二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編 ( No.81 )
日時: 2013/10/26 19:19
名前: ランスロット (ID: k98DLrCp)

私達が赤い扉の前に着いた時には、既に私達を除く全員が揃っていた。


「…みんな、揃った?」
「そうみたいだね。また、この扉をくぐらなきゃならないなんて…」
「…それで、裁判後に出てくるのは13人か、1人か、なんだよな」
「うん。そうなるね」
「…行きましょう。立ち止まっている暇はないわ」


今回モニャンは何も言わずに、黙って私達を見守っている。
私達を…信じてくれているのだろうか。なんとなく、彼の私達を見る目は真剣さを感じた。


「…影浦、かわいそうだよね」
「どうしてだよ?本来であれば、ここには影浦が立っていて、俺たちの中の誰かがいないんだぜ?」
「だから、だよ…。影浦がもし殺人を犯してしまっていたら、って思うとそう思わずにはいられなくなってさ」
「冥雅、変わった奴だな」


他愛ない会話もなんとなく覇気がない。
しばらくして、エレベーターの扉が開き、私達はそれに乗る。
…エレベーターの中は、前に乗ったよりも間隔が広くなっていた。そりゃあ人数が減っているのだ、当然である。でも…その広くなった間隔が、どこか怖く感じた。


しばらくして、エレベーターが大きく揺れる。
着いたのだ。恐怖の、裁判場に。


「オマエラやっと来たね。ボクったら待ちくたびれてゲームやってたよ。『ダンガン〇ンパ 思い○を歌に乗せて』ってゲーム。今チャプター4の被害者が出たところで…」
「アウト!!完全にアウト!!それの作者さんに怒られるって!!」
「えぇ〜?せっかくこのゲームの良さを語ろうと思ったのに〜」


モノクマのあからさまなボケと、豊島くんの的確なツッコミはしばらく続き、私達はだんまりしてしまった。
…でも、モノクマ。私も思うわ。それは、完全にアウトよ。

その間に周りを見回して見たが、前回来た時とは雰囲気が若干違う。裁判場のレイアウトが変わっているのだろうか。
まるで紅葉を思わせるような壁に、天井には行灯がいくつも飾られている。壁のモノクマのマークが書かれているのは同じだが、なぜか侍のような服を着ている。
まるで、『和』の中にいるようだった。


18台の教壇のいくつかには遺影が増えている。前回の裁判でおしおきされた立花さんと、今回殺されてしまった、影浦くんのものが、本人の教壇に立っている。
…それを見て、私は『確実に彼らは殺されてしまった』ということを実感させられた。


「全くもぅ、豊島クンったら的確にツッコミすぎ!!もしかしなくても本当の肩書『超高校級のツッコミ』とかじゃないの?」
「テメーがおかしなこというからだろ!!」
「さて、余興はここまでにして。オマエラ、早く自分の教壇に立ってよー」


モノクマの言葉を皮切りに、私達は自分の教壇に立つ。
…皆、真剣な表情で、お互いを見ていた。
……この中に、影浦くんを殺した人がいる。
何故殺したのか、誰が殺したのか、見当がつかない。しかし、ここで暴かなければ、私達の命はない。
…影浦くんは何を思って死んでしまったのだろうか。



兄への復讐だろうか。



真実を知ってしまったみんなへの報復だろうか。



誰かを殺さなければ、という思いに駆られた恐怖心だろうか。



それとも……




彼の過去に何があったのか。私には見当もつかない。
だけれど、人を殺すのは絶対にダメ。
…影浦くんを殺した犯人を、必ず見つけ出す。



命がけの言及。



命がけの弁明。



命がけの騙し合い。



…今、命をかけた裁判が、再び。



始まる。