二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 ( No.67 )
日時: 2013/10/18 17:45
名前: ランスロット (ID: pkkudMAq)

「お帰りなさい…って佐藤さん大丈夫なんですか?!」
「うん。ちょっと変な写真見ちゃっただけ…」
「写真…いや、それは報告会の時に話し合いましょう。まずは佐藤さんを休ませないと」


既に、他のグループの面々は食堂に帰ってきていた。
まぁイチノマチよりは面積も狭いし、探索が早く終わるのも頷けるだろう。
私は佐藤さんを椅子に座らせ、水を汲んで彼女に飲ませた。


「ありがとう、はるちゃん…。ごめんね、足手まといで…」
「ううん。誰でもあんな写真を見たら怯えるわよ」
「佐藤さんはゆっくり休んでて」


佐藤さんはこくりと頷いて、テーブルに顔をうずめて休み始める。
…彼女が休んでいる間に、話し合いを終わらせないとね。
彼女が、あの光景を思い出す前に。


「…ねぇ、そろそろ始めない?報告会」
「そうですね。それでは皆さん、集まってください。報告会を始めます」


花岸さんの言葉を皮切りに、私達はテーブルを囲むように座る。


「それでは、赤グループの報告からお願いします」
「うん、分かった」


冥雅くんは服のほこりを少し払ってから、みんなに向き直って話し始めた。


「俺たちは、ホテルの新しく解除されたロックを探したんだ」
「2階のプールの鍵と、トレーニングルームの鍵、それと1階の救護室の鍵が解除されていました」
「相変わらず3階以上のシャッターは開いてなかったよ…」
「救護室解禁かァ。軽い怪我は治せそうだな」
「そうだね!」
「ありがとうございました。次に、黄色グループの報告をお願いします」


花岸さんは長月さんの顔を見て頷き、彼女もそれに合わせて席を立つ。
二人の意気はピッタリ合っていた。二人とも、仲良しなんだなぁ…。


「新しい街…ニノマチ、と書いてあったからそう呼ばせてもらうわね。ニノマチには、教会とパラボラアンテナが置いてあったわ」
「パラボラアンテナ?」


ふと、不思議に思ったのか豊島くんが疑問を投げつける。


「……念の為に調べたが……稼働していなかった……」
「これから動く気配とかは…?」
「……ない……。……中身の機械が……全てなくなっている……」
「そっか、動かないのか…」
「教会はフツーの教会だッたぜ。でも、なんで教会なんかあるんだろうなァ?」
「この街に超高校級のシスターが住んでいた、とかは?この街に誰かが住んでいたことは明らかなんだし」
「それもよく分からないよねー…」
「…こほん。疑問は後程議論することにしましょう。ありがとうございました。続いて、わたくし達のグループの報告をしたいと思います」


花岸さんは前回と同じように深呼吸をし、私達の方に向き直る。


「まず、街の西方面には湖がありました」
「湖?そんなもの作って何を思ってるのかしら…」
「くるみは、冥雅と同じく超高校級の釣り職人が住んでいたと予想するぞ!!」
「まぁ、魚はいなかったけどな」
「あと、モノクマの形をした変な塔があったんだ。途中でモデル本人が現れたから聞いてみたんだけど、ただの娯楽施設なんだってさ」
「勉強に疲れた生徒たちの脳をリラックスさせるってことなのかな?」
「それは分からない…だが、あの塔に何かありそうなのは間違いなさそうだな」
「わたくし達の報告は以上です。最後に、緑グループの報告をお願いします」


そう言って花岸さんは私を再び見る。
私は前回と同じく1回深呼吸をし、話を始めた。

Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.68 )
日時: 2013/10/18 21:21
名前: ランスロット (ID: pkkudMAq)

「報告を始めるわ。北方面には、まずカジノがあったわ」
「カジノ、ですか?!」


想像通り、シオンくんが食いついてくる。


「中は結構広くて、色々な機会が所狭しと置いてあったんだ。カジノ台もあったから、トランプさえあれば勝負できるんじゃないかな」
「ほ、本当…なんですね…」
「あと、スタヤがあったよ!中身もいつものスタヤ!」


佐藤さんが元気よくスタヤの存在を明かすと、白戸さんと雨宮さんが目をキラキラさせながら佐藤さんの方を向いた。


「ほ…本当に?!」
「それは本当か、佐藤!」
「うんっ♪後で一緒にアニメとか映画とか見ようよっ♪」


佐藤さんの誘いを受け、白戸さんは天使のような微笑みを浮かべ、雨宮さんは人形のような笑顔で喜ぶ。
…ここは楽園か。いやいや、場の空気に流されてはいけない。ここは気持ちを踏ん張って、報告しないと。


「あとは、写真館があったわね」
「へぇ〜」
「えっと、その写真館なんだけどさ、飾ってある写真の中に…」


意を決して星野くんが口を開く。


「…死体の写真が何枚かあったんだ」
「えぇっ?!」
「し…死体…?」
「モノクマの趣味にしても、ひどすぎると思ったわ。死体の写真を飾るなんて…」
「はいはい呼びました〜?」


私が写真について感想を述べると同時に、モノクマがテーブルの上に現れる。
本当に神出鬼没で迷惑な奴だ。


「あの写真はなんなの?」
「あ〜、あれ?楽しい写真ばっかりだとオマエラも飽きちゃうでしょ?だから、ボクが気を利かせてホラーな写真を飾ってみました!!」


…だからってあれはないだろ。


「じゃああれは…偽物?」
「それはオマエラの想像にお任せします」
「あ、それと…もう一つ聞きたいことがあるんだけど」
「なになに〜?」


星野くんの疑問…。
『太陽が動いていない』という疑問ね。


「なんで太陽が動いてないわけ?」
「あ、それ俺も気になってた。入った時間と出る時間、どちらも太陽が同じ位置にあるんだ。どういうことだ」


どうやら神崎くんも同じことを疑問に思っていたらしい。
その他の生徒は「そうですかね〜」とか、「動いてたとおもうんだけど」とか、様々な反応を見せる。
そんな中、モノクマはぴしゃりとこう言った。


「だってあの中室内だもん」


…は?室内?
モノクマのあっけらかんとした答えに、私は呆れて何も言えなくなっていた。
あいつは『街の柱のロックを解除した』と言っていた。
でも…ロックを解除したのが…室内?
どういうことなの?


「ふざけたこと言ってんじゃねーよ!!」
「ふざけてないよ〜。完璧に外なのはイチノマチ…つまりホテルのあるこの街だけなんだよ。4つの柱の向こうにあるのは、全部『室内』なの」
「じゃあ、出ようとしても出られないんだね…外側が室内なんだもん」
「そうなのです!」


モノクマは勝ち誇ったようにドヤ顔をしてこちらを向く。
…一瞬、殴ろうとしたのは内緒よ。


「これは秘密にしておこうと思ってたんだけど、察しのいい生徒がいたから言っちゃったよ。まぁ、どうせオマエラに出口なんてないんだし、ここでの生活を受け入れて一生を過ごしなよ!」
「はぁ…。そんなことで私達は諦めないわよ」
「そうだそうだ!」
「オマエラがどこまであらがえるか…楽しみ楽しみ、うぷぷぷぷ!それじゃあ、まったね〜!!」


いつものようにモノクマはテーブルから落ちて消える。
…報告会は、とんでもない邪魔が入って、気分が落ち込んだまま終わりを迎えた。