二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- (5) ( No.15 )
- 日時: 2014/02/11 17:22
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
”デジモンデータNo7 ジャックランタモン ウイルス種 クロス体
巨大なカボチャのオバケのデジモン。茨の蔓が所々から生え出している。非常に気性は荒く、他のデジモンの生命エネルギーを自身に取り込んでパワーアップする性質があるため、恐れられている。必殺技は、相手に茨の蔓を巻きつけて生命エネルギーを搾り取る技、「エナジードレイン」。”
見上げれば、10メートル程はあろうかと思うほどの巨体。
ティコことティレス・コンタンスはその上に佇んでいた。
ブランは完全に縛られて動けない状態だ。
「ブランに手ェ出すなァー!!」
アームズドルモンの猛攻が始まった。
ドリルを勢い良く回転させて、ジャックランタモンのボディを一気に削る。
しかし、化け物は堪えていない。
何故ならば、硬い表皮に覆われた化け物の体は、アームズドルモンのドリルを直撃したにも拘らず表面が砕けた程度にしか損害は無かった。
「面白い……! これが超進化ね!」
「ごちゃごちゃうっせぇー!! アームズドルモン、アレ行くぞ!」
---------攻撃プログラム「魔愚真(マグマ)・滅天悪(メテオ)」!
鉄の塊が、高温でどくどくビートを刻みながら、突然現れた。
高い高い上空に。
そして、落下音とともに落ちてくる。
ズドォン
爆音とともに、原子雲の傘が広がったのが見えた。
蔓には当たっていない。
だが、本体だけは破壊できたはずだ。
どろどろの熔鉄は、あらゆる敵を溶かしてしまう。
「やったか!?」
が、植物とは以外にしぶといものである。
-----------防御プログラム「プラントウォール」!
「マジかよ」
思わずそう漏れた。
草木がジャックランタモンの体を覆っていた。
しかし、既に黒焦げになっている。
だが、一度咆哮を上げれば焦げて飴のようになった草木は全て吹き飛んでしまったのである。
「ダメだよ? 油断しちゃ」
「バカか。油断してなんかいねえよ」
--------てめぇがトロトロしてる間に
「おおおおおおお!!」
アームズドルモンは、ティコの真上にいた。まさか、今の間に本体を駆け上がってこれたとは誰も思うまい。
そして、ドリルの先端を向けた。
金属が煌く。
「おい小娘よォ、ブランを放せ。じゃねえと、てめぇの喉元がオイラのドリルで風穴が開くぜ?」
「く、ぐっ……! 卑怯よ!」
「卑怯だ? お前は何を抜かしてやがるんだ?」
新志はジャックランタモンに近づいて上に向かって叫ぶ。
「てめーが人質取った時点で、これはキレーなバトルでも何でもねえ。ルール無制限、レギュレーションなしのフリーダムなバトルだぜ?」
「くっ、アンタねえ!」
「そこまでだ、バカ共」
上空から更に声が聞こえた。見れば、空間が裂けている。
そこから、紅い恐竜とそれに乗ったデジモンが降ってきたのである。
地面に降り立った恐竜は、その重みで土煙と地響きが起こったが、新志はその姿に釘付けになっていた。
冷たいほど冷酷な目つき。
目的のためならば何でも捨てる狡猾さを表しているかのようだった。
「俺に恥を掻かせるつもりか、ティコ」
「つ、司ァー! アンタ邪魔しないでよ!」
「新志さん、やばいですよ! あの人たちから見れば、私達は違法ハッカー、たぶんガオスモンに狙われたのも、そのせいです!」
「おいおい、また面倒なことになってきたぞ?」
次の瞬間、ジャックランタモンの体に1つの穴が開いた。
そこから、恐竜が飛び出してくる。
苦しんだかのような断末魔を上げると、ジャックランタモンの体は再びソウルモンとブロッサモンに分裂したのだった。
まるでドットがどんどん崩れ落ちるかのように。
咄嗟にブロッサモンに飛び乗ってティコは無事に着地。
しかし、自分のデジモンは全員ダウンしてしまっている。
そして、アームズドルモンは頑丈な体が功を制したのかブランを救出したまま地面に降り立ったのだった。
「ティラノモン、御苦労」
”デジモンデータNo8 ティラノモン データ種 成熟期
人に懐きやすく、メジャーな恐竜型デジモン。発達した2本の腕と巨大な尾で全ての物をなぎ倒す。
知性もあり、おとなしい性格のため、とても手なづけやすい。
そのため、初級テイマーからは重宝がられ、だいじに育てられることが多い。 必殺技は深紅の炎を吐き出す『ファイアーブレス』。 ”
「ゴシュジンサマ、例ノガオスモン達殺ッタ連中」
片言だったが、ティラノモンは確かにそういった。
「知っている。だが、長官からは手を出すなといわれている」
「へーえ、お前がこの間ガオスモンを差し向けた奴か」
挑発的な目で新志は司のほうを向いた。
「貴様は【SAVER】の管理リストに載っていない。そんな奴を警戒して攻撃することが何故悪い?」
「もうちょい温厚に出来なかったもんかねぇ、これが」
「心配無用だ。ガオスモン如きの実験体(サンプル)が何匹死のうが、俺には関係ない。俺は俺の任務をこなすだけだ」
冷たい。
凍りつくような眼差しだ。
「どうした? 俺を非難するのか?」
「俺には、そんな権利はねえよ。だけど、」
------ただ、俺はお前を人目見たときから気に食わねえ、それだけだ。
------同感だな。俺もお前のようなテンションの高いバカは気に入らない。
「「何なら、此処で決着(ケリ)つけるか?」」
両者の目が会った。
激しく火花を散らす。
次の瞬間だった。
咆哮。
森の奥から、鳥型デジモンが飛び立っていくのが分かる。
そして、何かが聳え立った。
「ダイダラモン……!」
目を見開いた司の表情は、少なからず興奮していた。
「以前取り逃したが、まさか此処で又出会うとはな!」
「い、一体何だってんだ、あいつは!」
新志は眼を凝らして見せた。
とても大きい。
だが、同時にとても禍々しい気配も感じてしまったのである。