二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter1 〜おいでなさいませ絶望林間学校〜 ( No.11 )
日時: 2014/02/03 20:38
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

・・・視線や空気が重たく感じる・・・。

『誰かを殺した生徒だけがここから出られる』

その言葉は俺達の脳内でずっと再生されていた・・・。

「このまま・・・このまま疑心暗鬼になっても・・・アイツの思惑通りだよ!!」

そんな俺達の思考を遮るように風空君は叫んだ。
確かに・・・ここでそう思っていてはモノクマの思惑通り。
・・・でも・・・

「どうすりゃいいんだよ・・・。」
「・・・出れるかどうか調べてみる、宿泊施設があるか調べる・・・これが妥当だと・・・推測する。」

そんな問いに星鎖希君は答えた。その表情や雰囲気は焦りの様子がなかった。

「その前に校則を確認しないか? 俺もうあんなの懲り懲りだからな・・・」
「そのまま爆破されていればよかったのにな。」
「んだとこのやろう!!」
「ストップ。 ストーップ! だーかーら、風空も言ってたでしょ? そんなことしてたらモノクマの思うつぼだって!」

雪柳さんが二人の喧嘩を止めた。
この二人は関わらせちゃいけないと確信した。

「はぁ・・・じゃあ気を取り直して・・・校則、もとい本人のか確認ね。」

そう湖川さんが言った後、俺は自分に配られた生徒手帳を開いた。

『水上 翼』

と、俺の名前が最初に浮かび上がった。
起動時に持ち主の名前が出る・・・あいつの言うとおりだった。
そして俺はメニュー欄から校則と書かれているアイコンを選択した。
すると校則と思われる文字欄が出てきた。

1. 生徒達はこの山の敷地内で共同生活を行いましょう。 共同生活の期限はありません。

2. 夜10時から朝七時までを“夜時間”とします。 夜時間は立ち入り禁止の場所があるので注意しましょう。

3. 熟睡はこの敷地内にあるバンガロー内でのみ可能になります。他の場所での故意の熟睡は居眠りとみなし罰します。

4. 敷地内を探索するのは自由です。特に行動に制限は課せられません。

5. 学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。 監視カメラ、鍵のかかった扉の破壊を禁じます。

6. 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、自分がクロだと他人に知られてはいけません。

7. なお、校則は順次増えていく可能性があります。

一通り見たあと俺は顔を上げた。

「・・・破ったら・・・殺されるよな・・・。」
「可能性は100%。 否定は出来ない。」
「ねぇ・・・バンガローって・・・宿泊施設じゃない?」
「でもどこにあんだ?」
「・・・調べた方がいいかもしれないわね・・・。 特に制限は課せられてないようだし・・・。」
「じ・・・じゃあ・・・どうやって調べますか・・・?」
「まずは・・・手分けして探す方がいいのかもしれませんわ。 あの人は出口、あの人は宿泊施設・・・みたいに。」
「どうやってわけるの?」
「安心したまえ。 ぼくは探索なんて平民がする作業やらないからさ。」
「まーた・・・もういいや。 アルフレッド抜いて俺らで探索しよう・・・」

湖川さんは突っかかろうとしたがやめて、俺達の人数を数えた。

「大体・・・2人で探索・・・いや、3人だな。 ちょうどいいし。」
「でも、問題は分け方だよね。 どうする?」
「じゃあ僕翼と行く!! 湖川もいこうよ!!」

と、風空君は俺と湖川さんの腕をぐいぐい引っ張った。

「千絵ちゃんっ私といきません!? あっ音葉ちゃんも!!」
「えっ・・・あっ・・・はい。」
「いいですよ。 私なんかでよければ。」

と、もう一組も決まったようだ。

「ボクはどうでもいいや・・・。 勝手に探索してるよ・・・。」
「おれも・・・人と関わるような性格じゃないし・・・。」

星鎖希君と雨唄君はその場に立ち上がってそれぞれ違うところへ行ってしまった。

「あー・・・。 あいつらもか・・・。」
「それでもいいのではありませんか? 今は情報を求めるが勝ちですわ。
でもこれでは一人誰か余ってしまいます・・・。」
「・・・じゃあ私残るわ。 ここにメモの紙があるし、それでみんなの情報をまとめるわ。 これでいいかしら?」

その意見にみんなは賛同した。

「城ヶ根、一緒にいかないか?」
「僕も一緒にいくー・・・」
「おうっこれでオレらは決まったな。」
「じゃあ残った人で組みましょう。」
「そうだね。」
「じゃあ早くいこー!」

組まれたメンバーはバラバラと一緒にどこかへ行った。

「俺らも行くよ。」
「ねぇっねぇっどこ調べる!?」
「とりあえず・・・道だな。 どこまで行けるか調べてみよう。」

そして俺らは原っぱに残されている道を進んでいった。


「これなに?」
「鍵がかかってる・・・ここから先に行くことは不可能ね。」
「はいっ!! そうなのです!!」

ぬっとモノクマは俺らの傍に現れた。

「うわぁぁぁぁ!?」
「水上君、うるさい・・・」
「だっ・・・だってさ・・・幽霊みたいに現れたんだぜ・・・?」
「こらー!! 人を幽霊・・・この場合クマか・・・クマを幽霊にするんじゃないっ!!」

うがーっと両腕をあげて怒るモノクマはハッとした表情で俺達を見る。

「それよりもさ、なんでこうしているのか聞きたい? 聞きたいよねー?
実は、オマエラが道に迷わないように、設置しているのです。」
「嘘くさい!! というか広い時点で迷うよ!!」
「そんなこと言っちゃ駄目っ!! いいー? わかった? わかったらしっかりと地図とか把握しておくんだよ? じゃあねっ!!」

そしてモノクマは遠くへ走って消えていった。
・・・嵐のように去っていったな・・・。

「あっ・・・生徒手帳に地図がある・・・。 この柵、円になって立てられてるから・・・出れる可能性は低いわね・・・。
ここら辺にはもう何もないのかも・・・」
「かもだから何かしらあると思うよ? 探そうよ!!」
「だな・・・。 そこら辺歩いてみるか・・・。」

途中で駐車場があったり、出入り口と思われるところがあったがここも鍵がかけられていた。 そして、それ以外なにも見つからなかった。
仕方ないので広場に戻ることにした。

chapter1 〜おいでなさいませ絶望林間学校〜 ( No.12 )
日時: 2014/02/03 21:59
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

戻ってくるともう全員戻って来ていた。

「どうだったかしら・・・? みんな戻って来たけれども・・・」
「はーい!! バンガロー発見したよっ!! まず、あっちにいけば計16個のバンガローがあって、それぞれみんなのバンガローがあったんだっ!!」
「鍵も・・・ドアノブにかかってまして・・・みんなの物とわかるように・・・名前が書かれていました・・・」
「それ以外には特にありませんでしたね・・・。」

三人の情報は以上のようだ。

「次は俺達だね。 食堂とかランドリーとかある施設を見つけたよ。」
「あっあれだね!! いかにもそれっぽいもん!!」

風空君は元気そうに施設があると思われる方角を見た。
・・・見えないけど・・・!?
俺が見るとなにか白い建物らしきものがぼやけて見えるだけだった。

「そうそう。倉庫もあって、色んな道具があったよー!」
「管理人室もあったのですがモノクマに止められましたわ・・・。後、食堂には広いキッチンがあって、自分で料理することもできますわ。食材も新鮮なのを用意している・・・とか。」
「以上だよー!」

これでもう一組の情報も終わった。

「そういえば・・・これ見つけた・・・。」

星鎖希君はそう言うとすっと何かを差し出した。

「これ・・・地図?」
「山の・・・らしい。 この場以外にもまだあるけど、モノクマ曰く出させないって。」

たしかに、この場を中心に別の場所がかかれている。

「この先は柵が立てられていて開かなかったよ。鍵かかってたし、ここから出るのは無理みたい。」
「あと出入り口があったね!! でもそこも頑丈な扉で塞がれててね・・・」
「とにかく今のところ脱出は不可能と考えた方がいいな。」

これで俺達の情報は終わった。

「森林の所歩いてみたんだけど・・・なんか寂れた小屋があったなー・・・」
「・・・小屋!?」
「うん。 残念だけどもうボロボロで・・・中にあった物も日記と思われる物も全て駄目。 使えないし読めなかった。」
「オレらから提出できる情報はこれだけだなー・・・」

頬をかいてそう言う城ヶ根君は少し残念そうだった。

「雨唄、君はなにかなかったのかい?」
「・・・春風達が見つけた施設の傍に物置小屋があった。 後、ランドリーから出られるところもあったし・・・小屋の中にはベットシーツとか色々あった・・・。 おれが言えるのはここまで・・・。」

これで全員の情報が集まった。

「これで全部ね・・・? このメモはこのテントの柱に付けておくから・・・困ったときがあったら見ましょう・・・。」
「地図も貼り付けておくことも推奨する・・・。」

そして久地先さんは情報がかかれたメモと地図を柱に貼り付けた。
バンガローからも近いらしいのでこれで安心できるだろう。

「じゃあバンガローのあるところにいこうよー! 自分の部屋とか確認したいしねー!」
「そうだな・・・。 どうする? もうみんな個人個人で直行しようか?」
「そうね・・・みんな疲れてるだろうし、これで解散しようか。 明日は食堂に集合しよう。 みんなの安全確認とかしておきたいし。」

湖川さんがそう言うとみんな賛成の声を上げた。
もちろん、俺も賛成だ。

「んじゃ各自解散。 生徒手帳に地図もあるし、あまり道には迷わないと思うけど、気をつけてね!」

その一言が聞こえるとみんな頷いてバンガローへと向かった。
俺もその後についていった。



バンガローのあるところに着くとみんなそれぞれ自分のバンガローを調べた。
俺は自分のバンガローを確認していった。

『ミナカミツバサ』

そう俺のドット絵と共に書かれている名前を見つけると鍵を調べた。
鍵にはタブが付いていてカタカナで「ミナカミ」とネームペンで書かれていた。
そしてその鍵で扉の鍵を開けて自分のバンガローへ入っていった。

「・・・意外に快適そうだな・・・」

玄関があり、広いテーブル、ベット、テレビ、さらにはシャワー室まであった。
俺は靴を脱いで部屋に入り、ベットに倒れ込んだ。
・・・疲れてシャワーを浴びる気力すらない・・・。
その思いがどんどん重くなり、次第に瞼が閉じた。
そのまま、俺は寝てしまった。