二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.33 )
- 日時: 2014/02/11 13:33
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』
「・・・・」
むくりと起き上がる。
忘れたくても忘れられない・・・早く忘れたくてすぐに寝たのに・・・脳裏にうっすらと・・・いや、新鮮に残っている。
城ヶ根君の変わり果てた姿。
その城ヶ根君を殺した桜雪さんの末路。
それを見て精神が削られない方がおかしい。
もっとも・・・無事な人は約2名いたが・・・。
考えていても気が重くなるだけだ。一時的に忘れるためモノモノマシーンに手を伸ばした。
「・・・あれ?」
前見たより枚数が多くなってる・・・?
まぁいっか・・・。
そう思って回し口を回す。
出てきたのは・・・栗らしき物となんか女性向けの雑誌。
栗らしき物はどこに使う要素があるのだろう。
雑誌は「あんぁんぁあん」って奴でお菓子・・・特にケーキの作り方がたくさん載っていた。
とりあえずその二つをポケットにしまい、外へ出た。
「・・・よっ・・・」
食堂に着くとみんないた。 ・・・城ヶ根君と桜雪さんは当然いない。
でも雨唄君とアルフレッドはいない。
暗い雰囲気が周りを包む。
「・・・みんな参ってるのよ。 いつもと変わらないのは星鎖希だけ。」
湖川さんが指を指す人物に目を向けると星鎖希君がいつも通りの無表情で用意してある食事を食べていた。
みんなはちょびっと突くだけなのに。
そして昨日、一昨日まで空いていなかった席を見た。
城ヶ根君は良心で彼女達に相談したのか。 いや、絶対に良心で相談をもちかけた。
桜雪さんはただ友達の安否を確かめたかっただけ。でもそれすらモノクマには通用しなかった。 学級裁判の説明を聞いたとき・・・彼女はどんな思いだったのだろう。
彼女は踊りながら、燃えながら最期まで友達の事を想っていた。
そんな思いやりのある二人がいなくなって平気であるはずがない。
「はぁ〜い!! おっはようございまーす!! っておやおや〜?みなさん暗いですねー? 真っ暗闇ですね真っ黒ですねー?」
その真っ暗の雰囲気にした元凶が食堂に現れる。
「・・・なんの・・・ようだ・・・」
「また水上クンはそんな怖い顔するー。 今回はみなさんにビックニュースをお届けしに来たんだよ?」
「ビックニュース?」
「はい。 実はとある柵を一個だけ開けたのですよ!!」
とある柵・・・それはこのフロアを中心に閉じている鍵のかかったところ。
つまりは・・・
「行ける範囲が・・・広がる!?」
「そう言うこと。まぁ探索するかしないかはオマエラに定められていますよ!! まぁそれだけなんだけどね。じゃあ!!」
言うだけ言ってモノクマは食堂のドアから出て行った。
「いい情報が聞けた・・・」
「へ・・・?」
「これで活動するフロアが増える、脱出の糸口が一本でも見つかるかもしれない。 ・・・これは結構いいと思うけど?」
星鎖希君はすらすらと迷い無しにそう言った。
「確かに・・・そうだな。 このままじゃあ二人が恵まれない・・・
よーし!! みんなそのフロア探索するぞー!!」
そう高らかに指揮をする湖川さんにはあの頼りがいのある表情が戻っていた。
その表情をみて元気が沸いたのかみんな揃って「オー!!」と叫んだ。
ただ一人、星鎖希君だけはその団体に参加しなかった。
みんな元気をもらったのか前と同じペースでご飯を食べた。
「みんな来たね?」
そういってみんなを見る湖川さん。
アルフレッドだけは接待に嫌だとか言ってきてないが・・・
「じゃあ、チーム分けね。・・・って今回も一人・・・」
「ボク一人で行く・・・。」
「おれも・・・」
「雨唄−・・・僕といこー・・・」
星鎖希君が一人でさっさと立ち去っていく所を後を追うようにそう宣言しようとしたが深海君により強制的にチームに加わることになった。
「これで平等に別れることができるね! じゃあ自由に組んじゃって。」
「翼っ湖川っまた一緒に組もう!!」
そう湖川さんが指揮をした瞬間風空君は俺と湖川さんの腕を掴んだ。
「鈴兎ちゃーん!! 組みませんかー!?」
「・・・別に構わないけど?」
「わ・・・私もお願いします・・・!!」
もう一組が決まり、
「紅杏−・・・お前もどうだー・・・?」
「私なんかでよければお願いしますね。」
「・・・・。」
雨唄君はかなり機嫌が悪そうだがこれでまた決まった。
「残りで組もうか。」
「賛成!!」
「アタシも賛成ー!」
最後の所も決まった。
「うし、じゃあ各チームはなるべく多くの情報を集めること。そいじゃあ解散!!」
そう湖川さんが指揮をし、みんなチームごとにバラバラになりどこかへといった。
「よし、俺らも行くよ」
「おっけー!!」
「風空君の視力、頼りにしてるぞ。」
そして俺達も歩をすすめた。
「・・・ここランドリーに繋がってない?」
「あっ・・・いわれてみれば確かに。」
「ここの高い柵超えられたら柵開く前にここに来れたのかな・・・」
「そんな事したらエキサイキンなオシオキだよ!!」
ぬっとモノクマは足下に現れた。
「のわあぁぁぁぁぁ!!」
「水上君、お化けっぽいけどお化けじゃないから。」
「まったくもう・・・その手のもの嫌いだからって足下から出てきたぐらいで驚かないでちょうだい?」
「・・・。」
風空君は笑いを堪えている。 後でデコピンでもかましておこう。
「いーい? 例え人類最強でもこの柵を越えたらベシバシと容赦なくオシオキ食らわすから!! わかった? わかったらとっととお化け嫌い直しておいで!!」
最後に理不尽なことをいわれて去っていった。
「・・・あっちいこうか。」
「そうだね。」
「・・・」
泣いていいだろうか。
そう思いながら反対方向へと足を進めた。
そして今見ている建物に湖川さんは興奮していた。
「お・・・温泉!! 温泉だよ!!」
「・・・温泉好きなのか?」
「広い風呂好きでさ−・・・たまんないよ!!」
「そ・・・うなんだね。」
あの風空君でさえもこの湖川さんのノリは引いてしまったようだ。
「あっ・・・水上達・・・。」
「すごいよっここ!! トレーニングルームもあるし!!」
「本当!? それ詳しく!!」
中から出てきた久地先さん、一色さん、東野さんと出会い、風空君はトレーニングルームの存在を知ると湖川さんと同じくらい興奮した。
「っと・・・喜んでてもあれだね。一旦戻ろう。 一色さん達も一緒に行こう。」
湖川さんがそう言うとみんな返事をして集まる場所へ行った。
- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.34 )
- 日時: 2014/02/12 21:34
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
「あっ帰って来た−・・・」
「おかえりなさい。」
「・・・」
雨唄君は本当に早く一人になりたいようだ。
「遅いぞー!」
「雪柳さんと暁さん凄くテンションが凄くて・・・」
「なにそれどういう意味よ!!」
春風君は二人のテンションについて行けなくてクタクタのようだ。
「・・・・」
星鎖希君は何か紙を持っている。 地図かなにかだろうか。
「さてさて、とりあえず報告だよ!!」
「はーいはい!! アタシのところね、お土産屋さん見つけたよー!!」
「色々あったね。 何故か山に関係無い『殺人鬼の特集』があったし・・・」
「えっいつの間にそんなの見つけたの・・・」
「本好きでね・・・雑誌のところとかずっと見てたらさ、偶然。」
そう言ってポケットから小さい文庫らしきものを取り出した。
『大人気!! 〜殺人鬼特集〜 5月号』とタイトルに書かれていた。
「面白そうだからつい持ってきちゃったよ。 『ジェノサイダー翔』もかなり有名だけどやっぱり堂々と一面飾ってるのは『イズモ』だね。」
「イズモ・・・?」
「あぁ、なんでもナイフ一本で世界中の殺人鬼殺しまくってるらしいよ。 無傷でやってみたところ、連続で5人辺りだってさ。」
なんでそんな恐ろしいのがいるんだ・・・!?
「そうなるとさ、魅琴ちゃんより強いね。 魅琴ちゃんなぎ倒す事はするけど殺さないし」
「私は無駄な殺生、殺傷はしたくないの!! あっちが口喧嘩に後押しできなくてやってくるんだから仕方ないでしょ?」
「その前にどうして不良達がいる所に入ろうと思ったの。」
「そこは内緒で。」
湖川さんは人差し指を口に当ててくすりと笑った。
何故だろう、すごく怖いオーラが出ている気がする。
「次は僕達の所−・・・コンビニ見つけた−・・・」
「コ・・・コンビニ!?」
「何故か刃物とかありましたけどね。 でもゴムはありますよ。なので切れたときには補充できて便利ですね。」
「ジュース類はたくさんあったのにお茶とかは全部食堂・・・。 中々めんどくさいね。」
「・・・ケーキは?」
「ありませんでした。」
「・・・。」
星鎖希君は大好物の存在がなくてショックのようだ・・・。
「わ・・・私達の所は温泉がありました・・・」
「しかも露天風呂っ!! すごくいいよねっ!!」
「トレーニングルームもあったから・・・運動したいときにおすすめね・・・。」
「みんなと合流しただけで・・・私達は特に見つからなかったよ・・・。」
「そこら辺はあれなんだよね・・・はぁ。」
俺達のところはランドリーと繋がっているところがあった。それだけなのだ。
しかも柵で塞がれているので近道もできない。いい情報とは言い難い。
「・・・これここの地図。」
星鎖希君がスッと差し出したのはここの地図。 しかも拡大されている。
「あの地図よりは見やすいと思う。 しかもご丁寧に中の構図も書いてくれている。」
「本当だ・・・。 コンビニの中・・・というより品揃えも書いてる。」
「きめ細かすぎるだろ・・・。」
という謎の地図を星鎖希君は見つけてきた。
「で・・・報告終わった事だし・・・。」
「ん・・・?どうかしたので?」
「みんなでさ、温泉入らない? 男女別れているし団らんもいいと思うの。」
「温泉か!? 風呂か!? 賛成賛成ー!!」
「アタシも賛成!!」
女子達がわいわいと騒ぐ中、星鎖希君だけはこのフロアから出て行こうと歩を進めていた。
「あっ星鎖希!! どこいくの!?」
「・・・肌・・・見せたくない。」
それだけ言うと彼はスタスタとゲートをくぐり、どこかへ去っていった。
「・・・あいつ・・・女?」
「まっいいじゃん、強制じゃないんだし。 残ったみんなで入っちゃお。」
「いえーい!!」
と、みんなぞろぞろと入っていった。 俺も後を追い、中へ入る。
「広っ・・・ここにもお土産屋さんあるし!!」
「トレーニングルームでかっ!?」
あまりの広さに初めて入る人達は驚愕な反応をしている。
正面をみるとよく見る、男、女、とのれんが掛かっている。もちろんその先は風呂だ。
「んじゃ、男子また後でねー。」
「疲れとってこいよー!」
と女子達と別れ、男子用の脱衣所に向かった。
「・・・思えば雨唄君は戻らないのか?」
「・・・。」
雨唄君が指を指す方には彼の腕にぴったりとくっついている深海君がいた。 かなり懐かれたようだ。
そんなこんなでそそくさと着替えてシャワーを浴びて湯に浸かった。
そこで、何故かうずうずした。
「翼・・・まさか?」
「・・・。」
まぁ・・・覗きたいという奴であり・・・、ばれたら主に湖川さんにタコ殴りにされるという危険な事をやりたいというわけで・・・。
「やってみるー・・・?」
「深海も乗るんだな・・・そういうの。」
「デンジャラスは好きだよ−・・・?」
・・・まさかばれたら危険な人がいるから覗くだけなのか・・・?
「なんかちょうどよく柵の間ちょろっと見えるしさ・・・覗いちゃお?」
「そうだな・・・!!」
「頑張ってばれないように頑張ろうー・・・!」
と、こそこそと変な同盟を抱き、柵の間から覗いた。
・・・楽園が見えた。
「おー・・・意外に・・・。」
「男の所だけじゃ見られない・・・すばらしさがここにある・・・!!」
「タオル巻いてなかったらよかったのにー・・・。」
「いや・・・それでも綺麗なラインが・・・!!」
「君たち・・・何しているのかな?」
「何ってのぞ・・・・はい?」
後ろを振り返ると春風君がとてつもない黒いオーラを出してニッコリと笑っている。
「・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・。」
「ちょっと来ようか。」
岩に腰を掛けている雨唄君が呆れてため息をついている気がした。
「あーっスッキリしたーっと。 ・・・春風?なんで後ろの三人怯えてるの?」
「うーん?ちょっと色々あっちゃってね。 少し落ち着けって言ってたんだ。」
「ふーん・・・。」
俺達は誓った。
春風君を怒らせたら色々世界が終わるから怒らせないと。
後は各自バンガローに戻り、アナウンスを聞いて眠りにつく。
こうして一日が終わった。