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prologue　〜旅立ち〜


市立勝ち組ヶ丘学園。その学校は大都市の中央にあった。この学校は全国から「超高校級」と名の付くほどの才能を持つ優秀な生徒だけを集めた学校である。そんな学校の前に私は立っていた。
まずは自己紹介をしたいと思う。私の名前は士導瑠香しどうるか。喋り方は男子っぽいがちゃんとした女子だ。私の才能は超高校級のキャプテン。とは言っても人を完全に仕切れるわけでもない。その程度の才能でこの学校に来れたのが私の第一の疑問。
言い忘れてたけど、この学校に入れば人生が成功するとまで言われている。そんな学校に呼ばれたら行きたくないわけがない。
「そろそろ中に入ろうかな」
私は門を開けて、学校内に入ろうとした。その時。
「ぐぅぅぅぅぅ」
強烈な頭痛が私を襲った。気が付けば私は気を失い地面に大の字になって倒れていた。


「う、う〜ん」
目をこすりながら顔を上げた。私は寝ていたらしい。
私は当たりを見回した。私が寝ていた場所は教室のようだった。おかしい、私は学校内に入ろうとしてそれから急に強烈な頭痛に襲われて。
じゃあもしかしてここは勝ち組ヶ丘学園の教室？
しかし、教室にしては薄暗いし生徒が私以外に見当たらない。それに窓は鉄板のようなもので封鎖されている。
「外に出てみるか」
私は椅子から腰を上げ、ドアの方へ向かった。
ドアを開けるとそこは学校ではなく牢獄のような場所だった。辺りは薄暗く、気味が悪い。
そんな時だった。
「ピンポンパンポーン。勝ち組ヶ丘学園に入学された皆様。至急体育館にお集まりください」
と可愛らしい声がスピーカーから聞こえてきた。私にはいろんな疑問があったが、体育館に向かった。


体育館に入るとそこにはもう人が集まっていた。
「まだ生徒がいたのか！」
「さっきの放送はお前だけの為に鳴らしたってわけだ」
体育館に先に来ていた生徒は私を睨む。もちろん、私は悪いことをしたと思ってなどいない。ただ、状況が理解出来ていないだけだ。
「えーと、ごめん何のこと？君達もここの生徒なの？」
「そうだよ。君もなの？」
私は頷く。
「新しい生徒が来たわけだしもう一度自己紹介しようよ」
全員が賛成するまでには時間がかかったがようやく自己紹介してくれる気になったみたいだ。