二次創作小説(映像)※倉庫ログ

file0.『ひとつの事件のハジマリ』 ( No.25 )
日時: 2013/12/26 23:06
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: SnkfRJLh)

…衝撃の事実を聞いた僕らは、ただ何も言えずに下を向いていることしか出来なかった。僕達が一回死んでいる、ということは…。田中くんの言葉を借りるなら「生を冒涜する行為」にならないだろうか?
だが、苗木くんの言葉を聞いた後に入ってきた体験したことのない記憶。これがもし『生きていた頃の僕』の記憶だとすれば…。苗木くん達の言っていたことは本当だということになる。信じざるを…得なくなる。


「やっぱり聞かなかったほうが良かったよね…。ベラベラ喋っちゃって、ごめんね」
「いや…僕も悪かった。まさかこんな残酷だとは…誰も思っていなかったからな…」


僕達がまだ受け入れられずにいると、苗木くんはこんな提案を持ちかけてきた。



「…実は、このプログラムが作動してボク等も混乱してるんだ。霧切さんはもう死んだも同然だから…。もしかしたら、ボク達と同じく『記憶を持ったままボスプログラムされた』人達がいるかもしれない。ボク達は彼らを助けて…プログラムを元に戻すつもりだ」
「どうやって、ですかぁ…?ダンジョンに行かなければその方達とも会えませんしぃ…倒さなければ私達がやられてしまいますしぃ…」
「頼みがあるんだ。お前らのパーティに、俺らを入れてくれないか?どうしたら仲間を助けられるか、考える時間がほしいんだ」
「それに…日向クンとしか合流できてないし、ここで4人も仲間を見つけられたのはラッキーだと思うんだ。もしかしたら…キミ達も助けられるかもしれないし」


…仲間にしてほしい、ということか。確かに仲間が多いに越したことはないが、今の話を聞いて僕らが旅を続けられるかといえば…答えは否だ。たとえゲームクリアしたとしても、僕等が生き返る訳でもない。
完全に…このゲームをやる意味を失ってしまったからな。
どうやら田中くんも罪木くんも僕と同じことを考えていたらしい。


「私…生き返れないんですねぇ…。クリアしても結局リセットされるだけの運命なら…」
「俺様は…輪廻の運命を辿るということなのだな…」
「ちげーよ!!俺達が何か対策を考えるから、お前らはただ俺達を仲間として受け入れてほしいだけなんだって!」
「だが…それで…結局全員お陀仏になったら意味がないじゃないか…!」
「…日向くん。今の3人に答えを求めても「No」としか返ってこないと思うよ。一晩…話し合う時間を与えてあげようよ」
「…そう、だな…。分かった」


そう言うと日向くんは僕等3人の方に向き直り、こう言ってきた。


「とりあえず、ダンジョン探索で疲れただろうから…。今日のところは解散しよう。明日、答えを出してくれると助かる。一人で悩むなら、3人で話し合って答えを出してくれ」
「日向くんと苗木くんはどうするのだ…?」
「仲間のいそうなダンジョンの聞き込みに行くよ。酷だとは思うけど…もし答えが出たら、教えてほしい」


そう言って、2人はパブから出て行ってしまった。
…僕らはどうすればいいのだろうか。それだけが頭の中を巡っていた。




…そして、その夜。パブで借りた寝室の部屋で、僕は一人考え事をしていた。
もちろん内容は今日苗木くんに言われたことをどう受け止めるか。
…苗木くんは『僕達も助けられるかもしれない』と言っていた。だが…仲間だが…どうもそれが本当とは思えないのだ。いや、思いたくないのかもしれない。
駄目だ、僕一人ではマイナスな方向に考えが行ってしまう…。




石丸「誰かに、話しに行くか…。誰に話しに行こう?」


①田中と話す
②罪木と話す
③七海と話す