二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter6 望みって一体何ですか? ( No.110 )
- 日時: 2014/03/18 17:45
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
「で、アンタ等が勝ったわけだけど・・・。 どうするの?」
雨唄蛍は証明台に座り俺達を見下ろす。
その表情は笑顔が絶えずニコニコしている。
「・・・雨唄さんも、出ませんか? このプログラムから。」
「はあ。アンタ等はあたしと共に出たいと。」
「姉ちゃん・・・出たら?」
しかし、彼女は首を振った。
「宵斗、あんたは生きてるの?」
「・・・・っ!!? そ・・・それは・・・」
「・・・どういう事?」
白柳さんの問いに彼女は口を開いた。
「宵斗はね、アンタ等のバックアップをとるのに時間をかけ過ぎて自分のもう一つのアバターを作れなかったのよ。」
「アバターのバックアップ・・・と言うことは!!?」
「そうねー、それはここから出た方がいいんじゃない?」
雨唄蛍は足を組み、頬杖をつく。
無表情でそうツラツラと、淡々とそう言った。
「宵斗、あなたアルターエゴを作りながらバックアップをとった。
しかし時間が来て自分とあたしのを作れなかった。 ・・・違う?」
「・・・そうだよ。」
「本物は・・・もう死んで・・・?」
彼は首を縦に振った。
「おれは・・・みんながいつ死んでしまってもいいようにアバターのバックアップをとって・・・それは姉ちゃんが希望更正プログラムを使って江ノ島盾子の人格を写そうとしてたのはわかった時からしていた。」
「時間、足りなかったのね。 宵斗ってば本当にお人好し。
そこがすっごいかわいいんだけどね!!」
「はいはい。 で、姉ちゃんは・・・本物がいないから死のうとしてんだろ?」
「うん、宵斗のいない世界は何もない世界だから。」
宵斗に抱きつき俺達を見る。
この姉弟は・・・死ぬ気なのだ。 ここで。
「あたしのアバターがいなくなれば現実でも死ぬ。 宵斗ももう久地先に殺されているから死んでる。」
「・・・生き変えさせることは?」
「あんた、このプログラム組める? 春風なら模範すれば行けるけどさ。 ここ出たら無くなるのよ?」
「え・・・。」
「残念、あたし達はここからでれませーん!! じゃあ、サヨナラ。」
彼女はあのスイッチを持った。
「うぷぷ。 宵斗も押す?」
「いやいいよ。 姉ちゃんが押しなよ。」
「今ならわかる、盾子様の気持ちが。 絶望・・・あぁ、絶望!!
これが死ぬ絶望・・・!!」
「・・・みんな、ばいばい。」
彼女はボタンを押した。
『アマウタ キョウダイ が クロ に きまりました。 オシオキを かいしします。』
今までとは違うのは「GAME CLEAR」と書かれているのと、彼らはモノクマに引っ張られないで自らオシオキの場へと向かったことだ。
俺は何も考えず二人の元へ走って手を伸ばしたが、雨唄宵斗に押しのけられてしまい、尻餅をついてしまった。
「脱出パスワードは、『HOOP』。」
彼はそうぼそりと言って姉と共にオシオキ場へと行ってしまった。