二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 ( No.74 )
日時: 2013/10/22 19:30
名前: ランスロット (ID: rzJe41w6)

『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』


…朝、か…。
昨日、あのアニメを見せられて影浦くんが自室に閉じこもってしまった。だから、とりあえずその日は解散し、明日対策を練ることにしたんだっけ…。
昨日のアニメを見た後の影浦くんの反応…。とても、見ていられるものではなかった。
顔は青ざめ、唇は震え、両手は頭を抱えている…。いつもの、堂々とした影浦くんではなかった。
その後、「この中の誰かを殺す」と言ってしまった。あのアニメの内容は、彼にとってとても嫌な内容だったのだろう…。
しかし、殺人を起こしてはならない。殺人を起こしたとして、学級裁判を乗り越え犯人以外の全員を犠牲にしなければならない。
…とりあえず、まずは朝食会に参加しなきゃ。
私は素早く私服に着替え、食堂へと歩いて行った。


「影浦くん、大丈夫かな…」


やはり、朝食会の話題も影浦くんの話題。みんな、昨日の彼の発言を気にしているみたいだ。


「いっつも部屋に閉じこもってるからあいつの様子も分からねぇしよ…」
「影浦くんの様子を見に行って、そのまま殺されました、では元も子もありませんしね」
「シオン!変な言いがかりはよせよ!!」
「しかし、彼は本気だと思われます。昨日のあの表情、あの目…。演技で見せられるものではありませんよ」


突然、シオンくんが真剣な表情をして淡々と事実を述べる。
私も彼と同じことを思っていた。恐らく、影浦くんは本気で殺人を犯そうとしている。
あのアニメの内容を、外に知らせないために。


「今日は出来るだけ、単独行動は避けましょう。一人でいると、いつ影浦くんに襲われるか分かりません」
「でも、二人以上で行動してても影浦は殺人を犯すかもよ?」
「三人でも、四人でもそれは同じだしねぇ…」
「それならご安心くださ〜い!!」


その言葉とともに、モノクマがテーブルに現れる。
…また何かを言いに来たのか。


「あーっ、影浦を酷い目に合わせた張本人なのだ!!」
「そんな言い草やめてよー。せっかくいい情報を持ってきたのに」
「…その情報って、何?」
「校則追加のおっしらっせで〜す!」


…校則が、追加されるのか。


「では、発表しまーす!!『一人のクロが殺せる人は、二人までとします』でーす!!」
「…つまり、全滅させようとしても、無駄ってことね」
「そういうこと。だって、一時の感情で生徒全滅、学級裁判もなしに卒業となればツマラナイでしょ?この校則がある限り、皆殺しは絶対にないから安心していいよ!」
「…だけど…、影浦は知ってるのか?その校則」


突き詰めるように神崎くんがモノクマに問いかける。…彼はモノクマの校則追加の裏の意図を掴んでいるようだ。
モノクマはその言葉を聞いて、嬉しそうにこう答えた。


「影浦くんにもよく言って聞かせたから、大丈夫!オマエラ、安心していいよ!」
「…っていうか、よくあんな状態の影浦に説得できたな」
「ボクも大変だったんだよー?何回も影浦くんに首を絞められかけたよ。試しに爪で脅してみたら動作を辞めたけど」
「流石にモノクマの言うことは聞く、か…」
「ボクが言いたかったのはそれだけ!!それじゃあ、愉快で陰湿な学園生活を続けてください!!まったね〜!」


そう言ってモノクマはいつも通り消えてしまった。
…とりあえず、今日は三人以上での行動を義務付けて報告会を終了した。


そして、お昼頃の話である。


「…はァ、面白いように何もないなァ」
「変なこと言わないでよ」


私は、ロビーで偶然会った羽柴くんと花岸さん、それからモニャンと一緒にくつろいでいた。
…モニャンが食堂以外にいるのは珍しかったけどね。


「…影浦くん、どうしてるかしら」
「今まで、自室以外に出たところを見た方はいませんでした。恐らく、今も自室に閉じこもっていることでしょう」
「…今日はそうでしょう。でも、明日…きっと、何か仕掛けてくる。そんな気が、する」


影浦くんは近いうちに何か仕掛けてくる。誰をターゲットにしているのか、どんな殺害方法をしてくるのか…。もし、私をターゲットにしているのなら、止めるつもりでいるけど。
…影浦くんに殺人を犯させては、ならない。


「…しかし、皆様が動かないのは、ただ殺されるのを待っているだけかと思われます。神谷様方も、警戒心を薄めず、どうか気を付けてくださいまし」
「ありがとう、モニャン」


夜になっても影浦くんは出てこないので、今日のところは解散して自室で眠ることになった。
明日…何も起こらないといいけど…。


何か、起こる気がするのは…私だけなのかしら。

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 ( No.75 )
日時: 2013/10/23 18:16
名前: ランスロット (ID: PRhXGwDk)

…そして、朝。
影浦くんが殺人予告をしてから、今日で2日目。…恐らく、今日あたりから本格的になにか仕掛けてくるだろう。
みんなの安否も重要だが、影浦くんの様子も気にかけなければならない。
そして、私は身支度を素早く済ませ、食堂へと向かった。


…部屋から出た時に何か違和感を感じたけど…。きっと、気のせいよね。


「おはようございます、神谷さん」
「おはよう、みんな」


食堂には数人を除いて、殆どの人が集まっていた。
…いないのは、雨宮さん、シオンくん、長月さん、星野くん、白戸さん…か。
いつもなら私より早く起きてくる人達ばかりだ。…まさか。いやいや、そんなことはない。
そう思っていると、シオンくんと雨宮さん、星野くん、長月さんの姿が確認できた。


「遅れてしまい、申し訳ありません」
「ちょっと寝坊しちゃったのだ…」
「おはよう、みんな」
「心配かけさせてごめんなさいね」
「皆さんが無事ならそれに越したことはありません」


ここに閉じ込められた当初の花岸さんも、今では遅れてきた人達にあまり怒らなくなった。…環境の変化、というやつなのだろうか?
…後は白戸さんだけ、か。
と、思った、その時。










「きゃああああああああああああ!!!!!!!!」











…聞き覚えのある、悲鳴。…白戸さんの悲鳴だ!!
そして、恐らくあの方向は…。影浦くんの部屋の方向。


「白戸さんの様子を見に行ってくるわ。みんなは朝食会を始めてて!!」
「待ってよ神谷ちゃん!私も行く!!」
「ちょっと、待てよお前ら!!」


急に走り出した私に、安西さんと豊島くんが追いかけてきてくれる。
…まただ。東条くんが死んだ時と同じように、頭の中で危険信号が繰り返す。誰かが、殺されている。
…そして。影浦くんの部屋の前に、彼女はいた。


「白戸さん!!」
「あ……あれ……!!」


白戸さんは涙ぐみながら部屋の中の物体を指さす。
私達は、それを見て驚愕した。


「ちょっ…?!また…?!」
「どうして…?なんで…?」
「…ナイフが刺さっている、着ぐるみ…?」


私達が見たものは、着ぐるみがへたり込んでいる光景。
そして、腹のあたりに…包丁だろうか?何かは分からないが、刺さっている。
私は恐る恐る部屋に入り、着ぐるみの頭の部分を外してみる。


「……!!!」
「マジ…かよ…またなのかよ…!!」
「…ありえない…待ってよ…またなの…?!」


私は着ぐるみを来ていた人の正体を見て、何も言えなくなった。
…え?殺すって言ってたのは、彼なのに…。
どうして…?なんで…?
私の思っていた「彼」が、着ぐるみの頭から…。









『超高校級の女形』影浦凍耶くんが、変わり果てた姿でそこにいた。








「…また…なの…」
「神谷…さぁん…!!」
「また…あの恐ろしい裁判を…やるの…?!」



『死体が発見されました!死体が発見されました!一定時間の自由時間の後、学級裁判を行います!
 もう一度、お伝えします!死体が発見されました!死体が発見されました!』


私は、何も言えずに、ただ、二度と動かない影浦くんを見ていた。






<死亡者>
「超高校級の女形」影浦凍耶
影浦の部屋で発見。
何者かによる、刃物での刺殺だと思われる。




<生き残りメンバー> 残り:14人
「超高校級の知識」神谷春子
「超高校級の幸運」冥雅雪斗
「超高校級の着ぐるみ職人」雨宮くるみ
「超高校級のパティシエール」安西桃花
「超高校級のDJ」神崎満月
「超高校級の弓道部」花岸美那子
「超高校級のディーラー」シオン・スカーレット
「超高校級のマジシャン」佐藤かがみ
「超高校級の映画監督」白戸佳織
「超高校級のダンサー」豊島未来
「超高校級の科学部」羽柴陸斗
「超高校級の図書委員」長月舞子
「超高校級のハッカー」秦野吟也
「超高校級の美化委員」星野梓沙



chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編 END