二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: MOMO−TARO ( No.364 )
日時: 2016/01/31 18:54
名前: 羽清アユカ ◆uYPWAZXaHA (ID: NGqJzUpF)

皆さんここではお久しぶりです。羽清アユカです。モチベーションが上がらなかった事と多忙でずっと放置していましたが、ようやく執筆に手をつけることが出来ました。ペースは遅くなりますが、これからも執筆活動に勤めますので宜しくお願いします。


リハビリで書いた短編を投稿します。帰国子女の語る(勘違いした)昔話です。














ロゼッタ「・・・そして桃太郎はおじいさんとおばあさんと幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
リュカ「ロゼッタさん。次はこれ読んで!」
トゥーン「うにゃーん!次はこれー!」





スマブラ屋敷の中庭にて、ロゼッタがリュカやトゥーンリンクら子供達に桃太郎の絵本の読み聞かせをしていた。母性豊かな展望台の主と子供達の戯れは、見ている者に安らぎの一時を与える。





氷室「・・・ん?ねぇ、時見」
時見「何ですか?」
氷室「ロゼッタさん、何を読み聞かせしてるんだ?」
時見「ん、あぁ、『桃太郎』だって」
火神「MOMO−TARO?」
氷室「MOMO−TAROか・・・どんな話だっけか?」
火神「ん?タツヤ知らないのか?」
氷室「小さい頃に読んでもらったことはあるが、どんな話なのか忘れてしまってね」
時見(あー・・・帰国子女だからね)

その光景をたまたま見つけた火神と氷室と時見。ところが氷室は小学生の頃から高校生までアメリカに居たために、日本の昔話に疎い。そのせいでロゼッタが読んでいた桃太郎の話がよく分からなかった。


氷室「タイガは知ってるのか?MOMO−TAROの話」
火神「えっ・・・;あ、あー・・・」
時見「(あれ?もしかして火神も知らない?まぁ火神も帰国子女だからなー)」


氷室は火神に桃太郎の話はどんな話だったのか疑問を投げ掛け、兄貴分の問いかけに火神は冷や汗をかいて目を泳がせる。火神もアメリカに滞在した期間が長いために同じく昔話に疎い。火神の様子に時見もそのことを察し、火神がどう答えるのかをただ静かに見守る。しかし・・・










火神「し・・・知ってるぞ!それくらい!!」
氷室「WAO!!!本当かっ!?」
時見「(ちょ)」

複雑な男子高校生、火神大我。思わず知ってると堂々と嘘をついてしまった。普段から彼は影の薄い相棒やカントクに馬鹿だ馬鹿だと言われ続けたが故に、馬鹿扱いされるのが悔しかった。兄貴分にも馬鹿だと思われたくない弟分はつい意地を張ってしまったのだ。


氷室「凄いなタイガ!!!」
火神「え?あ?そうか?」
氷室「どんなSTORYなんだっ!?教えてくれないか!!!(キラキラ」
火神「うえ、あ、あー・・・(やっべぇ・・・今更オレもよくわからないなんて言えねぇ・・・;)」
時見「(これは・・・最早手遅れだよ・・・どうする火神?)」

まるで見たいアニメの放送を待つ子供のように、期待に満ちた純粋な目をしながら火神に桃太郎の話をせがむ氷室。この様子じゃ今更「嘘でした」なんて言えない・・・火神はつまらない意地を張って知ったかぶりな発言をしたことを後悔しながらガシガシと頭を掻く。




火神「(あー・・・もう畜生っ!!!!!こうなったら!!)わ、分かったっ!!!教えるぜっ!!」
氷室「本当かい?」
時見「(腹を括ったーっ!?)」

火神は腹を括って桃太郎の話を氷室に話すことを決めた。





感想待って

Re: MOMO−TARO その2 ( No.365 )
日時: 2016/01/31 19:05
名前: 羽清アユカ ◆uYPWAZXaHA (ID: NGqJzUpF)

火神版桃太郎のはじまりはじまり






火神「えーとな、昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしてたんだ」
氷室「ふむふむ」
火神「でな!お爺さんは山に・・・えー、山に・・・」
時見「(あれ、いきなり詰んだ)」
火神「(やっべぇ・・・思い出せねぇ・・・確かお爺さんは山で何かを取りに行った筈だ・・・思い出せ・・・思い出せオレ!!)」

桃太郎の話をし始めた火神だが、いきなり話の内容が思い出せなくなったらしく、言葉を詰まらせる。早くもお話はお終いか、と思いきやハッとした表情で顔を上げる。続きを思い出したか。と思いきや










火神「お、お爺さんはな!竹を割りに行ったんだ!」
時見「(竹取物語と混ざったーっ!!?)」
氷室「へぇ。竹割りか」
時見「(信じたし)」

本来ならお爺さんはしば刈りに行ったのに思い出せなかった火神、微かな記憶を頼りに続きを探ったら記憶違いでまさかの竹取物語のお爺さんと混ざってまった。


火神「んで、お婆さんは川へ洗濯しに行ったんだ」
氷室「川へ?何で洗濯機じゃないの?」
火神「洗濯機買えないほど家が貧乏だったからじゃね?」
時見「(違う!!!時代だよ時代!まだ洗濯機無かったの!)」
火神「お婆さんが川でゴシゴシ洗濯物を洗っていたら、川から桃が流れたんだ」
氷室「あぁ、そう言えばそんな感じだったね」
火神「お婆さんは桃を拾うと、家で食おうかと思って持って帰ったんだ。帰ってきたお爺さんが桃を真っ二つに割ると・・・」
時見「(赤ん坊が出てきた。ね)」

途中時代錯誤なボケが入ったが、火神の語りは順調に進んできた。時見も少しホッとするが・・・















火神「(あ・・・やっべ、続きが出ねぇ・・・確か、桃を食べようとして・・・)」

誠凛のエース、肝心なシーンの直前にまた話の続きが出てこなくなってしまい、再び焦り始める。再び微かな記憶を頼りに続きを探り始める。

火神「(あーここで桃太郎が出てくるんだよなー・・・確か桃太郎の名前に関する事でー・・・んーあ、そっか!思い出した!)」





火神「・・・あのな、桃を二人で美味しく食ったんだ」
時見「(ん?)」


火神「でな、桃が沢山食えるように種を庭に植えたんだ」
時見「(あれ?え?)」


火神「んで、お婆さんが「早く目を出さないと鋏でちょん切るぞ」って脅したらよ、地面から桃の木が生えてきて」
時見「(あれれ?何か・・・)」





火神「木から赤ん坊が生えてきたんだせ!」
氷室「Oh!!!」
時見「(Σ怖いわっ!!!??しかも今度は猿蟹合戦と混ざったし!!)」

火神、また記憶違いから猿蟹合戦と混ざってしまい、桃の木から赤ん坊が生えると語る。というか木から赤ん坊とかそれ軽くホラーだからっ!!


火神「お爺さんとお婆さんは、その赤ん坊を桃の木にちなんで「桃太郎」と名前を付けて育てたんだぜ!」
氷室「成程・・・」
時見「(あぁ違う!少し違うよ・・・!ツッコミたい!ツッコミたいけど火神が真剣だから言い辛いよ・・・!)」

ぼんやり男子高校生は出来れば今すぐこの間違った昔話にツッコミを入れたいが、兄貴分の為に一生懸命物語を思い出そうとする火神を見ていると正直ツッコミし難かった。そんな事は知りもしない火神は桃太郎の内容を必死に思い出しながら話を続ける。





火神「桃太郎は大きくなって、つえー奴に成長したんだ、ある日な、鬼が悪さをしてるっつー噂が流れたんだ。桃太郎は鬼を懲らしめに行くことになったんだ」
氷室「殴り込みか。それは熱くなるな」
時見「(おいエレガントヤンキー)」
火神「んでよ、お婆さんが腹減ったら食えって吉備団子を作ってくれたんだぜ。桃太郎は吉備団子を持って鬼がいる鬼ヶ島に向かったんだ」
氷室「うんうん」
火神「そしたらそこに犬が現れ・・・て・・・;」
氷室「タイガ?」
時見「(火神?まさか・・・)」





火神「・・・・・・犬じゃなくて猿が出たんだぜ!!!;;;」
時見「(飛 ば し た ー ! ?)」
火神「(無理無理無理!!!犬と旅とかぜって—————無理!!!!!こえーよ!!)」


火神大我、犬嫌いのあまり犬のシーンを飛ばす。


火神「でな!猿がこう言ったんだ!「柿の種と吉備団子を交換しないか」って!!」
時見「(猿蟹合戦Again!?)」
火神「柿の種植えたら柿がいっぱい食えんだろ?桃太郎は柿の種と吉備団子を交換して鬼ヶ島に行ったんだ!」
時見「(猿は?)」
火神「そしたら今度はえーと・・・つ、鶴が現れてな!罠にかかった鶴を桃太郎が助けてやったんだ!!」
時見「(今度は鶴の恩返し!?!?)」
氷室「へぇ。桃太郎は優しいんだ」

またしても他の昔話とごちゃ混ぜになって怒濤の新展開を産み出す火神。時見のツッコミも無意識に飛び出す飛び出す。話を聞いてる氷室はすっかり信じ込んでしまい、もはや誰にも止められない・・・。





火神「で、桃太郎は海に浮かぶ鬼ヶ島が見える海岸に来たんだ!」
氷室「ようやく敵のアジトだね!でもどうやって海を渡ったんだい?船か?」

火神「それがな、桃太郎は」















火神「お茶碗を船がわりにして海を渡ったんだぜ!」
時見「(今度は一寸法師かーっ!!!?というか桃太郎、お茶碗に入れる程ちっちゃかったのっ!!!??)」

火神の中の桃太郎、まさかの身長3cm(一寸はメートルにすると3cm)。吉備団子を持ち歩く桃太郎(3cm)が山の如く大きい犬と猿と鶴と会ったと思うシュールな展開が義兄弟の中で起こっていたのだ。と言うか帰国子女共その違和感に気付け。時見もそろそろ声を出してツッコめ。





勘違いはどこまでも

Re: MOMO−TARO その3 ( No.366 )
日時: 2016/01/31 19:15
名前: 羽清アユカ ◆uYPWAZXaHA (ID: NGqJzUpF)

この冬、全米が泣いた










火神「そして鬼ヶ島に来た桃太郎の前に、鬼が現れたんだ!」
氷室「やっと敵が来たんだね!」
時見「(ようやくクライマックスか・・・)」
火神「つえー桃太郎は鬼と戦って・・・あれ?」
氷室「どうしたんだ?」
火神「あ、いや・・・あー・・・(オレ、何か肝心なことを忘れてねーか?桃太郎は鬼と戦って・・・んん!?」



サー・・・(火神の血の気が引いた音)



火神「(やっべぇ・・・!桃太郎に仲間が居たんだった!なのにオレ、そのシーンを忘れちまった・・・今更仲間が居ましたなんて伝えられねぇし。どうするオレ;)」

火神はようやく桃太郎が仲間を引き連れていたのを思い出すが、その仲間を引き連れるシーンを忘れてしまったために、現在氷室の中では桃太郎一人で鬼に戦いを挑む展開になっている。それ以前に修正する部分が多々ある筈だが火神はそれに気付かず今、仲間の事しか頭に無い。



火神「(うあー・・・どうすればいいんだよ)」
時見「(火神、どうしたんだろう?顔が真っ青だ・・・)」
氷室「どうしたタイガ?続きはまだかい?」
火神「(・・・あーっ!!!しゃーねぇっ!!!こうなったらっ!!!)」


再び腹を括った火神は話を再開するために口を開いた。














※ここから火神の語る桃太郎の再現VTRでお送りします










桃太郎(黒子)「くっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
赤鬼(赤司)「どうした桃太郎?もう終わりかい?」
桃太郎(黒子)「・・・いえっ!!まだですっ!!(ジャキッ」
赤鬼(赤司)「ふっ・・・その諦めの悪さは認めてやろう。しかし、絶対は僕だ。キミはここで終わりにさせてもらう」
桃太郎(黒子)「くっ!」





???「ちょっと待った!!!」





赤鬼(赤司)「!?」
桃太郎(黒子)「キミ達は・・・!」








犬(黄瀬)「桃太郎っち一人だけじゃないっスよ!(∪`・ω・´)わんわん」
猿(青峰)「赤鬼を倒せるのはオレだけだキー!」
鶴(緑間)「・・・借りを返しに来ただけなのだよ」


黒子(黒子)「皆さん・・・!」
赤鬼(赤司)「へぇ、もう少しは楽しめそうだね。だが何人来ようと結果は同じだ」
猿(青峰)「へ、どうだか」
犬(黄瀬)「行くっスよー!!!」


わー!わー!ギィン!ギィン!ドコン!わんわん!ウキー!!バリバリ!なのだよなのだよ!イグナイト!俺に勝てるのは俺だけキー!ザシュ!ぎゃー!ぎゃー!シャララ☆


赤鬼(赤司)「だから言っただろう?絶対は僕だと」
鶴(緑間)「く・・・!」
犬(黄瀬)「強いっス・・・(∪;ω;)」
猿(青峰)「マジかよ・・・コイツバケモンか?」
桃太郎(黒子)「せめて身体が大きくなれば・・・」
赤鬼(赤司)「終わりにしようか・・・」



パアァァ・・・(天から光)



赤鬼(赤司)「何だ・・・?」
犬(黄瀬)「あ!空から誰か来たっスよ!」



カラカラカラ・・・キキーッ!



かぐや姫(紫原)「やっほ〜かぐや姫だよ〜」
鶴(緑間)「なっ!?かぐや姫だと・・・っ!?」
犬(黄瀬)「あの月のお姫様のっスか!?」
かぐや姫(紫原)「この打ち出の小槌で大きくしてあげる〜そ〜れ、大きくな〜れ〜(小槌を振る」
犬(黄瀬)「あぁ!桃太郎っちが人並みに大きくなったっス!」
桃太郎(黒子)「ありがとうございます!赤鬼!もう一度リベンジです!」
赤鬼(赤司)「・・・ふ、いいだろう」


キン!キン!キン!


桃太郎(黒子)「トドメです!とう!」
赤鬼(赤司)「うわー!!」
犬(黄瀬)「やったっス!流石桃太郎っち!」
猿(青峰)「やるじゃねぇか」
鶴(緑間)「・・・フン」
かぐや姫(紫原)「おめでとー。オレ疲れたから帰るね〜」
桃太郎(黒子)「ありがとうございます!かぐや姫!」















火神「そんで桃太郎はお宝を持ち帰ってお爺さんお婆さんと幸せに暮らした!めでたいめでたいだせ!」
氷室「Excellent!!壮大なストーリーだね!子供達が夢中になるのも頷けるよ!」
時見「(違うううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!もうどこからツッコめば!!と言うかこんな事になるなら早めにツッコむべきだった!!僕のバカ!!)」

火神の咄嗟の創作ストーリーにより桃太郎のクライマックスは無駄に壮大なものになってしまった・・・。仲間が居ない問題はピンチの時に駆け付けると言う発想で切り抜けた(つもり)だがキジのポジションは鶴のままだわ何故かかぐや姫降臨したわで余計カオスな昔話となった。時見はこんなことなら最初からツッコミを入れるべきだったと頭を抱えて後悔する。




後日、氷室はミッション系の学校である陽泉高校での奉仕活動で幼稚園児達に桃太郎を朗読する事になったが、火神の話とは違う絵本の内容に困惑。しかし弟を信じて勘違いした方の桃太郎を披露したところ、スタメン全員の(°Д°)ポカーン顔、キレた荒木監督からのシバきと3倍メニューを頂いたという。
ちなみに彼の語った桃太郎はしばらく園児達(主に女児)の間で流行ったらしい。
そして東京の図書館で、桃太郎はどうやって仲間を増やしたのかを知るために桃太郎の絵本を読み、自らの予想以上の勘違いのあまり羞恥で机と仲良ししている火神の姿が目撃された。



END










あとがき

久しぶりの更新および短編でした。この話を思い付いたのは、おとぎ話をモチーフとした話を書きたいなと思った時、ふと帰国子女の二人は昔話にそんなに詳しくなさそうだなと思ったからです。火神はアメリカにいた時期が氷室より短いから少しは昔話に馴染みはありそう。しかし所詮バ火神だからあちこち勘違いしてるっぽい。そんな感じで。


感想OK