二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter0 プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2014/02/01 14:18
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
俺は、ぼんやりと巨大な学園を見上げていた・・・。
まるでそこが世界の中心というように・・・。
『私立 希望ヶ峰学園』
そこは、あらゆる分野の一流高校生を集め育て上げることを目的とした、政府公認の超特権的な学園・・・。
何百年という歴史を持ち、各界に有望な人材を送り続けている伝統の学園らしい。
国の将来を担う“将来”を育て上げることを目的とした、まさに、“希望の学園”と呼ぶに、ふさわしい場所だ。
この学園の入学条件は二つ——。
“現役の高校生であること”
“各分野において超一流であること”
新入生の募集などは行っておらず、学園側にスカウトされた生徒のみが入学を許可される。
そんな超がつくほどすごい学園の前に——俺は立っていた。
俺はパンフレットを片手に悠々とそびえ立つ建物を眺める。
想像していたよりも遙かに大きい。 恐らく、世界共通でここまで大きな教育機関は存在しないだろう。
「・・・やっぱり俺は場違いなのかな・・・」
そうぽつりと呟きながら、俺はパンフレットとともに届けられた招待状を見る。
それは先週、学園から俺宛に届けられた一通の手紙だった。
『水上 翼様、今回我が校では平均的な学生の中から、抽選によって一名を抽出しました。
その結果、当選したあなたを“超高校級の幸運”として我が校に招き入れる事になりました。』
というわけだ。 そう、俺はただの運によって選ばれたのだ。
そうそう、忘れていた。 俺の名前は「水上 翼」だ。
俺はこれといって得意分野もなく、特徴的な見た目でも性格でもない。
この招待状が届けられるまで俺は至って普通の生活を送ってきた、普通の高校生だったのだ。
・・・まぁこれ以上何か特徴をあげよ、と言っても特に何もない。 本当に何もないのだ。
「うーん・・・うまくやっていけるかな・・・」
希望ヶ峰学園に選ばれる生徒達は本当に、その分野では知らない人はいないほどの超一流高校生ばかりで、学園に入学する時に興味を思った俺はインターネットで調べていた。
実際に調べたところ、やはりどの選抜者も平均値から大きく飛びぬけた知名度も実力も高い"超高校級"の面々ばかりだ。
例えば、“超高校級の陸上選手”として入学するのは・・・世界記録に達するほどの記録を持つほど活躍していることや・・・・
“超高校級の天文学者”として入学するのは・・・太陽系の近くに地球に似た水の惑星や誰にも発見できなかった大星雲を見つけていたり・・・
“超高校級の不良”として入学するのは・・・様々な喧嘩でも無傷で圧勝するぐらい強く、不良達には“日本一の不良”なんて言われていたり・・・
他にも、「マジシャン」、「舞踏家」、「案内人」、「新聞記者」、「空手家」、「大富豪」、「バスケ選手」、「画家」、「音楽家」、「デバッカー」、「テニス選手」、「ゲームクリエイター」と、そうそうたるメンバーが揃っている。
「そろそろいかないとな・・・」
現在の時刻は7時辺りだ。
予定では入学式の開催は9時からなので、まだ時刻に余裕がある。
少しだけだが校内探検ができるだろう・・・。
入学初日ともあって、俺はつい軽い気持ちで希望ヶ峰学園への第一歩を踏み出した。
それが、間違いだった。
「うっ・・・!?」
急に目眩が起こり、目の前の風景が飴細工のように溶けてぐにゃりと歪む。それは、あっという間に他の景色とどろどろに混じり合って・・・。
気づいた時は真っ暗闇の世界で、俺は完全に意識を失ってしまった。
このとき、俺は気づくべきだったのかもしれない。
ここが、“希望の学園”なんかじゃないということに・・・