二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 episode1 ( No.83 )
日時: 2014/04/06 20:31
名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
参照: http://twitter.com/gogotea_danron

番外編四話
「桜色の夢の中で」


初めてなんだ。僕がこんな考えをするなんて。何で惹かれたのかもよく覚えていないんだけど。僕はいつの間にか好きになってたんだ。
もしも、あのとき言えたなら…。

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「投票数が一番多かった黒薔薇が処刑だ」
士導くんが黒薔薇を指差しながら言った。
1つの事件が終わって、僕らは解放される。シンプルに嬉しい、そう思いたかった。できることならみんなで出て行きたかった。
僕がこんなこと思うようになったのはなんでだろうか。士導さんという存在があったからだ。不安でいっぱいだった僕に光が刺したんだ。士導瑠香という名の光が。
黒薔薇は無表情のまま処刑場へと歩を進めた。力強く歩くその姿は僕の目にすぐに焼き付いた。
僕は知らぬ間に黒薔薇にはなしかけていた。
「なぁ黒薔薇。もう一度だけ士導さんになることはできないのか?」
「だからさっきも聞いたでしょ。なぜそこまであいつに拘るの?」
「何でって決まってるだろ!士導さんが好きだったからだよ!」
その場の全員の視線が僕を刺した。変なものでも見るような目で僕を見ている。僕はどうしようもできなくなり目を閉じた。
「ぷはははは。それって禁断の恋だね。負け組と勝ち組の相反する2人が。でもそれって私に恋してると同じ意味だよね。元士導さんなんだからさ、私は」
「…それで理由を言ったんだから。さっさと代われよ」
黒薔薇は笑いすぎてお腹が痛いのか、お腹を抑えながら言った。
「話の展開的にここは代わってあげるわ。ただし代わったらさっきの告白は聞いてなかったことになるけど。それでもいい?」
黒薔薇は僕の返事も聞かずに奥の部屋へと入っていった。聞かれていたなら戻ってきても話しづらかったろから好都合だ。
士導くんはまだ唖然とし、他のみんなはコソコソと喋っていた。そのコソコソ話の中に聞こえる松谷とか士導といった言葉だけがなぜか大きく聞こえた。
でも、ほんとにいつからこんな桜色の感情を持つようになったんだろう?入学式から今に至るまでの経路のどこに惹かれる要素があったのかわからないけど、なぜか僕はいつの間にか1人をずっと見ていたんだ。
特にこれといったことがなかったからこその感情かもしれない。僕が記憶をほじくり返している途中であの声は聞こえた。
「みんな揃ってこんなところで何してんだ?」
僕らのもとに彼女は帰ってきた。黒薔薇琴音という呪縛から解かれて帰ってきたんだ。
「てか、ここはどこだ?裁判場か?それにあんた誰だ?」
「ちょっとお前らこれ答えていいのか?俺は士導静流です!って素直に答えていいのか?」
「おい!あんた誰だよってキャア!」
僕は彼女の手をしっかりと握り走り出していた。どこに向かっているかはわからないけど。もう黒薔薇琴音になんかさせないって気持ちでいっぱいだったんだ。