二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- file0.『ひとつの事件のハジマリ』 ( No.4 )
- 日時: 2013/12/07 23:02
- 名前: ランスロット (ID: F.0tKRfu)
〜某日 希望ヶ峰学園 委員会室〜
「だから、これはこうだと言っているではないか!なぜ分からないのだ田中くん!!」
「ハッ これだから庶民は無能だというのだよ。これはこうに決まっているであろう!!」
「ち、違いますよぉ…!!これはこうなんですよぉ…!!」
「オメーら論点ずれてねーか」
やぁ。僕は石丸清多夏。『超高校級の風紀委員』として希望ヶ峰学園に入学してきた生徒だ。
…それで、僕は生徒として、風紀委員として数か月間学園で生活していたのち…。委員会総委員長という名誉な称号までいただいてしまった。
委員会に所属している者には僕よりも年上のふさわしい先輩がいるはずだが…。
そんなこんなで、今まで過ごしている、というわけだ。
…え?なんでこんなことになっているかって?
今日は大事な委員会の予算会議なのだ。それなのに、時間前まで来たのは飼育委員会と保健委員会のみ…。まったく、時間を守らないとはマナー違反だとは思わないのかね!!…おっと、余談が過ぎてしまったようだな。
それで、結局3つの委員会で予算会議を行うことにしたのだが…。意見が食い違ってなかなか会議が進まないのだ。
念のために偶然通りかかった左右田くんも引き入れて、議論を続けていた。そういう訳だ。
それで、予算会議の方は何とか終わり、いつもの放課後雑談会の会場へと、委員会室は舞台変わりしていくのだ。
「まったく。今回も前回も…というか最近、委員会定例報告会の参加者が田中くんと罪木くん以外全く来てくれなくなったのだが…。なぜ集まりが悪いのだ」
「愚民どもの思いなどどうでもよかろう」
「えぇ…でもぉ…来にくい状況とか…作ってる…わけじゃないですよねぇ…?」
「作ってるよオメーら」
「「「は?(えっ…?)」」」
左右田くんの一言に、僕らは思わず彼の顔を見る。
彼は呆れたような物言いで、こう言い返してきた。
「なんか委員会連中の間で、オメーら変人扱いされてっぜ」
「何故だね?!説明してくれ左右田くん!!」
僕には思い当たる節がない。思わず左右田くんに言い返していた。
「あー…『自覚なし』か…。こりゃ重症だわな…」
「えぇっ…?!」
「まず石丸。委員会活動に積極的になりすぎて、委員会室に人が寄り付かない原因の一つになってる」
「む、むぅ…」
「田中のヤローは…言わずもがなだな。その口調直さねーと人寄り付かねー」
「雑種如きが俺様に反論だと?ハッ、反吐が出る」
「うっせー!…で、罪木。オメーが一番ましな反応らしいけど、その献身すぎなところがちょっとうざがれてっぞ」
「ふ…ふぇぇぇぇぇ…!!」
…そうか…。今思い返してみれば…。原因はいくらでもあるのではないかっ…。僕としたことが…なんということだ…。
思わず田中くんと罪木くんを見てみる。
田中くんは顔がうろたえている。罪木くんは思わず泣いている。
…左右田くんの言ったことに思い当たることがありすぎるのだろうな…。
「…な、なんか悪かったな。ま、これから直していきゃいいだろ!」
当の喋った本人はケロッと笑っている。一体誰のせいでそうなったと思っているのだ…!!
そう思っていた、ちょうどその時だった。
「…あ、やっぱりここにいると思ったよ。4人とも、体育館に来て。学園長からお知らせがあるんだって」
…学園長直々に知らせだと?珍しい。まぁ、遅れるといけないし、みんなを待たせるのもこちらの気分が悪い。
「学園長から…?何でしょうねぇ…?」
「嫌な予感しかしねーけどな…」
「行ってみるしかなかろう」
「…よし、行くぞ!!」
こうして僕等は委員会室を後にし、体育館へと足を急いだ。
…まさかこの行動が、未来の運命をも変えることになるとは…僕等もまだ知らなかったのだ。
- file0.『ひとつの事件のハジマリ』 ( No.5 )
- 日時: 2013/12/08 19:42
- 名前: ランスロット (ID: L7bcLqD7)
〜希望ヶ峰学園 体育館〜
「あーっ、石丸やっと来た!遅いよー!」
「すまない。今さっき連絡を貰ったものでな」
僕達が体育館に着いた時には、既に呼び出されたという全員が集まっていた。
…どうやら、今回呼ばれたのは77期生と78期生だけのようだな。
罪木くんが女子の円の中に入っていくのを確認し、僕も田中くんと別れ自分の学年の列に並ぶ。
後ろでは兄弟(大和田くんのことだ)が、僕の背中をバシバシ叩いていた。…兄弟、流石に痛いぞ。
そんなこんなやり取りを続けていた後、校内放送が流れ一列に並ぶ。
しばらく待っていると、学園長が僕達の目の前に立った。
「皆さん、おはようございます」
「おはようございます!!」
「こんな時でもするのかよっ!!」
僕は挨拶を勢いよく返す。桑田くんが突っ込んできた気がするが気にしたら負けなんだぞっ!
…ところで、学園長はなぜ僕らを呼んだのだろう?
「…時間もないので、本題に移ろう。先日、私は不二咲千尋さんと協力し、とあるバーチャル空間を作り上げた」
そう言うと、学園長は指を鳴らして僕達の体育館の景色の周りを草原に変えてみせる。
…それを見て僕は驚愕した。不二咲くん…いや、科学の力の凄さを目の当たりにしたのだ。
周りからも感嘆の声が聞こえる。
「千尋ちゃんこんなの作り上げるなんてすごいっすよー!」
「学園長のプログラムアイデアのほうが多いから…僕は大して凄いことはしてないよぉ…でも…褒められるってなんだか嬉しいねぇ…」
「十分すごいと思うよ、不二咲おにぃ!どこかのゲロブタとは大違いっ」
「ゲロブタですみませぇぇぇぇん!!」
いつの間にか列が乱れているではないか!!僕は話に夢中になっているところに割り込み、列を正しく戻していく。
…途中、田中くんの呆れた視線が刺さったのが痛いが…。気にしないでおこう。
僕が一列に並び直したのと同時に、霧切くんが学園長に口を出す。
「それで、そのバーチャル空間を私達にお披露目するためだけに呼んだのかしら。こんな大勢」
「まさか。このバーチャル空間には、人間の記憶をデータ化して飛び込めるように仕組んでおいたんだ。だから、君たちにはそのものを体験してもらおうと思ってね」
「…つまり、私達に実験台になれ、ってこと?」
霧切くんの指摘と鋭い眼光が、学園長に突き刺さる。学園長は彼女の顔にびくともせずに、そうだ。とだけ返した。
…バーチャル空間に僕達が入り込めるのは凄いことだが、それが実験段階とは…。僕等が無事でいられる保証はない。そう考えたほうが良さそうだな。
「…くだらない。そんな怪しさ満載のバーチャル空間、俺はお断りだ。俺はモルモットじゃないんだ。帰るぞ」
「あっ、待ってください白夜様…!!」
十神くんは学園長の考えに呆れて体育館を出ようとしている。…しかし、学園長の意向をないがしろにしていいものなのだろうか?確かに、怪しすぎるのは僕も賛成だが…。
と、思ったその時だった。
『な…なんか頭が痛いっ…!!』
その言葉と同時に、さっきまで平然としていた花村くんが頭を抱えて苦しみ始めた。い、いったい何が起きたというのだ…?!
その状況に、他の生徒達も一気に騒ぎ始める。
「ちょっと花村!どうしたの?!」
「白夜様!ドアが開きません!!」
「なんだと…?!どういうことか説明しろ苗木!!」
「ボクに聞かれても困るよ…!!」
混乱している間にも頭痛を訴える生徒はひとり、ひとりと増えていく。罪木くんがどうやら処置をしてくれているらしいが…。
「原因不明ですぅ…!!役立たずでごめんなさぁい…!!」
…的確な処置をしながら泣いていた。
「…地獄からの邪神召喚の儀か…?!」
「一体…何が起こっているというのだ…?!」
その混乱を更に助長するように、『ソレ』は現れた。
いち早く見つけた日向くんが、叫ぶように指差す。
『あれはなんだよっ…!!』
目の前に表れていたのは…。
大きな…黒いもや…。
いわば「ブラックホール」と呼んでいい代物だった。
- file0.『ひとつの事件のハジマリ』 ( No.6 )
- 日時: 2013/12/09 00:01
- 名前: ランスロット (ID: L7bcLqD7)
…突然現れた『ソレ』に、僕達はただただ何も言えずに驚愕していた。そして、頭痛に襲われる生徒は加速をしていくかのように多くなり…。
正常に話せる人間は、もう数えるくらいしかいなかった。
こんな狂った状況、どう打破すればいいのだっ…!!
そう思った、その時だった。目の前に、『更なる狂気』が現れるのは。
「はにゃ〜?なんで全員頭痛に襲われてないわけ〜?」
「お…お前は…!!」
急に現れたそれは、右側が白く、左側が黒かった。
白い方は可愛らしいクマの形をしているが、黒い方は悪魔の翼のような赤い目に、牙を剥き出しにした口…。
『普通』じゃなかったのだ…。
「オマエラ初めまして!ボクはモノクマ、よろしくね!」
…モノクマ?初めて会ったはずなのに、聞いたことがあるような感覚が僕を襲う。
僕は以前…彼にあったことがあるのか…?
「モノクマっ…!!なんでお前が…!!」
苗木くんや霧切くんがモノクマを敵視するように言い返す。彼らは…モノクマのことをどうやらよく知っているようだ。
…おかしい。彼らに敵意を向けているのは…。苗木くんや霧切くんだけではない。日向くんやソニアくん、左右田くんも同じ表情をしている。
「はにゃ〜?苗木クン…だったっけ。何でボクのこと知ってるの?」
「はぐらかすな!!みんなに何をするつもりなんだよッ!!」
「…貴方の思惑は分かっているわ。洗いざらい、全て話しなさい」
「はぁ〜。初っ端から言葉の暴力なんて酷いよ。ボク、参っちゃう」
モノクマはそう言い返しながらフラフラと両手を振る動作をする。そして…とんでもないことを口にするのだった。
「いいの?オマエラ、ブラックホールに吸い込まれてるけど」
「え…?」
言われて思わず振り返ってみる。そこには…いるはずの生徒達の半数が、いなくなっていた。
考えられる理由は一つ。モノクマの言った通り、目の前の『ブラックホール』に吸い込まれたのだ。
「どうせこのブラックホールもお前が用意したんだろ!!」
「ボクこんなの知らないよ〜?dってbkhmnくmだm%☆○◇//!」
「魔獣の声帯に…異常…だと…?!」
「ど…どうなってるんですかぁ…!!」
混乱しているうちにモノクマの声が聞き取りにくくなり、ついには動かなくなって倒れてしまった。
…い…一体何が起こっているというのだ…?!
そう思っている間にも、生徒達はどんどん吸い込まれていき…。
その場に残っているのは、頭痛を訴えなかった数人だけになっていた。
「どうなってんだよ!!俺達こんなの聞いてねーぞ!!」
「わたくしも知りませんよ!どうして再構築プログラムの最中に…」
「再構築…プログラム…?なんですかぁ、それは…?」
「罪木ちゃんは知らなくてもいい話だよー!」
苗木くん達が集まって何やら話をしている。…苗木くん達も、どことなくおかしいように見えたのは僕だけだろうか。
疑問に思って田中くんに返答を求めると、どうやら彼も同じことを思っていたらしい。
真意を確かめに苗木くんを呼ぼうとした、その時だった。
『ぐおおおおおおおお…!!!』
苗木くん達が、目の前で。全員。
ブラックホールに吸い込まれていった。
これで、この場に残っているのは僕、田中くん、罪木くんだけ…。
「どういうことなんですか…?!」
「…用心しろ、勢いが増しているッ…!!」
「駄目だ、耐えきれないっ…!!」
吸い込みの勢いはどんどん強くなり、踏ん張りが利かなくなっていく。
…そして。
「きゃあああああああっ!!!!!」
「なっ…!!ぬわあああああっ?!」
「罪木くん!!!田中くん!!!」
…2人が、吸い込まれてしまった。
…駄目だ、僕も耐え切れないっ…!!
…あぁっ、身体が…宙に…
「うわああああああああっ!!!!!」
そこで僕の意識は途切れた。