二次創作小説(映像)※倉庫ログ

chapter3 絶望ってなんて読めますか? ( No.55 )
日時: 2014/02/18 17:43
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

『我は天界から舞い降りし・・・駄目だな・・・田中先輩には叶わないかな・・・。』

・・・これは夢?

『まぁ眼蛇夢はその手に関しては学校一ですからね。』

・・・だれ?

『俺も早くあんな風にかっこよくなりたいな・・・!!』
『将来恥ずかしくなるだけですよ? それでもいいなら止めませんけどね・・・。』

紫色のロングヘアーの女の子、そして話しているのは・・・中学時代の俺。
・・・君は・・・



キーンコーンカーンコーン...
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』

ハッと目を覚まして勢いよく飛び起きる。
夢で見たのは確実に中学時代の俺だった。そして話していたのは田中先輩とよく話していた人・・・。 ・・・確か神谷春子さんという人・・・だがどうしても日々を思い出せずにいた。

「・・・・。」

ぼんやりとベットから降りずにいた。 時間ばかり過ぎていき夢を忘れてしまっていくせいか顔すら思い出せなくなっていた。
数十分経っても・・・その顔が思い出せない、どんな日々を過ごしたのか・・・わからない。

「・・・考えていても仕方ないな・・・。」

もうすぐで走らないと間に合わない時間だったので急いで外に出た。




「おいっす。 今日は少し遅めね。」
「また寝坊なの?」
「違う違う、ちょっと懐かしい夢見てて・・・。」
「へ? 水上君も?」
「・・・湖川さんもか?」

意外、という顔でこちらを見た湖川さんはその問いに答えるように頷いた。

「どんな夢!? 聞かせて聞かせて!!」
「私の小さい頃の夢よ。 私・・・昔近所に好きな人がいてね・・・、まぁ初恋?ってやつかな。」
「へえ・・・名前覚えていないのか?」
「覚えてるわよ。 ・・・『苗木 誠』って言うの。」
「苗木・・・?」
「うん、パーカーがよく似合う男の子で・・・私、家の事情で引っ越してそれで離ればなれになっちゃって・・・。」
「今でも想ってるの!?」
「それはわからないや・・・。 でも今でも慕ってるっていうのはわかる。 会いたいって思ってるし。 それに・・・。」

ちらっとこっちを見ると彼女はくすりと笑った。

「・・・なんだ? なんか付いてるか?」
「ううん、別に。」
「そうだっ翼!! お前の夢も教えてくれよ!!」
「俺の・・・? 俺は中学の頃の夢で・・・」

俺は途切れ途切れの夢の内容を話した。
顔を忘れてしまった女の子。 でも名前は覚えている。
あこがれの先輩。 でもその夢には現れなかった。

ただ単にそんなことを話した。

「へー・・・。」
「不思議ね。 みんな昔の夢を見ていたんだもの。」
「風空君は何か見たかい?」
「僕はねー・・・水泳部でかなりの記録を出した先輩の夢見たよ。」
「どんな人?」
「すっごい元気で・・・ドーナッツが好きで・・・後部活を掛け持ちしてたんだよ!! で、陸上部にも入っていて大会の時にあって・・・そうそう、その時によく話していたんだ。」

懐かしいなーと言って彼は感傷に浸った。

「・・・何の話?」
「あっ星鎖希。 今ね夢の話しているんだ。 星鎖希は何か見た?」
「・・・ボクはギャンブルで荒稼ぎした夢見た・・・。」
「どんな夢だよ!?」
「・・・いや昔の話。 セレスって奴とシオンって奴だっけ・・・そいつらと戦った夢見た。」
「超高校級のギャンブラーとディーラーじゃん・・・。 どんだけ強いのあんた。」
「運がない奴から搾り取る金はおいしい・・・。」
「おいおいおい。」

そもそもなんでギャンブルに浸っていたのか謎である。
みんながその後ぞろぞろと来たのでみんなに夢は見たかと聞くと全員首を横に振った。
そしていつも通り会話をして俺達は朝食を食べる。
今回はモノクマのあのアナウンスは全然なかった。

バンガローに戻り一欠伸して時計を見る。

「・・・時間まだまだあるな。」

外へ出て散歩をする。
自然の空気を吸って散歩するというのは中々いいものだ。
するとアルフレッドがいた。 何をしているのか不思議だったので彼に話しかけてみた。

「アルフレッド・・・何してるんだ?」
「見ればわかるだろう。」

わかんないから聞いてるのに・・・。
ちなみに俺はアルフレッドと長ったらしい名前で呼んでいるのはアルフと略称で呼ぶと怒られるというのがあるからだ。
まぁみんな略称で呼んでるが俺はこれで慣れてしまったためもうこのまま通すことにした。

「なぁ、よかったら一緒に散歩しないか?」
「お前とか・・・? 君みたいな平民と過ごすならそこら辺の野良犬と過ごすよ。」
「・・・あ、あぁ・・・そっか。」

くるりと右回りをして去った。
ちなみに答えはわかっていたが改めて言われるとかえって傷つく。

ぼんやりと歩くと深海君がいた。

「あ・・・水上−・・・。」
「よお、何してるんだ?」
「森林見てるの−・・・一緒に見るー・・・?」
「おぉ、じゃあ一緒させてもらうよ。」

俺達は森林を見ながら話をした。

「何で深海君は自然が好きなんだ?」
「僕の地元ねー・・・自然いっぱいなのー・・・。」
「へえ、じゃあ茶畑とかあるのも納得いくな。」
「えへへ・・・そうでしょー・・・?」
「あっ・・・そうだこれいるか?」

取り出して渡したのは『無限タンポポ』だった。

「いいのー・・・? ありがとー・・・!」

子供のように嬉しそうにして受け取ってくれた。

「深海君はなんで案内人・・・もといガイドになったんだ?」
「僕の地元ねー・・・いわゆる『田舎』だから・・・。」
「田舎・・・?」
「うん・・・だから有名にして田舎もいいんだぞー・・・!! って感じで広めたら次第に・・・。」
「そ・・・そうなのか。」

不思議な事情でなったんだな・・・。

深海君と少し話をして俺はバンガローへと戻った。

chapter3 絶望ってなんて読めますか? ( No.56 )
日時: 2014/02/18 18:01
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

バンガローに戻ってジュースを飲む。
そろそろ溜まってるこのペットボトル類をどうにかしないといけないな・・・。
後でゴミ袋を貰ってこようと思い外へ出た。

「あっれー水上君じゃないですかー。」

扉を開けると東野さんがその音に振り向いたのかこっちを向いていた。

「お暇で? よかったらご一緒しません?」
「俺でいいなら・・・別に・・・。」
「本当ですか!? 私嬉しいですよ!!」

と、俺の手を掴み走り出した。
ただ単に走っているだけなので体力がかなり消耗した。
東野さんも息切れはしているがそこまで疲れてはいなかった。

「ありゃりゃ・・・こりゃ大変。」
「・・・。」
「少しは体力増やしなさい!! まったく・・・。」
「それに賛同・・・するよ・・・。」

ビシッと指を指されてそう指摘されたため賛成、賛同するしかなかった。

「東野さんってどうして新聞記者に・・・?」
「私、いいニュースをばらまきたいとすっごく思っていまして・・・ほら、世の中のニュースは悪いことばかりではありませんか。」
「まぁ・・・交通事故とか行明不明とかあるな・・・。」
「そう!! なので私はみんな楽しめて、それでいて興味を持ってくれる・・・そんな新聞が作りたかったんです!! その夢が叶った以上、私はそれを維持し続けます!!」
「おぉ・・・!! 頑張れよ。」

腰に手を当てて仁王立ちする姿はとても彼女らしかった。

「あっ・・・これいるか?」

そう言って取り出したのは『キルリアンカメラ』だった。

「くれるので・・・? 本当にくれるので・・・? サンクスありがとうですよ!! ひゃー・・・こんなにいい物と出会えるのは何時以来でしょう・・・!!」

彼女は貰った瞬間異様なテンションで興奮していた。

「東野さんは何でいつも敬語なんだ?」
「はいな? あぁ、これはいつもの癖ですよ。 言うならばよくお客様とかにインタビューするのでそれで板に付いた喋り方と言いますか・・・。」
「平たくというかまったくそのままの理由だな。」
「えへへ・・・でもこんな砕いた敬語使うのは同級生か後輩ですからね!? さすがに目上の人に使ったら殴られます!!」
「当たり前だろ!?」

そんな異様なテンションの東野さんにツッコミを入れながら話をして帰った。

バンガローへ戻って夢の内容を思い出してみる。
・・・しかし、全然思い出せなかった。
しかも内容全て。
さすがに出てきた女の子の名前までは覚えているものの、内容丸ごと忘れるのはどうかと思う。

「・・・早く寝たらもう一度見れるかな・・・?」

そう思いアナウンスが鳴る前に寝る。
瞼を閉じて夢を見るのを心待ちにしながら。

だが・・・夢は見れなかった。