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Re: ポケモン the novel【番外編ネタ募集】 ( No.44 )
日時: 2013/11/24 17:18
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: N.hBywMC)
参照: http://subtlestyle.net/en-1/index.html

詩【こんな旅人がいたってさ】

(マガリ目線)


昔…………とある施設でのことであります。
自分はその頃、まだこんな口調ではありませんでした。
しかもその頃は、施設の子供にイジメられていた時であります。
同年代の子供に、殴る、蹴るなどの暴行を受けておりました。
それがあった日は、毎晩布団の中で声を押し殺して泣いていました。
当時ユニランだったランクルスも、同じような目にあっておりました。


ある日、またいつものように、暴行を受け布団の中で声を押し殺して泣いていた時のことであります。






(回想スタート)




「ひっ…………く、つらいよう…………いたいよう…………う、うぅっ………」
『ぷに………(訳;ご主人………)』




『その昔、流れとともに現れ、また流れとともに去る旅人がいた』


突如、そんな声が聞こえたのであります。


「え?だ、誰?」


「その旅人は、行く着く先々で、言葉を残していった」


やがて、声が鮮明になり、声の主を向くと、そこには15歳くらいの少女がいました。


「その言葉は、決して直ぐに結果は呼ばなかったが、必ずなんらかの形で言葉を受け取った物に有益なことをもたらした。」


その少女はまるで、不可思議なオーラを漂わせておりました。


「あるとき、旅人は、流れ着いた場所で、感情が高ぶっている女にあった」


なんというか…………そう、『不確かな存在』なのでありました。


「旅人は問うた。『なぜ感情が高ぶっているのか。相手が不愉快だったからか、自分の無力さが不愉快だったからか、それとも………なんだかわからず不愉快だったからか』と」


線が細く、とても消え入りそうな存在でした。



「女は答えた。『相手が不愉快だったからだ』と。」




「あなたは…………?」




「旅人はこう返した。『それは自分の無力さに腹が立っているのだ、相手のせいで感情が高ぶっているのではない。感情は、自分で勝手に引き出されるものだ』と。」



「え?」



「すると、女はその言葉を聞くなり、途端に腹が立っていたことを忘れてしまった。いや、正確には、腹が立っていたことがバカバカしく思えてきたからだ。」



自分はいつの間にか、その少女の話に聞き入っていたであります。



「女が旅人に礼を言おうとした時には、既に旅人はいなくなっていた。旅人は、また流れとともに去っていったのである。」



「へええ…………」



「……………君も、何れこの意味がわかると思う。その時になったらまた会えるかも。」


そう意味深な言葉を呟きました。



「いみ…………」



そう、暫く考えていました。
ふと顔をあげた時には、その少女はいなくなっていました。

まるで、流れとともに去る旅人のように。






(回想終了)




その少女が現れた次の日から、暴行はパッタリと消えました。
原因は不明ですが、ともかくその日から、自分とユニランは平和な日常を送れました。


少女のことは今でも忘れられない出来事になってます。
それにしても……………「意味がわかる時になったら、また会える」というのは一体…………?











(このお話に出てくる少女と旅人の話は、これからのストーリーに深く関わってきます)






【昔こんな旅人がいたってさ】終