二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- (4) ( No.14 )
- 日時: 2014/02/03 23:20
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
”デジモンデータNo5 ソウルモン ウイルス種 成熟期
黒い大きな帽子がトレードマークの、謎につつまれたゴースト型デジモン。呪われたウィルスプログラムで構成されており、帽子の影からのぞく大きな目と、開いた口がとても不気味だ。ファンタジーなどの“魔法使い”のデータを取り込んでいるため、呪いや魔術が得意だ。頭の帽子には魔力を上げる力がある。必殺技は、死者の魂を引き込む「ネクロマジック」。”
”デジモンデータNo6 ブロッサモン データ種 完全体
巨大な花の姿をして、身体からは何本もの触手を生やした植物型デジモンの完全体。見た目の奇怪さとは裏腹に非常におとなしく、中々人前には姿を現さない性格。必殺技は触手の先に付いている小型の花を手裏剣のように飛ばす「スパイラルフラワー」。この花の花びらはどんなに硬いものでも切り裂いてしまう。”
「ぎゃあああ!」
一行(ソウルモン含む)は絶叫する。何故ならば、地面から突然出てきたのがこれだから無理は無い。
だが、一緒に絶叫しているソウルモンを見てティコは「何でお前も驚いてるんじゃあああ!!」と突っ込みそうになった。
「ぎゃあああ……あふぅ」
「うわあああ、大丈夫か裏飯屋の人ォ!!」
ソウルモンは、驚きのあまり口から泡を吹き出して倒れてしまった。 というか、オバケが驚いて気絶とかどういうことだ。
というか、仲間のデジモンに驚くとはどういうことだ。
このソウルモンというデジモンは、驚かす側にも拘らず、相当な小心者らしかった。
「もういい、デジクロス行くわよ! デジヴァイス、クロスメモリーセットオン!」
『デジモンクロス、ブロッサモン&ソウルモン』
次の瞬間、ソウルモンとブロッサモンの体が一気に引き寄せられる。そして、眩い光とともに融合した。
「なっ、何が起こってるんだ!!」
「わかりませぇん!! うわあああ!!」
爆風が起きる。思わず腕で顔を覆ってしまった。一体、何が起こっているのかわからない。そして、何かの声が聞こえた。
『クロスアップ、ジャックランタモン!!』
次の瞬間、そこにいたのはカボチャから茨が生えたような容姿のデジモンだった。ハロウィンのカボチャを連想させるが、カボチャに茨は生えていないだろう。
普通は。
だが、デジモンならばありうる。
「ジャックランタモン!! デジクロスでのみその姿を現す、クロス体のデジモンです!!」
「何だ、そのデジクロスっつーのは!!」
「デジモン同士の合体です! 似たような現象に、ジョグレス進化というものがありますが、こっちは進化レベルの違うデジモン同士でも可能な上に、負担はかかりますが三体以上でも合体可能なんです!」
デジモンというのは、合体も可能なのか。何でもありだなと感心している間もなく、茨が降ってきた。
土煙が舞う。
刹那、人が降り立つ音がした。
「それ、あたしに頂戴?」
土煙が晴れれば、そこには美少女が新志の目に飛び込んでくる。
「な、何だお前は!!」
あえて、敵意を剥き出していった。見るからに、あのデジモンの所有者は彼女と見て間違いないだろう。
どこか踊った目で、新志を見るとにこにこと物腰柔らかく彼女は切り出した。
「ティレス・コンタンス。ティコでいいわ。【SAVER(セイヴァー)】のS級ハッカーだよ?」
「【SAVER(セイヴァー)】?」
さっきの連中から、その言葉は聞いたばかりだった。
「そう。ホントはいけないけど、君はこの世界に足を突っ込んでるから話しておくよ? ネットワーク犯罪それはネットの発展と同時に進行してるの」
彼女は、再び続ける。
ようするに、こういうことだった。デジタルワールドは、突如ネットワーク上に出来た空間で、多くの国で監視と研究がされている。最近は、外部からの干渉も可能になり、デジモンの現実世界での実態化も可能になった。
しかし、デジタルワールドが人間界に及ぼす危険性は想像以上のものだった。まして、今はネットワーク犯罪が横行している。下手をすれば、十年前の【大感染】のような事態が起きかねない。
そこで、政府はハッキングの素質のある子供達を集めた。デジモンを使役するテイマーとして。
「私たちは、その中でも重要な立ち居地に居るの。いわば”選ばれし子供達”といったところかな?」
そして、【SAVER(セイヴァー)】はことの元凶がオメガモンズワルトの仕業であることを探り出した。
にも拘らず、まだ奴の居場所があぶりだせないで居る。
「つまり、あんたらがこの世界にテイマーたちを送り込んでいたわけだな」
「そう。奴の居場所を探るためにね。最初、あたし達は突然デジタルワールドに出てきた貴方を敵のハッカーだと思って、ガオスモン達を送り込んだ。ま、送り込んだのは司なんだけど」
「じゃ、俺達とは利害が一致してる。共闘……って訳にはいかないみてえだな」
まだ、何かを隠していたみたいだ。
ティコは指をはじく。
そういえば、さっきからブランの姿が見当たらない。
「きゃああああ!! 新志さん、助けてくださーい!!」
見れば、ジャックランタモンが茨をブランに巻きつけてたかいたかいをしていた。茨が食い込み、血が出ているのが分かる。
「ごめんなさいね? うちのジャックランタモン、ドSだからSMプレイでも触手でも、何でもやっちゃうかもね?」
主に、ツカイモンの影響だろうか。
「このヤロォ、何が目的だ!!」
「あんたのエヴォリューションエナジーだよ! 欲しいの、あんたの持ってるそれが! それに。力づくで奪うことにあたしは遣り甲斐を感じるの」
パートナー共々、ドSらしい。
可愛い顔をしてえげつないことを言う彼女に、ドン引き気味である。
「それに、あたしは戦うことが大好きなの!」
「よーするに、俺と極限のバトルを楽しみたいってか」
「戦闘狂(バトルマニア)と呼んでくれてもいいよ?」
「結構」
ブランが囚われている以上、彼女の誘いに乗らないわけには行かない。
「ドルモン、行くぞ!!」
『エヴォリューションエナジーVer.EX起動。ドルモン、超進化!』
酔ってふらふらになり、倒れていたドルモンの体が崩れ落ちて、再び再構築される。
「超進化、アームズドルモン! ……おぇ」
やっぱり、まだ酔ってるらしい。口に手を当てている。
「どんだけ揺れに弱いんだよ!!」
「っせぇ、とっととあのデカブツぶっ倒して、ブランを助けるんだい!」
その姿を見て、ティコは意地悪な笑みを浮かべて呟いた。
「そう、上手くいけばいいけどね」