二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- プロローグ「任命」 1 ( No.3 )
- 日時: 2013/11/02 20:18
- 名前: 乾パン ◆67Pi4z1tvA (ID: zUiJkpkt)
- 参照: E-1クリア!イクちゃんかわいいよ
朝の布団というものは、この上なく心地よい。
カーテン越しに日光が顔にかかる。光と微熱によって意識をほんの少し夢の世界から引きずり出された私、山本 一三七(やまもと いさな)は、朝のこの至福のひとときを満喫していた。とはいっても、布団の中でぬくぬくしているだけであるが。
そんな私は、実を言うと「海上自衛隊員」である。とはいっても、まだ学生という身分のひよっこなんだけど。
だけど今、私は学生生活を中断され、「とある重要任務」を任されている。小娘一人。どのぐらい重要かというと——「日本国の存続に関わる」レベル。
そう、私はそんな前代未聞の任務を、たった一人でこなしている最中なのだ。
「……ま、今のが楽、だけどぉ」
ぼそぼそと独り言を呟き、一人笑う。
実は、その前代未聞の任務は、地獄のような学校生活より断然マシ、というか楽だ。
今はこうしてごろごろしているが、数日前まで毎日5時前には起き、ランニング、筋トレ、その他もろもろをこなしてからやっと朝食を食べれるという悲惨な生活であった。少しでもサボると女子でも厳しい罰則という名の朝食抜き。それに比べたらどんなに平和なことか。天晴。寝坊万歳。
というか、あの鬼面教師は酷すぎるんだよ、食べなきゃ頑張れる訳ないっつーの……
なんて考えている内に睡魔が襲ってきて、私の意識はぷつんと途切れた。
○
ばっ、とカーテンが勢いよく開く音と共に、強烈なまでの太陽光が私の瞼に刺激を与えた。
悶絶する私を誰かがゆさゆさと乱暴に揺する。まあ、この時点でなんとなく察しはついているんだけども。
ゆっくりと目を開ける。ぼやけた視界が段々晴れてきて、青みがかった美しい銀髪と、橙の瞳が目を引く端正な顔立ちの少女が鮮明に映った。
「司令官、いい加減起きなさいよ。あんた軍人でしょ? 寝坊なんてしてないで、さっさと起きなさい。もう朝食できてるわよ」
「……おはよ、叢雲」
叢雲、という名の少女は寝ぼけ眼の私を睨み付け、そして強引に布団を引っ剥いだ。