二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【SS集】クリエイティヴ・ワールド ( No.77 )
日時: 2015/09/07 20:39
名前: 伊那谷ユウナ (ID: MmsT0Uvz)

短いですが前のスレ、文字数的に入るか心配だったので、こんな感じに…ちなみに、ユーインはお祭りでの手合わせをご隠居さんらが仕組んだと思ってますが…まあ後々詳しく語ります。セイロンの興味があったから勝負を挑んだ云々という発言をしたのがヒントです。
あと彼が次期族長なら父親は先代族長だったんだろうなという安直な考えであんな感じになりました。とりあえず今は多く語らず、本編をどうぞ。にしても、読者さんはこの恋愛モノ(のつもり)中編をどう思ってんだろ…面白いのか、これ?


……割と本気で感想プリーズ。








その日の夜は、追いかけっこというか、いたちごっこそのものをするばかりだった。
若様…セイロンは案外しつこく、祭りがあるというのに私をずーーーっとつけてくるのだ。そしてお決まりの言葉が…

「我の従者になれ、ユーイン!」
「いい加減にしろ!これ以上付きまとうなら骨の髄まで凍らせるぞ、クソガキ!!」
流石の私も、我慢ならなかった。まあ本当に凍らせたりしたら大問題に発展するので、半分脅しのようなものだが…
「そもそも!何故私が二つも年下の餓鬼の世話をせねばならない?いくら族長の息子いえど、こればかりは承諾せんぞ!?」
「我がそうしたいからそう言ったのだ!あと『二つも』ではない、『二つしか』歳が違わないだろ!?」
「屁理屈捏ねるな、我儘坊主がぁっ!!」
私はとうとう森の方へと入ろうとする。これしか彼を引き離す方法がないからだ…だって
「おい!夜の森に入ってならぬ掟があるだろう!?」
そう、夜の森は凶暴な妖怪が彷徨く。だから夜の森に入ってはならない…特に、幼少の龍人は。
でも、そんなの構わない…だって。私は一族のはみ出し者なのだから


ーーーバキィン!!


「っ……!」
「もう、私に構うな。いくら族長の息子いえど…他の者は私を認めさえしないのだから」
氷で隔たれた壁の向こうには、彼の顔が歪んで見える。彼はどんな顔をしているのか?彼はーーーこれで軽蔑してくれるだろうか。
とにかく、私は森の奥へと向かう事にしたのだった。

「…さようなら、龍の王子様」