなされてたみたいだけど大丈夫…?」
「……仕方ない……あんなことの……後だ……。……大丈夫か……?」
「神谷さん、飲み物持ってきましょうか?」


それぞれがそれぞれに心配の言葉をかけてくれている。
私は…申し訳ない気持ちになった。


「…大丈夫よ、変な夢を見てただけ」
「夢?」
「うん。小さな双子と、マフラーの男の子が、男性に歯向かっている夢」
「…昔の、思い出とか?」
「…考えてみたけど、全く心当たりがないの。で、光景を見てたら頭痛がして…」
「……神谷……もう少し安静にしてた方がいい……」
「三人とも、ありがとう。私はもう大丈夫よ。…ちょっと涼んでくるわ」


そう言って私は自室を出る。
冥雅くん達は、まだ心配そうな目で私を見ていた。
…後で鏡を見ておこう。自分で言うのもなんだけど、酷い顔だと思うから…。


ホテルから出ようとロビーにやって来ると、そこでは神崎くんとモニャンが何やら話をしていた。
…珍しい組み合わせね。
見とれていると、神崎くんがこちらに気付いたらしく、近づいてきた。


「神谷、大丈夫か?急に倒れたから…」
「ええ。心配かけてごめんなさい。そして…止めてくれてありがとう」


そうだ。彼がいなかったら、今頃私はここにはいない。


「神谷が暴走しなくて、良かった」
「…あの時は、本当にモノクマが許せなかった。自分でも止められないくらい、感情が爆発していたの。…感情論に流されるなんて、『超高校級の知識』失格ね」


冗談交じりに私は苦笑いをする。
彼はそうかな?と切り替えし、こう答えた。


「ただでさえ普通の状況じゃないんだ。神谷が殴りかからなくても…、あれなら誰かしらモノクマに反抗してたと思う」
「…ねぇ、神崎くんはどうして私を止めてくれたの?…自分でこんなことを言うのもなんだけど、クロになる予定がキミにあるなら、あの時止めずに殺された方が都合はいいわよね?」


ふと、頭に浮かんだ疑問を投げかけてみる。


「…ごめんな、今は話せないんだ」


そう答え、彼は自室へと戻っていく。
…本当に謎の多い人だ。
彼が曲がり角を曲がると同時に、モニャンがこちらに向かって話し始めた。


「神谷様。私は貴方を信じております。どうか……自分を信じてくださいませ」
「それってどういう…」


私が言い返す前に、モニャンも食堂へと去る。
…そうか、もう夕食の時間なんだ。
自分を信じろ…。一体、どういうことなのかしら。
そう思いながら、私も自室へと戻り、改めて三人にお礼を言った。




<死亡者>
「超高校級のスキーヤー」東条健悟
立花実貴によって殺害される。
スキーストックによる刺殺。


「超高校級のバイトマスター」立花実貴
1回目の学級裁判のおしおきによる処刑。
ミキサーの刃で身体を粉々にされ死亡。



<生き残りメンバー> 残り:15人
「超高校級の知識」神谷春子
「超高校級の幸運」冥雅雪斗
「超高校級の着ぐるみ職人」雨宮くるみ
「超高校級の女形」影浦凍耶
「超高校級のパティシエール」安西桃花
「超高校級のDJ」神崎満月
「超高校級の弓道部」花岸美那子
「超高校級のディーラー」シオン・スカーレット
「超高校級のマジシャン」佐藤かがみ
「超高校級の映画監督」白戸佳織
「超高校級のダンサー」豊島未来
「超高校級の科学部」羽柴陸斗
「超高校級の図書委員」長月舞子
「超高校級のハッカー」秦野吟也
「超高校級の美化委員」星野梓沙



chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編/学級裁判編 END