二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.39 )
日時: 2014/02/15 11:41
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』

もう朝か・・・。
10時前に寝たのか妙にスッキリした目覚めだ。
今日はモノモノマシーンをやる気分ではないのでのんびりと時間を過ごそう。
そう思い、どっかから持ってきた冷蔵庫から缶ジュースを出して飲む。
今日・・・何か起きそうだな・・・。
そう、思いたくもないことを思って。



時間たっぷりに外へ出たためかなりゆっくりと歩いても十分に間に合った。

「あっれ、珍しいね。 おはよー。」
「翼・・・!!? どうしたの熱でもあるの!!??」
「おはよう、湖川さん、風空君。 言っておくけど俺は至って健康だぞ?」

風空君はいつも直球だな・・・。 嘘なんかつけなさそうだ。

「ねーねー・・・、昨日のあれどう思う・・・?」
「あぁ・・・恥ずかしい思い出とかだろ? 俺は特に気にしてないけどね。」
「・・・思い出しちゃった・・・」

昨日寝てやっと忘れたあれをまた思い出してしまった。
顔を手で覆い、多分赤くなってる顔を隠す。

「恥ずかしい思い出だったんだな・・・。」
「ど・・・どんまいだよ!! 僕のより多分マシだって!!」
「・・・。」

励ましてくれているのだろうが俺はそこを気にしてないのだ。
気にしているのはモノクマが始終この事を言うか言わないかだ。
技名とか叫ばれたら・・・死んでしまう自信がある。


気づくとアルフレッド以外のみんなが来ていた。
つまりはもう時間、と言う事だ。 湖川さんがいつも通りに朝食会開始の合図を出し、みんな出された朝食を食べる。
そんな楽しい事をしていると、自然に忘れ去っていった。


バンガローに戻ってのんびりしているともう昼に差し掛かっていた。
暇つぶしはできないかな、と外へ出てコンビニへ向かう。
その移動中の時であった。

「・・・あれ?」

久地先さんが何かバックを持ってどこかへ去っていくのが見えた。
何か調達してきたのだろうか・・・と思い、特に気にはしなかった。
コンビニに入って本類を見る。 最初に春風君が見せてきた殺人鬼特集がまだ大量にあった。 そんなに売れてないのだろうか。
その本を手に取りページを開く。 開いたページは偶然にも春風君が言っていた『イズモ』のページだった。
イズモは殺人鬼のみを殺す殺人鬼。 あの10日の火曜日に催した殺人鬼をいとも簡単に殺して地元の人々を救った・・・なんて話も載っていた。
一番興味深かったのはイズモは正々堂々を好むというのだ。
傷だらけになっても殺し甲斐があれば殺さなきゃ気が済まない。という不思議な思考をしているというのだ。
そのページの写真を見るとどれも正面を刺されている写真ばかりだった。

「おーい!! 翼ー!!」
「・・・なぁ!!?」

驚いて本を上空に放りだしてしまい、それを風空君にキャッチしてもらった。

「まったくもう・・・ビビリなんだから。 ・・・殺人鬼特集・・・?」
「春風君がここ探索したときに持ってきてただろ? 気になって見てたんだよ。」
「ふーん・・・。 あっねぇねぇ、一緒に運動しない!? トレーニングルームでさ!」
「お・・・お手柔らかにな・・・?」
「もっちろん!!」

そう言って飲み物がある所へ行ってスポーツドリンクを5本もって来た。

「はやくいこ!!」

そう言って駆け出して行ったのを追いかけて温泉に入った。
入った・・・まではよかった。 少し遠くにある長いすに布が覆い被さっていたのだ。

「・・・なにこれ。 こんなのあったっけ?」
「いや・・・なかった。」

あの時と同じ・・・城ヶ根君が殺された日に感じた嫌な予感がした。
生唾を飲み、布を掴んだ。 そして・・・思い切り、そんな事がありませんように、と願いながら・・・布を取った・・・。

「な・・・・な・・・・」
「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!??」

風空君が持っていたドリンクを落としながら、俺は布を落としながら見ていたその先には・・・


今まで素顔を明かさなかった雨唄君が・・・目を見開いて死んでいた・・・。


「ちょ・・・ちょ・・・!!?」
「う・・そ・・・だろ?」

アナウンスがならない・・・つまりこの事は誰にも・・・俺達以外には誰にもわからない。

「僕誰か呼んでくる・・・!!」

風空君が自慢の早足で出ていった。
俺はその答えを返せずただ単に・・・雨唄君の死体を見ていた。


「早くっ!! 早くっ!!」
「いた・・・いたた・・・やめろっいたい!!」

風空君と星鎖希君の声が聞こえてきた。

「いたいってば・・・何が・・・。」

星鎖希君がここに来て死体を見た。 なんとなく察したような、納得したような表情を浮かべた。

ピーンポーンパーポーン....
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後学級裁判を行います!!』

あの・・・あの忌々しいアナウンスが聞こえた。
それでも俺はまたいなくなった仲間の死に・・・ぼんやりと立っているしかなかった。

「ここか・・・? って雨唄!!? 何があったの!?」
「ひえぇぇぇ!? 雨唄さ・・・!!?」

次々と人が来た。
その中で・・・深海君だけはみんなとは比べものにならないくらいの表情を浮かべていた・・・。

「あまうた・・・? 嘘・・・だよね? ねぇ・・・」

あれだけ懐いていたのだ・・・こうなるのもしかたがないのかも知れない・・・。
今はただ・・・その様子を見るしかなかった・・・。