二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.8 )
- 日時: 2013/12/04 19:43
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
chapter1 アンラッキーリフレイン
コロシアイ学園生活1日目
「ピンポンパンポーン。こちら放送部落ち武者。お前たち朝でございます。今日も1日気分全開で過ごしましょう」
その放送を聞いてベッドから起き上がった私は寝ていたことに気付いた。伸びをしているとドアの隙間に紙切れが挟まっていることがわかった。
“起きたらすぐに食堂まで来てくれ”
誰が書いたのかもわからない手紙に私は警戒もせず食堂に向かった。
「瑠香ちゃん!おはよ!」
食堂に入って真っ先に聞こえたのは周流の大きい声だった。朝から大きい声を出すことに怒りを感じたがあいにく朝なので力がでなかった。
それからしばらくして他の生徒もぞろぞろと食堂にやってきた。
「みんな集まった?」
「おい美月、どういうつもりだ」
「どうって、朝ごはんくらいみんなで食べた方が楽しいでしょ」
「実にくだらですわね。ワタクシは静かなとこで過ごしたいのですが」
美月は両手を振ってまあまあ、と言う。希佐凪は早く済まして戻ると言うと椅子に座って足を組んだ。
「それとね、みんな早くここから出たいでしょ?だからこの学校の中を探るっていうことを提案したいんだけど」
美月が言うと、他の生徒はほぼ賛成の声をあげた。
「それで、2人1組で移動することにしたいんでけど、念の為にね」
「じゃー細乃は千歳ちゃんといくー!」
またもや周流が大声を出す。梶野はそれに耐えられなかったらしく負けずに言い返した。
「おい単細胞。お前如きの野郎がちゃん付けなんてしてんじゃねーよ。千歳様だろ!」
「ふぇぇ、ごめんなさーい」
ここで意外と気があいそうなコンビが誕生した。その後次々とペアが決まっていった。私は超高校級の癒し系である松谷と行動することになった。
いざ隣になると、本当に体が癒されたように軽くなった。私の思い込みかもしれないが。
それにしてもこのペア決めはいいかもしれない。まだ全然知らない人とコミュニケーションをとるには良いイベントを考えたな、と美月に感心する。
「おいお前女王かなんだか知らねーが俺様の前をチョロチョロしてんじゃねーよ」
「あらあなたいたのですか?存在が悲しすぎて見失っていましたわ」
まぁ、あのペアは除いての話だが。
それはさておき、探るとは言ってもどうすれば。
松谷は喋る気配を全く見せないし、私も話しかけれない。会話が始まらないことをどうすればいいのか。と思っていた時。
「ねぇ士導さんは本当にコロシアイが起こらないと思う?」
思いもよらない質問を松谷にされた。私はそうと答えたが私も心のどこかで起こってしまうのではと考えていた。
「士導さん、僕らもどこか行こうか。例えば教室の窓をみにいくとか」
私は首を縦に振ると松谷について行った。
それにしても本当に癒されるな。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.9 )
- 日時: 2013/12/05 18:23
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
〜食堂〜
私と松谷は学校にある窓を全て調べたがどこも鉄板が打ちつけられていた。何も収穫がないまま食堂に戻ってきたというわけだ。他のペアもこれといった収穫は無さそうな雰囲気も出していた。そんな中で、
「俺たちは武器庫は見つけたぞ」
池面が急にそう言い出した。
「武器庫って本物なのか?」
「あぁ、間違いない。中には銃や太刀、いろんな武器が入っていた。そうだろバタフライ?」
池面がバタフライと言った時、池面以外は全員が理解できなかったが池面のペアを見るとその意味がようやくわかった。
「バタフライやめてくれない?僕は早帰上履。名前はあるんだけど…ん?」
「どうした?」
早帰は上目の元に近寄ると上目の目を見ながらこう言った。
「おい!お前!腰パンとはどういうことだ!上げパンこそ正義なのに腰パンとは納得いかん!」
誰も何も言わない沈黙が続いた。苦しい状況。早帰は1人どうでもいいことで怒りを買っていた。上目も何も言わない。ただ早帰の言うことを聞いているだけだった。そして、ついに我慢できなくなったのであろう。女王が動いた。
「おい、超高校級の上げパンかなんか知りませんけどね、あなたはまず人間になって頂戴。こんな無駄口しか開けない生物がワタクシの視界にいては目障りですわ。今すぐワタクシの前から消失してくれます?」
希佐凪が早帰に強烈な言葉のパンチを浴びせると早帰は目を丸くして上目から離れた。私が見るにかなりの精神的ダメージを負ったようだった。
早帰が静かになった後池面は話を再開した。
「それであそこは落ち武者が人殺せるような物をわざと入れたんだと思う。コロシアイが始まらないようにあそこには絶対近寄らないでくれ」
「ねぇ池面くん、その武器庫はどこにあったの?」
「アロマと喋るのは初めてかもな。場所はな俺たちの部屋の裏だ。俺とバタフライの部屋の間に細い通路があってその奥にあったんだ」
朝もその前は通ったけどそんな通路があったのか。まだ緊張感があまりないから家にいる気持ちだったのかもしれない。何にせよ、この学校にいる間は各場所を細かく見ていかないとダメみたいだな。
私は電子生徒手帳を取り出し学校の地図を開いた。
「電子生徒手帳にそんな機能があったのか」
「ミラノちゃんは見てなかったの?」
美月は神威に近寄り電子生徒手帳の使い方を教えた。
「せっかくだし。この電子生徒手帳に載ってる校則をみんなで確認しておこうよ」
美月は私たちがうん、とも言う前に喋り出した。
「1、この学校では探索を自由にしてもよい
2、この学校では恋愛をしてはいけない
3、校長には何があっても手を出さない
4、この学校を卒業するには殺人を犯さなければならない
5、殺人をする際クロは何があっても他人ばれてはいけない
6、殺人が起きた際には一定時間の後学級裁判が開かれます
7、夜10時以降は夜時間とし食堂は封鎖します
朝は7時以降を昼時間とします
8、校則は今後も追加されます」
「私はこれを見た時に思ったんだが、学級裁判ってなんだ?」
誰も知ってる様子はない。みんな首を振るばかりだった。
さて、今日はもう夜時間になりそうだ。部屋に寝るか。
「みんな明日も、朝起きたらすぐに食堂だからね」
美月はそう言うと真っ先に部屋に戻っていった。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.10 )
- 日時: 2013/12/06 20:44
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
コロシアイ学園生活2日目
「ピンポンパンポーン。こちら放送部落ち武者。お前たち朝でございます。今日も1日気分全開で過ごしましょう」
コロシアイ学園生活が始まって2回目の朝が訪れた。落ち武者の声で起こされるのも嫌になってきた。
そんなこと言っても叶わないのはわかってる。無駄なことを考えてるくらいなさっさと食堂に行くか。
私はベッドから起き上がり食堂を目指した。
食堂には美月と神威がいて、美月が勉強を教えていた。神威はどれだけ勉強したところで才能のせいでいい点はとれないはずだが。私は心のなかで笑っていた。
それからみんな食堂にやってきた。のだが、
「希佐凪と上目がいないな」
「僕呼んでくるよ」
と言い、松谷は希佐凪と上目を呼びにいった。
松谷、希佐凪、上目以外の私たちは朝食を済ませると今日することについて話合った。しかし、探索は昨日行ったのでやることがないと話が進み今日は自由となった。すっかり松谷のことを忘れていた私たちは松谷が帰ってきたときに彼の存在を再確認した。
「松谷悪いな。先に朝食を済ましてしまったよ」
「そんなことあると思ってソーセージ2本持っていったよ」
思ったよりできた松谷に私は拍手する。松谷は表情を崩さずありがとうと言うと食堂から出て行った。
いろいろ考えた末に思いついたことが学校内の施設を見て回ることだった。今日は自由だからと私は部屋を飛び出し各施設に向かった。
ー叫場ー
この漢字だけを見てこの施設を理解することはできないだろう。私は叫場と書かれたドアの前に立っていた。意を決して中に入ると聞こえてきたのは叫び声。
「ギエェェェェェェェェ。もっと自由が欲しいよぉぉ」
「俺の愛しのあなたはどこですかーーー」
中で超高校級のキチガイと超高校級の片想いが叫んでいた。中は3つの部屋になっており自由に叫ぶことができるようでストレス解消に最適の施設になっていた。ただ防音でないのが欠点。このように叫び声が聞こえてくる。気分が悪くなった私は次の施設に向かった。
ートレーニングルームー
文字通りトレーニングをする場所のようだ。トレーニングルームは男子用と女子用に別れており自分の持っている電子生徒手帳をかざすと中に入れる仕組みになっていた。私は(一応)女子なので試しに女子用トレーニングルームに入ってみた。中は予想通りトレーニング器具で溢れていた。今は用事がない、また今度来よう。私は次の施設に向かった。
ーウォッシングルームー
ランドリーのことだ。衣服を洗うためにある部屋だ特に気になるものはないみたいだけど。私はランドリーに関心を示さないまま次の施設に向かった。
ー浴場ー
ウォッシングルームの隣にある。校則に恋愛は禁止と書かれているのにお風呂は混浴だ。変なやつがいなければいいけどってこの学校にいるのは変なやつばかりか。あまり期待はしないでおこう。
他にもスタディールーム、和室、サウナ、武器庫、ショップなどがある。私が学校内にある施設を巡って部屋に戻る途中、
「あら瑠香さん?」
「微山…。こんなところで何してる?」
微山は手にかけていた買い物袋を差し出す。
「ちょっとショップに用がありまして。牛乳買ってきたところです。妾は背が小さいから少しでも大きくなりたくって」
「そっか、牛乳飲んだら背が伸びるって言うからな」
「それじゃ妾は部屋で牛乳飲んできます」
才能のおかげで自分が良くなるやつはいいけど微山や終生みたいな才能は災難だな。
夜時間までは結構時間があるな。それまで何しておこうか。娯楽施設とかあったらいいんだけど。
「おい士導、暇なら相手してくれ」
「今度は真冬か。相手とは何のことだ」
「ショップで売ってた勝ち組ヶ丘学園人生ゲームだ」
暇だった私は真冬の相手をすることにした。結果は惨敗。よく考えてみれば真冬は超高校級の幸運だった。真冬にコンテンパンにされた私は夜時間になったことを口実に部屋へ戻った。しかし、まだ夜時間にはなっていなかった。私は焦りすぎていたのだ。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.11 )
- 日時: 2013/12/08 09:50
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
コロシアイ学園生活3日目
「ピンポンパンポーン。こちら放送部落ち武者。お前たち朝でございます。今日も1日気分全開で過ごしましょう」
朝みたいだ。窓には鉄板が張り付けはれているから自分で確認することはできないが。こんな環境で過ごしてたら時間感覚が狂いそうだ。私は1人ぶつぶつと呟きながら食堂に向かった。
今日も美月が神威に勉強を教えていた。美月が飽きないのもすごいが、才能のせいでどれだけ頑張っても賢くなれないことにいい加減気づいたらいいのに。私は彼女たちから少し離れたところで腰をかけた。
それから5分もしないうちに希佐凪と上目以外の全員が揃った。
「やっぱりあいつらは来ないか」
「僕が一応呼んだんだけどね。部屋から出てこないんだよ」
私たちは2人を放って置いて朝食をとった。
その雰囲気を見てるとなんだか仲が良くなってきたように思えた。このままコロシアイなんて起こらなかったらいいんだけど。いや、そんなこと考えちゃダメだ。起こしてはならないんだ。
私はそう固く決心したあとみんなより一足先に部屋に戻った。
そして、その日の夜ついにやつは動き出した。
「ピンポンパンポーン。まもなく夜時間ですが、大至急体育館にお集まりください」
落ち武者が突然私たちを体育館に呼び寄せた。
これは罠だと自分で気が付いていながらも私は既に歩き出していた。
体育館には他の生徒が集まっていた。
「士導さん、また遅刻だね」
「普通に歩いてきただけなんだが」
私が周流と話していると、舞台の机の裏から落ち武者が現れた。
「さて、みなさん。勝ち組ヶ丘学園での生活は楽しんでいただけてるでしょうか?この学園での生活をもっと楽しくするために今日はあるものを用意しました」
「話なんていいから、さっさとそのあるものとやらを渡しやがれ!」
「おやおや。梶野さんは僕に強いですね。まぁそういう姿勢も嫌いじゃないですが」
落ち武者は机の中から封筒のようなものを取り出すと私たち1人ずつにその封筒を渡していった。封筒には私の名前が書いてあり、最初からどれを渡すかは決まっていたようだった。
「それはお前たちの今までの履歴。つまり履歴書でございます。もしコロシアイが起きなければ明日のこの時間に全国へ一斉送信します。つまり、梶野さんだったらもの凄い悪いヤンキーだったことが全国に知れ渡るというわけです」
「そんなこと、勝手にしやがれ!そんなことでコロシアイなんて起きるわけないだろ!」
「それは分かりませんよ。我からはこれだけです。それではお前たち良い夢を見るんですよ」
そう言い残して、落ち武者は体育館から姿を消した。
私は封筒の中身を取り出してみる。中に入っていたのは落ち武者の言う通り私の履歴書だった。それもかなり小さい字で履歴書とは思えないほどの文字の量だった。
こんな過去の情報をあいつはどうやって手に入れたんだ?例えば“士導瑠香小6、右手首を骨折する”というどうでもいいことまで載っていた。これが落ち武者が言ってた動機なのだろうか?しかし、この程度のものならば別に公開されても大丈夫だと思うが。
「よし今日は寝ようぜ。大した動機じゃなかったからコロシアイなんて起きない。そうわかっただけでぐっすり寝れる」
「そうだな。じゃあ今日は解散ってことで」
池面を先頭に次々と生徒が体育館に出て行った。
私も眠気を感じ、体育館出た。そして、部屋に入るとすぐにベッドに入り目を閉じた。
コロシアイ学園生活4日目
その日のアナウンスは何かが違うかった。
「ピンポンパンポーン。こちら放送部落ち武者。お前たち朝でございます。ふふふ、今日はおもしろいことがありそうですよ」
私はいつもより少し遅れて食堂に顔を出すと、ここ最近は美月と神威がミニ勉強会を開いてたのだが今日は開かれなく神威の姿は見えなかった。
落ち武者のアナウンスに神威。私は嫌な予感がした。それに食堂をちゃんと見回したら真冬の姿もなかった。
「みんなに聞くけど神威と真冬は?」
「さっき私がミラノちゃんの部屋に呼びに行ったんだけど返事をしてくれなかったんだよ」
「俺はラッキーの部屋に行った。けど、同じく返事をしてくれなかった」
彼らの部屋には美月と池面が訪問してたようだ。真冬はともかく、神威が美月に反応しないなんてことは少し不自然だ。
「それってさ返事をしなかったんではなくて、部屋にいなかったんじゃ」
「手分けして探そう。神威と真冬がいたら呼んでくれ。もしかしたら想像したくないことが起こってるかもしれないし」
私たちはすぐに食堂を出た。食堂を出た直後私たちは拡散し2人を探しに行った。そして間もなく、
「キャアァァァァ!」
周流が叫び声を上げた。私たちは各場所から周流の声がする方へ走っていった。その先に着いた場所はスタディールーム。入り口で周流が気を失っており、その奥には、
「真冬…なのか?」
血だらけになり変わり果てた姿の真冬の姿があった。
「ピンポンパンポーン。死体が発見されました。一定の捜査時間の後学級裁判を開きます」
私が後ろを振り返ると他の生徒が集まっていた。
「孝介くんが殺されたの?なんで?」
誰もがコロシアイなんて起こらないと思っていただけにショックが倍になって私たちを襲った。
「いやいや。本当に起こっちゃいましたね。言い忘れてたけどさっきのは死体発見アナウンスと言いまして殺された人が死んでから3人以上の人が一度でも目にするとアナウンスが鳴ります」
「おい!落ち武者!その学級裁判ってのは何だ!」
「それを教える前にお前たちは先に探さなくちゃならない人がいるんじゃないの?その人を見つけてからだね」
「それって神威のことを言ってるのか?」
「さぁね?」
落ち武者はスタディールームから姿を消した。それとほぼ同時ぐらいに私は泣きながら叫んでいた。
「すぐに神威を見つけだすぞ!」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.12 )
- 日時: 2013/12/08 13:50
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
「見張りは俺とエムの2人でやっておく」
池面と大寺はスタディールームに残り、彼ら以外の生徒は神威を探すためそこを抜け出した。私は知らぬ間にキャプテンの才能を発揮しみんなを仕切っていた。
食堂、叫場、ウォッシングルーム、浴場。どこを探しても神威は見つからない。後探してもいない場所と言えば。
「トレーニングルームか!」
私は持っている電子生徒手帳をかざし、女子用トレーニングルームに入った。しかし、神威の姿は見えない。私は女子用トレーニングルームを抜け出し、男子用トレーニングルームの前にたった。そして、無理て分かっていながらも男子用トレーニングルームに入ろうとした。結果、ドアは開いた。
「現在は捜査のためドアのロックは解除しております。存分にお探しください」
突然落ち武者がアナウンスを流した。ドアが開いた理由はそういうことか。私は中に入ってみた。するとそこにいたのは紛れもなく神威だった。しかし、私が見た神威は壁際で血だれけになっていて、そしてそのお腹には凶器とも思われる刃物が刺さっていた。
「嘘だろ…。なんだ…これ?」
気が付けば背後に小西と上目、それに微山の姿があった。
「ピンポンパンポーン。死体が発見されました。一定の捜査時間の後学級裁判を開きます」
2度目の死体発見アナウンスが流れた。死体発見アナウンスが流れた後、真冬以外の生徒は男子用トレーニングルームに集まった。
「ミラノちゃん!!!」
美月が大声を出しながら神威の死体に近づく。
「真冬に神威。いきなり2人も殺されるなんて」
「その悲しいムードはそこまでにしてください」
「黙れ落ち武者!」
「黙れだなんて酷いですね。今回は学級裁判について教えに来てあげているのに」
学級裁判。前から気になっている単語だ。
「勝手に話を進めますね。学級裁判とは校則の5番目がちゃんと達成できているかを確かめるためにあります。犯人をクロ、それ以外をシロとして議論をします。シロが見事に矛盾を暴き出しその事件の犯人を突き止めることができればシロの勝ち。もし誤ってクロ以外の人をクロとした場合はクロの勝ちです。負けた方にはおしおきが待ってるから慎重に議論を進めることをお勧めします」
「落ち武者、そのおしおきって何のことだ?」
落ち武者はニッコリ笑う。
「処刑だよ。しょ、け、い」
つまり、もしクロが勝った場合は私たち全員が処刑され、クロ1人だけが卒業できる。
「もし、シロが勝てばクロ以外の全員が卒業できるのか?」
「いいえ。もしクロが勝てばクロ1人だけが卒業できますが、シロが勝てばコロシアイ学園生活は引き続き行われます。ていうか士導さんは梶野さんと違っていい質問ばかりしてくれますね」
落ち武者は一定の捜査時間の後で学級裁判が行われると言っていた。まずは学級裁判までに手がかりを掴まないと。でも素人ばかりの私たちでどうやって捜査なんかするんだ。
「お前たち困ってますね。そりゃあ素人のお前たちにいきなり捜査しろと言っても無理だろうと思いまして、こんなものを用意しました。ザ・落ち武者ファイル!ここには死亡時刻とか死因とかそういうことを書き込んでるよ。これも使って捜査頑張ってください」
そう言うと落ち武者は私たちにそのザ・落ち武者ファイルを配ると姿を消した。
私は落ち武者ファイルを開いた。
落ち武者ファイル1
死者 超高校級の幸運 真冬孝介
超高校級の赤点 神威ミラノ
死因 真冬孝介
腹部にいくつかの刺し後がある。
それ以外は特に何もない。
大量の血も腹部から流れ出たものと思われる。
神威ミラノ
こちらも腹部に刺し後がある。
ただし一カ所だけ。
首には締め付けた後もある。
死亡時刻 どちらも午後12時くらい
死亡場所 真冬孝介 スタディールーム
神威ミラノ 男子用トレーニングルーム
まず気になるのが神威の死亡場所。男子用トレーニングルームには男子しか入れないはずだから、神威を殺した犯人は男子であることが明確だ。聞いたところで答えてくれるはずないから男子用トレーニングルームで犯人が残しているかもしれない。手がかりを探すか。
私は神威の死体に近づきまず凶器を見た。あまり見たことのない刃物。
「あ、この刃物武器庫で見たよ!」
「早帰は武器庫に行ったことがあるのか?」
「みんなでこの学校を探索した日に池面くんと行ったんだよ」
そう言えばそうだった。とりあえずこの刃物は武器庫から持ってきたことはわかった。次は殺された場所だな。こんな壁際で殺されているからかなり追いつめられたのだろう。相手が男子だった可能性が高いから負けるのも無理はないが。
私は神威の死体から離れ、男子用トレーニングルームを出た。犯人は男子の可能性が高い。1人ずつ昨日何してたか聞いていくか。私は男子のアリバイを確かめるために男子に会いに向かった。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.13 )
- 日時: 2013/12/09 17:53
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
手がかりになりそうな情報はいくつか得られたが、ちゃんとアリバイがあった人物はいなかった。犯行が夜だったからかもしれない。犯人はそれが狙いで夜に殺人を犯した可能性がある。
私は男子用トレーニングルームには戻らず、真冬の死体があるスタディールームに向かった。
ースタディールームー
「池面、真冬に死について何かわかったことはあるか?」
「いや、何も。ただ真冬の死体の位置と全然違うところに血だまりがあって、それが気になるんだよな」
真冬の死体の位置と違う場所にある血だまり。確かに真冬から2メートルほど離れた位置に血だまりがある。真冬が逃げ回った後な気もするが。
「あとさ。机の中からこんなものがあった」
そう言って池面が出したものはロープやカッターなどの道具だった。ロープには何かに擦れた跡もあった。そんなものより気になるのは奥にあるものだ。
「池面、あの台車はなんだ?」
私はスタディールームの奥にあった台車を指差す。
「俺たちが見張ってた前からあった。特に意味はないと思うから触れなかったけど」
特に意味はなかったわけがない。その台車の上には血が付いていた。血痕があるということは犯行に使われたのだろう。用途はまだ理解できない。
学級裁判までの時間は後どのくらいあるのだろうか。神威と真冬の部屋も確認しておきたい。手がかりがあるかもしれない。私はスタディールームを出ると早足で神威の部屋を目指した。
ー神威の部屋ー
「士導もここが怪しいと思ったか」
「手がかりがあるかもしれないと思って」
私が部屋に入った時既に小西が中にいたらしい。
「残念だけど、手がかりになるものはこれぐらいだぜ」
「これは…手帳?」
私は小西から手帳を受け取るとそれを開いてみた。
書いていたのは神威の日記だった。コロシアイ学園生活が始まった初日から綴っていたらしい。私はペラペラとページをめくっていく。あるページで私は手を止めた。
「これは!?なるほどいい手がかりになったわ」
「士導、何があった!」
「今話してもいいけど時間がないから学級裁判のときに話す」
小西は不満ながらも頷いた。時間がないんだ。急がないと。
私は神威の部屋を出た。真冬の部屋に行く前にもう一度神威の死体を確認しておこう。まだ解決していない謎もあったし。私は走って再び男子用トレーニングルームに顔を出した。犯人が何か落としたりしてないかしら?男子用トレーニングを見ても何もない。そうこうしてる間にその時は訪れた。
「お前たち。捜査は進んでいますか。まもなく学級裁判の時間です。至急和室の隣にある赤い扉の前にお集まりください」
時間が来たようだ。もう逃げることはできない。犯人を突き止めなければ。
私は落ち武者の言う通りに和室の隣の赤い扉の前に移動した。扉を開けて中に入る。
「最後の1人が、来たようですのでお前たち前にあるエレベーターに乗ってください」
エレベーターの扉が開かれると1人ずつその中に吸い込まれるように入っていく。そして、ついに私もそこへ足を踏み入れた。
「随分と長いエレベーターだな」
「そうだね。どこまで行くんだろう」
そう誰もが呟いていた時エレベーターは突然停止した。
「お前たち待ってましたよ。学級裁判の幕開けででふよ!お前たちは自分の名前が書いてある場所へ移動してください」
全員が配置につく。そして始まる。
超高校級の赤点と超高校級の幸運を殺した犯人を見つけ出すため。
命がけの学級裁判は幕を開ける!!!
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.14 )
- 日時: 2013/12/10 13:57
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
学 級 裁 判 開廷!!
落ち武者「では、最初に学級裁判の簡単な説明をしておきます。学級裁判では、クロは誰か?を議論し、その結果はお前たちの投票により決定されます。ただしいクロ見つけたらクロがおしおき、もし誤ったらクロ以外がおしおきされ、クロだけが卒業できます。では議論を始めてください」
希佐凪
「幸運のくせに最初に殺されるなんて悲しいですわね」
梶野
「おい!ふざけたこと言ってんじゃねーぞ!」
池面
「2人とも落ち着いて。まずはなぜ2つも死体があるのか考えてみようよ」
上目
「犯人が2人いたんじゃねーか?」
大寺
「1人の連続殺人の可能性もあるぞ」
士導
「この問題はまだ解決しそうにないから、1つずつ事件を見ていこう。神威の事件からでいいかな?」
微山
「殺された場所は男子用トレーニングルームだっよね。これだけで性別は分かる…よね」
士導
「男子用トレーニングルームには男子しか入れないはずだから犯人候補は男子になりそうなんだけど。その時間の何をしてたか聞いたら誰にもアリバイはなかったの」
美月
「犯人はそれが狙いで夜に犯行を起こしたってことか」
小西
「でも、犯人はどうやって神威を中に入れたんだ?犯人が無理やり入れたのか?」
周流
「男子用トレーニングルームの前で殺したのかもしれないよ」
士導
「いや、それはない。もしそうだったら拭かないとダメになってしまうけど、血を拭いたような痕跡があるものはどこにもなかったんだ」
上目
「そういや、部屋のゴミは勝手になくなるけど誰かが掃除してんのか?」
落ち武者
「それは我です。定期的に部屋のゴミを撤去しています」
池面
「それじゃ犯人が無理やり入れた可能性が高いな」
早帰
「どうやって部屋に入ったかはいいとして、なぜ神威はあんな夜中に外に出ていたんだ?」
愛想
「さっき士導には話したけど俺は昨日の夜11時半頃から叫場で叫んでたんだ」
早帰
「夜中に何してんだよ…」
愛想
「それで俺が叫場に入る直前に神威を見かけたんだ。でも、その時は神威はスタディールームの方へ行ってたんだ」
大寺
「スタディールームって男子用トレーニングルームと逆の方向だったはずだ」
愛想
「まだ話の続きがあるんだよ!言うぞ、それから俺は少しばかり叫んだ後叫場を出たわけだけど今度は真冬に会ったんだ。その真冬もスタディールームの方へ歩いて行ってたんだよ!」
周流
「まさか孝介くんがミラノちゃんを殺したんですか?」
梶野
「そんな訳ねーだろ。スタディールームで神威を殺したならなんで神威の死体は男子用トレーニングルームにあったんだよ」
士導
「それは可能だったはずだ。スタディールームには血のついた台車があったんだ。あれなら殺したあとも運搬できるはずだ」
希佐凪
「待ってくださる。殺してから運んだのであれば途中で血が落ちてしまうのでは?」
池面
「それ以前に犯人がラッキーならラッキーは死んでいないはずだ。スタディールームには凶器となりそうなものはなかったから自殺もできそうにない」
小西
「カッターならあったぞ」
池面
「カッターとラッキーの刺された後の傷を見れば大きさが全然違うかった」
松谷
「となると1人が2人を殺した可能性が高いってわけだね。でもさー変じゃない?愛想くんの証言によると先にスタディールームに訪れたのは神威さんだよね。だったら犯人は先に神威さんを殺したことになるけどスタディールームの真冬くんには凶器が刺さってなかったよね」
微山
「つまり、松谷くんは先に真冬くんが殺されたと言いたいんだね」
松谷
「そういうことだよ。それにね僕は真冬くんに聞いたんだけど、彼は毎日夜になったら部屋を出て散歩してるらしいんだ。勝ち組ヶ丘学園に来る前から夜の散歩は日課だからって」
士導
「それが事件と関係していると言うのか?」
松谷
「真冬くんはたまたま殺されたと思うんだよね」
梶野
「たまたま?犯人はもともと真冬を殺すつもりじゃなかったってことか?」
松谷
「だって可笑しいでしょ。スタディールームにロープやカッターがあっただなんて」
美月
「それらは犯人が偽装工作のために使おうとしてたものだったと?」
池面
「それはないだろう。ロープはゴッド殺害のために使われたはずだ。落ち武者ファイルにも書いてあったしな」
松谷
「神威さんをロープで首を締めて男子用トレーニングルームまで運搬しそこで凶器の刃物で刺す。それなら途中血を落とさずとも運べるでしょ」
周流
「孝介くんがスタディールームに来る前にはミラノちゃんは殺されて運ばれてたってことですか」
希佐凪
「それはないでしょうね。松谷が言うたまたま殺されたのであればスタディールームを訪れた時誰もいなければ真冬は殺されてないはずですわ」
大寺
「じゃあなんで真冬は殺されたんだ?」
松谷
「僕が推理すると、犯人は当初の予定ではスタディールームで神威さんだけを殺したかったんじゃない?そこで真冬くんは何かを見てしまって真冬くんも殺すハメになった。問題はどうやって神威さんをスタディールームまで呼んだかだよ」
周流
「誰か昨日ミラノちゃんと会った人いますかー?」
美月
「見てないな」
梶野
「お前はアホか単細胞、犯人が答えるわけないだろ。私も会ってない。これだけは言っておく」
微山
「妾もですよぉ」
早帰
「女子は犯行が不可能なんじゃなかったはずじゃ」
松谷
「なんでそう思うの?」
早帰
「男子用トレーニングルームへは男子の電子生徒手帳でないと入れないはずだろ」
上目
「俺様も最初はそう思ってたけどよ。女子でも男子用トレーニングルームに入れるんだよ」
池面
「そうなんだよね。ラッキーの電子生徒手帳を使えば女子でも男子用トレーニングルームに入れるんだよ」
松谷
「あれ?士導さんはもう事件を解決したような顔をしてるね」
士導
「多分な。今までの話を聞いて最後の手がかりをヒントにやっとたどり着いたかもしれない」
小西
「犯人は誰なんだよ!」
士導
「真冬の殺し、神威をも殺した犯人。それはあなたしかいないわ」
「美月貴美!!これが私の答えよ!」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.15 )
- 日時: 2013/12/11 17:38
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
美月
「え?犯人は私だって言うの?」
周流
「瑠香ちゃんちょっと待って!犯人が男子に罪を押しかけようとしたから女子が疑われるのはわかるよ。でもミラノちゃんとあんなに仲の良かった貴美ちゃんが殺すわけないよ!」
梶野
「私も単細胞の肩を持つわけじゃないけど、それはないと思う」
愛想
「だったら誰が犯人だって言うんだ!」
周流
「それは…わからないよ」
美月
「それに私はさっき言った。昨日の夜はミラノちゃんには会ってないんだよ!」
士導
「それは違うわっ!!」
美月
「何で信じてくれないの?何で私ばかり責めてくるの!」
士導
「私だって信じたくない。でも証拠があるんだよ」
美月
「だったらその証拠を見せて頂戴」
士導
「これだよ」
小西
「それはさっき神威の部屋にあった手帳じゃねーか」
士導
「中身は日記だった。コロシアイ学園生活が始まってから毎日つけてたみたい。その昨日の日付の部分に“今日は夜遅くに貴美から相談があるから会いたいって言われた。あの動機の件でコロシアイが起きるかのことかな?かなり深刻な顔してたし辛そうだったから相談にのってあげることにした。役にたてたら嬉しいな。忘れちゃいけないからここにも書いておこう場所はスタディールーム。時間は夜の11時半。”って書いてあるんだよ!」
美月
「ぐっ、ぐぐぐぬぬぬぬ」
士導
「犯人はあなたしかいないんだよ!」
美月
「私は犯人なんかじゃない!」
池面
「まだ認めないようだな。もう一度事件を最初から振り返ってそこで決着をつけよう」
士導
「(美月に認めさせるためにも事件の全貌を明らかにするんだ!)」
クライマックス推理
act1
まず犯人は神威を11時半にスタディールームに呼んだ。その時叫場に行こうとしてた愛想くんとは行く途中で会ったんだと思う。
act2
何も知らずスタディールームに入った神威に犯人はまずロープで首を締め、神威の意識をなくした。本来ならそこで神威が自殺したようにでも見せるつもりだっのだろうけど予想外のことが起きた。たまたま通りかかった真冬に殺そうとしてる現場を見られたんだ。
act3
やむを得なく犯人は他の人に知られないようあらかじめ武器庫で調達していた刃物で真冬を殺したんだ。そこで犯人は真冬の電子生徒手帳を使えば男子用トレーニングルームに入れることに気づいた。
act4
真冬から電子生徒手帳を奪った犯人はスタディールームにあった台車に神威を乗せ急いで男子用トレーニングルームへ向かった。そして中に入り、神威を降ろすと真冬を刺した刃物で今度は神威を刺した。その時の返り血は台車にかかったから台車には血が付いていた。
act5
犯人はすぐさま台車をスタディールームまで戻した。スタディールームで真冬に電子生徒手帳を真冬に戻した。すべては順調に進んだけど犯人はそこでミスを犯した。ロープをスタディールームに置き忘れたんだ。
士導
「これが今回の事件の全貌よ。そしてこの事件の犯人は美月貴美あなたよ!」
美月
「そうよ…。犯人は私」
希佐凪
「卒業するためなら友情までも犠牲にするなんて残酷なことをするんでしょうか」
美月
「私はね、あなた達みたいなクズと同じにされたくないの!」
士導
「美月、動機となったのはあの封筒なの?」
美月
「もとから出たいっていう気持ちでいっぱいだった。それに上乗せされるようにあの封筒は渡されたの!」
周流
「じゃあ本当に貴美ちゃんが殺したの?あの2人を」
美月
「あなたごときのゴミクズ頭が私に話しかけてくるな
!」
小西
「コイツついに潰れだしたぞ。超高校級の世話係の最後の前触れなのか」
美月
「あ?何だって?私のことを今超高校級の世話係って呼んだの?」
微山
「合ってるじゃありませんの」
美月
「ちげーよチビ。私の本当の才能は超高校級の天才よ!」
士導
「超高校級の天才?それはどういうことだ?」
美月
「私の家はとても貧しかったわ。私の両親は私だけでも輝かせてあげたいと思って家の全財産を使って外国まで飛び天才の脳のDNAを私に移植したの。それから私は日本でその天才を発揮したわ。私が私でないことは黙ってたけどね。だからこそバレたらもう後がないの。なかったの!」
池面
「そのことがあの履歴書に書いてたってことか」
美月
「だけどもう殺した意味はなくなったけどね。さてさっさと投票して。死ぬ覚悟はもうできたから」
落ち武者
「それでは投票タイムに入ります。お前たちはクロと思う人物に投票してください。果たしてその結果は正解なのか不正解なのか。さぁ、どうなんですか!」
学 級 裁 判 閉廷!!
「大正解です!真冬くんと神威さんを殺した犯人は美月さんでした」
私は目を小さくしながら美月を見る。
「美月さん、自分がするって決めたことを実行するのは悪いことじゃないよ。ただやることが残酷過ぎるよ」
松谷が美月に優しい声かけているが美月はそれを打ち消す。
「もうこんなところにいたくなんかない。落ち武者、そのおしおきってやつを早くしてくれる?」
「わかりました!」
「待てまだ話したいことが」
「では張り切っていきましょう」
「あるんだ!待て!」
「おしおきターイム!」
「行くな。美月ぃぃぃぃ」
私の声を裏切るように美月は鎖に引っ張られ奥の部屋へと連れ去れた。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.16 )
- 日時: 2013/12/12 14:08
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
美月さんがクロに決まりました。
おしおきを開始します。
超高校級の世話係のおしおき
「エコの教科書」
私は今どこにいるのだろうか。お風呂にでも浸かっているのだろうか。お風呂にしてはやけに冷たいし、痛い。痛い?何がいたいのだろうか。
じゅうぅぅぅぅぅ。
「ひゃあ!」
私は気づけば酸性の強い水の中に放り込まれていた。身体がどんどんと溶けてなくなっていく。
1分後には爪がなくなり
2分後には膝までなくなり
3分後には両腕がなくなり
4分後には下半身がなくなり
5分後には身体がなくなり
もう何分溶かされ続けただろうか。
私の身体は完全に水に溶けそして、機械の中に入れられてずっと混ぜられてはいる。
ただおかしいのはずっと意識がある。もう身体もな人間ですらなくなっているのに。もう死んでいるのに。
混ぜられた後で次は高温で乾燥させられ。私は紙になった。その紙をどんどんと繋いでいく。
表紙が付けられ裏表紙も付けられ、最後には落ち武者の手に渡った。
「これこそが人間を溶かしてできた世界一エコな教科書でございます。木なんかより余りに余っている人間を紙にしたほうが楽しいのに」
「これは今後お前たちの教科書になる予定です」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.17 )
- 日時: 2013/12/14 23:00
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
モニターで美月が死んでいく様を見せられた私たちは落ち武者が裁判会場からいなくなってもその場に立ち尽くしていた。
誰も一言も発しない。ただ目の前の光景に絶望していたんだ。
勝ち組ヶ丘学園に入学したことを改めて実感した。
「そろそろ部屋に戻らないか」
池面がそう言い出したのは美月が処刑されてから随分と後のことだった。再びエレベーターで自分たちの部屋に戻る。
部屋に戻った私は真っ先にベッドに潜った。裁判会場では怖くて何も言えなかったが、私はここでずっと生きていく自信がない。不安なんて言葉じゃ表すことなんてできない。ただ、怖いんだ。誰がこんなことを仕組んだのかもわからないけど、ずっと怯え続けるだけならばいっそのこと死んだ方がいいのか?ずっと楽な選択肢ではあるんだが。なぜ私は死ぬことに抵抗する。身体は美月が死んで嬉しがっているようにも感じる。私の感情まで死んでしまったのか。私は普通に過ごしたいだけなのに…。
そんなことを考えている内に私は眠りに落ちていた。
私が見ているこの光景はなんだ。草原のような場所のようだ。そんな私の視界の先に見えるのは1人の子供と大人。多分親子だ。私は耳をすませて会話を聞く。
「…ちゃん。琴音ちゃん」
「なぁに?」
「あっちにはもっと綺麗な花があったよ。行ってみよ」
その子供の親と見える女性は子供を連れさらに奥へと進む。子供はその後をしっかりとついて行く。
どこまでもどこまでも歩き続ける。
「お母さんその花はどこにあるの?」
「もう少し先よ」
親子はまだ先に行く。
少ししてから親が止まった。そしてある方向に指差しをしている。その親子は走ってその花がある場所まで移動した。
「本当に綺麗な花だね」
そういう親に子供が近づいていく。その時その子供が持っているのは花ではなく、何かしらの刃物であることに気が付いた。
「もっと綺麗なものがあるよ」
子供はそう言うと同時に刃物を親に刺した。
「…え?琴音ちゃん?」
「ほぉら。この血はきれいでしょ。純粋な赤って感じでしょ」
子供は親を殺した。私は止めようと思い必死に走ったのだが走っても走っても走っても走っても追いつくことはなかった。
これはどんな夢なんだ。残酷でまさに今行われているコロシアイ学園生活のような恐ろしい光景。子供が平気で顔色1つ変えずに親を殺すような世界に私は入り込んでいた。
「お母さん苦しいの?もっと苦しませてあげようか?」
笑いながら子供は何度も何度も親の身体に刃物を刺す。その顔は興奮しているせいか赤みを帯びていた。
「アハハハハハハハハ」
もう死んでいると思われる親に何度も刺す。抜いては刺す。この行為を繰り返していた。
「こんなことは夢だ。現実なんかじゃない。夢なんだ!」
ベッドから起きあがるともう朝だった。
chapter1 アンラッキーリフレイン 完