二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater00 〜絶望職場体験・スタート〜 ( No.7 )
日時: 2013/09/21 00:09
名前: ランスロット (ID: VaYZBoRD)

……私は一体何を……


確か希望ヶ峰学園の校門にいたはず……


でも、急に目眩がして……


なにが…あったの…かしら…


「…のー、……ぶー?」


声…?


その声に顔を上げてみると、白い髪の青年が私を心配そうに見ていた。
私が顔を上げたことに、青年はほっとしたのか表情を崩した。


「よかった…目覚めなかったらどうしようかと心配だったよ」


くにゃりとした笑顔で私を見る。青年曰く、この場所で倒れていた私を見つけて、目覚めるまでずっと見守ってくれていたそうだ。
…後でお礼を言わないとだめね。


そういえば、ここはどこなのかしら…。辺りを見回すと、クリーム色が私の目に飛び込んできた。学校って、クリーム色の壁だったかしら。…いや、パンフレットに書いてあった教室の壁の色は白。クリーム色じゃなかったはず…。じゃあ、ここはどこ…?
頭の整理がつかないうちに、青年が私に向かってこう行った。


「とりあえず、みんなのところまで行こうか」


みんなのところ…?ここにいるのは私と彼だけじゃないってこと…?
まぁ、行ってみれば分かることだわね。私は黙って彼について行くことにした。


廊下を歩き始めて数分。青年が私に向かって話しかけてきた。


「あ、自己紹介がまだだったね。オレの名前は冥雅雪斗。『超高校級の幸運』として希望ヶ峰学園に入学するんだ」
「私は神谷春子よ。これからよろしく」


冥雅くんが自己紹介をしてきた。私も同じように自己紹介を返す。そう、彼は私の同級生になる人だったのね…。
超高校級の幸運…。そういえば、インターネットを調べていた時にそれらしきことが書いてあった。私は頭の知識の倉庫から一つの情報を取り出す。
超高校級の幸運は、全国中の一般の高校生から抽選で選ばれる、「毎年存在する特別枠」…だったはず。


「オレの家に招待状が届いたときはみんなビックリしてさ。家族総出で学園に電話をかけたよ…。何回かけたんだろうなぁ」
「でも、貴方の家に招待状が届いたってことは、凄い幸運の持ち主なんじゃない?すごい才能じゃない」


私の言葉を聞いて冥雅くんは「いやいや!」と答えた。そして、こう切り返してきた。


「全然大したことないよ…。招待状が届いたときに、オレが今まで運が良かったのか考えてみたんだ。でも、心当たりが全然なくてさ。『買い物に付き添ったときにやる福引で毎回1等を当てたり』、『友達と一緒に何回か行った遊園地の来場人数が毎回オレで丁度キリ番だったり』、といったことはあったけど…こう『これだ!』って決め手はないんだよな」


…まさか、冥雅くん…。自分が幸運の持ち主だって、自覚がないの…?
福引で毎回1等を当てたり、遊園地で毎回来場者数がキリ番になったり、って相当な運の持ち主じゃなきゃ出来ないことなのに…。


「いや、とんでもないわ…」


思わず本音が声に出た。

冥雅くんと談笑しているうちに、彼がふっと目の前を向いた。


「着いたよ」


私の目の前で、16人の少年少女が私達を見つめていた。