二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編 ( No.76 )
日時: 2013/10/24 20:48
名前: ランスロット (ID: XVANaOes)

…また、殺人が起こってしまった。
目の前には、信じたくないが、確かに変わり果てた影浦くんがいる。
…もう、彼の嫌味を聞くことも出来ないのだ。


「またかよ…!」
「でも、犯人見つけなきゃくるみ達が死ぬんだぞ…?!」
「…捜査、しましょう。この事件を…解決するのよ」


私は精いっぱいの声で、そう叫ぶ。
部屋を出て、タイミングを見計らったように登場したモノクマに事件のファイルを貰い、早速捜査を始めることにする。
今回の見張りは、前回と同じく検死役も兼任する羽柴くん、そして花岸さんが担当することになった。


〜ホテル内 影浦凍耶ノ部屋 内 影浦ノ死体 前〜


「…とにかく、モノクマファイルを見てみないとね」


そう思いつつ、私はモノクマファイルを開く。
今回も、被害者の情報が簡単にまとめられていた。



被害者:「超高校級の女形」影浦凍耶
死因:サバイバルナイフによる出血死
死亡時刻:6時50分頃
死体発見場所:イチノマチ内「ホテル」 影浦凍耶の部屋内
備考:死体は着ぐるみを来ている


『サバイバルナイフ』影浦の腹に刺さっている。今回の凶器は、恐らくこれ。

『着ぐるみ』影浦の身体がすっぽりと入るくらい大きな着ぐるみ。なぜ影浦が着ていたのかは不明。



…今回も、色々と捜査しなくてはダメ、ってことね。
色々な意味で、今回の犯人探しは胸糞が悪くなるだろう。私はそう予感していた。


「羽柴くんの検死が終わるまで、部屋の中を見て回ってみましょう」


私は部屋の中を見回してみる。
…しばらく見回していると、壁に刃物の傷がついていることが分かった。恐らく、犯人と影浦くんは争っていた…。そうでなければこんな傷が壁につくことはない。
とりあえず、手帳に書いておこう。


『争った跡』壁に刃物の傷があった。恐らく、犯人と影浦との争いがあったと思われる。


…さて、次はどこを調べようかしら…。そう思った折、花岸さんに呼ばれた。
内容は、犯行時刻についての話だった。


「神谷さん、犯行時刻について、考えたことがあるのですが…」
「何かしら?」
「モノクマファイルの犯行時刻が正しければ、影浦さんが殺された時刻は朝方の6時45分。
 その時、食堂にいた方は、犯行をすることは出来ません」
「…私が起きてきた時間が6時40分頃だから…。犯行が出来るのは、私が起きた後に、食堂にやって来た人物、ということになるわね」


『殺された時刻』犯行が行えるのは、神谷が起きた後に食堂にやって来た人物の可能性が高い。


花岸さんと話し合っていると、羽柴くんがこちらを呼んでいることに気付いた。
…どうやら、検死が終わったみたいね。


「今回の死体には…。致命傷のサバイバルナイフの傷以外のものは無かったぜェ」
「と、いうことは…。影浦くんは一撃死の可能性が高いって訳ね」
「後、影浦の死体のそばにこんなものが落ちてた」


そう言って、彼は私達にあるものを見せた。
これは…サバイバル、ナイフ?でも、影浦くんの刺さっているものとは刃渡りが違う。


「恐らく、影浦はこいつで殺人を犯そうとしていたんだろうよ」
「なぜそんなことが分かるのです?刃渡りの長い方が、殺人を犯しやすいはずです」
「…たぶん、影浦くんは何か考えていたのよ。…誰かを殺す、計画をね」



『サバイバルナイフ(短)』影浦の死体近くに落ちていたという刃渡りの短いサバイバルナイフ。

『影浦の殺人予告』影浦は、誰かを殺す計画を立てていた。


「…あら?これはなんでしょうか」


私が手帳の内容をまとめていると、花岸さんが何かのメモを見つけた。
メモには…『殺人』や『計画』の文字がびっしりと並んでいる。
…もしかして、これが影浦くんの犯そうとしていた、殺人のメモ?


「…ありャ?ここに『神谷』って文字があるぞ」
「もしかして、影浦さんは神谷さんをターゲットに指定していたんではないでしょうか…?」
「…影浦くん…」


影浦くんは、私を狙っていた…?確かに私を殺せば学級裁判では少し有利になる(と思う)。でも、彼のことだ、私を狙った理由はそれだけではない気がする…。
…とりあえず、手帳にメモをしておきましょう。


『殺人計画のメモ』影浦の殺人計画メモ。内容から、ターゲットは神谷だと思われる。


…そろそろ、他の人にも話を聞いておこうかしら。


「私、他の場所も調べてみるわね。じゃあ、また」
「あァ。捜査、頑張れよ!」
「健闘を祈ります」


二人に見送られながら、私は影浦くんの部屋を後にした。

Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.77 )
日時: 2013/10/25 18:45
名前: ランスロット (ID: lqhOUyMm)

〜ホテル内 食堂〜


食堂に足を運ぶと、何やら考え事をしているのか、首を傾げている神崎くんと、それをまじまじと見つめる雨宮さんを見つけた。


「神崎くん、何か分かったことはある?」


前回の学級裁判でも、神崎くんの知恵に随分助けられた。彼の情報と私の情報を共有すれば、きっと事件解決への道を少しでも開ける、と私は確信していた。
…根拠は、ないんだけどね。


「…今回の殺人は…、きっと、衝動殺人だと思う」
「衝動殺人…?『影浦を殺すつもりはなかったけど、うっかり殺してしまった』ってやつなのか?くるみ分からないぞ…」
「まぁ簡単に言えばそうなるけど…。どうしてか聞かせてもらえないかしら?」
「影浦の死体近くの状況だよ。今回の事件は…証拠隠滅が、全くされていないんだ。だから、犯人は影浦を殺すつもりはなかったという可能性が高いと、俺は踏んでいる」
「…逆に、影浦くんが人を殺す計画を立てていたものね…」


え?と二人の声が重なった。そうだ、二人にあれを見せなくては…。
私は手帳の中に挟んでおいた、影浦くんの殺人計画メモを見せてみる。


「…メモの内容からして、殺す相手は神谷だったようだな」
「えぇ…。やっぱり、私がいると裁判を乗り越えられないから…」
「いや、それだけじゃない。あいつ、俺か冥雅に罪を擦り付けてここから出る計画まで立てていたみたいだぞ」


…この少ないメモの内容からそこまで読み取れるなんて…。彼、本当は「超高校級のDJ」ではなくて、「超高校級の探偵」とかそこら辺なのではないだろうか…。


「証拠隠滅も図ろうとしていたみたいだし、影浦が殺される前日に、俺の帽子が無くなったんだよ…。冥雅も同時刻に持ち物が無くなったらしいんだって。恐らく、影浦が盗んだんだと思う」
「そんなことまでしてたの…。でも、なんで二人の私物が元通りに?」
「そりゃ、俺達が回収したから」
「あぁ…そう…」


…抜け目がない。でも、これで「影浦くんが私を殺し、神崎くんか冥雅くんに罪を擦り付けて卒業する」という計画が明らかになった。…それは分かったけど、肝心の『影浦凍耶を殺した』犯人の証拠が全然見つかっていない。
…他の人に話を聞いた方がいいかもしれないわね。


「私、もう少し他の人に話を聞いてみるわ」
「そっか。俺、もう少しここで事件をまとめてるからさ。話を聞き終わったら待ち合わせよう。冥雅も呼んでおくから、三人で考えないか?」
「分かったわ。それじゃあ、行ってくる」


二人と軽く言葉を交わし、私は2階へと足を運んだ。



〜ホテル内 2F トレーニングルーム〜


トレーニングルームに足を運んでみると、安西さんと豊島くんが何やら話をしていた。…今回、影浦くんの死体を最初に見つけた二人だ。
もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。話しかけてみよう。


「安西さん、豊島くん。何か分かった?」
「いんや〜。俺たちは全然」
「神谷ちゃんや神崎くんとは違って、私たち頭はからっきしだからね…」
「じゃあ、何か見つけたものとか、殺人が起こる前に怪しいなーと思った誰かの行動とか、何かなかったかしら」


質問を変えてみる。すると、二人とも何か思い当たることがあったようで、お互いに顔を見合わせて、こちらを向いて語り始めた。


「あぁ、それなら昨日の昼頃…昼飯が終わった後だな。雨宮の部屋に影浦が入って行ったのを見たぜ」
「雨宮さんの部屋に?あの扉は『人がいない間は』オートロックだったはず。なんで…入ることが出来たのかしら」
「…それ、俺も考えたんだけどさっぱりでさー…。神谷がお手上げだったら俺も考えるのやめようと思ってたんだ」
「えー…」


『豊島の証言』昨日の昼頃、雨宮の部屋に影浦が入っていくのを見た。


…雨宮さんが、昨日のお昼に何をしていたのか、聞く必要がありそうね。でも彼女、確か昨日は佐藤さんとカフェでくつろいでいたような…?


「神谷ちゃん!私も変な行動をした人、見たよ!昨日の夜…夜時間が来てすぐに、影浦くんがホテルから出るところを見たよ!」
「恐らく、それはマルチショップにサバイバルナイフを取りに行くところだったのね。…殺人計画を、実行するために」
「影浦くんが誰かを殺すはずだったのに、なんで影浦くんが殺されてるんだろう…」


『安西の証言』昨日の夜、ホテルから影浦が出るところを見た。恐らく、マルチショップにサバイバルナイフを取りに行った。


…そうだ。なぜ彼が殺すはずの全員が生きていて、影浦くんが殺されているのか。その謎を突き止めなければ、この事件は解決できない。


「他は何も知らないぜー。神谷、そろそろ他の奴らにも話を聞いたほうがいいんじゃね?さっき時計を見たら、そろそろ1時間経つし」
「私もそうするつもりだったわ。それじゃあ、捜査頑張りましょう」
「神谷ちゃんも頑張ってね!」


元気よく手を振る二人を遠目で見た後、私はトレーニングルームを後にした。
その後、他の全員に話を聞いてみて、事件に関係ありそうな場所を調べてみたが、有益な情報は得られなかった。


「…さて、食堂に戻って雨宮さんに話を聞かないと。…そして、事件の総まとめを…」


…今回の犯人は本当に誰なのだろうか。もし殺意のない殺人だったら…、私はどうすればいいのだろう。
本来であれば、私は影浦くんに殺されていたのだ。…しかし、私はここに立っている。生きている。
…どうしても、今回の事件は、解決しなくてはならない。…私の理性の向こう側が、そう叫んでいる。
そんな気がした。

Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.78 )
日時: 2013/10/25 19:50
名前: ランスロット (ID: lqhOUyMm)

〜ホテル内 食堂〜


「神谷。おかえり」
「やっほー神谷!情報は得れた?」
「くるみも参加するのだ!」
「ただいま。大体の情報は手に入ったわ。さて、まとめましょう」


食堂に戻ってくると、さっきの二人と冥雅くんがいた。予告通り、神崎くんが連れてきたらしい。


「…その前に。雨宮さん、ちょっと聞いてもいいかしら」
「なんなのだー?」


…雨宮さんに聞かなければならないこと。…昨日の昼頃、何をしていたのか…。


「雨宮さんは昨日のお昼頃、どこで何をしていたの?」
「昨日かー?昨日は、佐藤とカフェでお茶を飲んでいたぞ」
「…部屋には、いなかったってことね。…部屋に鍵はかけていったのかしら?」
「かけていったぞ!!念のために生徒手帳を2回かざしたから、大丈夫のVなのだ!!」


雨宮さんは自信たっぷりに、Vサインをしてみせる。
…ん?雨宮さん、今2回かざしたと言わなかったかしら。
確か、自室のロックは、1回かざすと鍵がかかり、2回かざすと鍵のロックが解除されるんじゃなかったかしら。
神崎くんもそう思っていたようで、雨宮さんに質問をする。


「…雨宮、2回かざしたって言ったよな」
「ああ。それが、どうかしたのか?」
「2回かざした…ってことは、ロックをかける意味がない、ってことだぞ」
「ど、どういうことなのだ?!」
「…裁判で話すよ。ここで話しても、解決しないと思うからさ」


…あれ、急に神崎くん、雨宮さんを見る目が変わったような…。真剣さを帯びた目。そういう感じだった。


「ねぇ、そろそろ事件をまとめてみない?」


そう冥雅くんが提案した、その時だった。



ピーンポーンパーンポーン…



『もー、だからオマエラゆっくり捜査しすぎなんだってば!!どこかの小説の主人公を見習って、早く捜査をしてよね!!ボク退屈しちゃったから、学級裁判を始めちゃいます!!
 前回と同じように、赤いエレベーターから裁判場まで来てくださいねっ!!
 それじゃ、待ってまーす』


プツリ。


「また事件をまとめる前かよ!あいつ、絶対俺たちの行動のタイミングを見計らってるよ!!」
「しょうがないだろ。モノクマがタイミング悪く放送をするなんて、いつものことだし」
「後は、裁判で明かすしかないのね」
「くるみも出来るだけ考えるのだ!!」
「ふふっ、期待してるわ」


…こんな状況だっていうのに、雨宮さんは元気で羨ましい。
未だに事件がまとまってなくて、正直言って、今回の裁判は乗り越えられる気がしない。
…しかし、彼女を見ていると…。どこか、乗り越えられるような気がした。


こうして、私達は2度目の裁判を行いに、イチノマチへと足を運んだ。