二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter3 絶望ってなんて読めますか? 非日常 ( No.58 )
- 日時: 2014/02/19 21:06
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
「どうしたの!!?」
「こ・・・湖川さ・・・手引っ張らないで・・・!!」
春風君と湖川さんが紅杏さんの叫びに気づいたのかこちらへ駆け寄ってくる。
「・・・一色さんと・・・東野さんが・・・。」
「えっ・・・!? えっ・・・ちょっと嘘だよね・・・?」
「・・・また起こったの・・・!?」
ピーンポーンパーンポーン...
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後学級裁判を行います!!』
嫌になってしまった・・・。
また・・・また・・・仲間が・・・死んでいってしまったのだ・・・。
「なんだ騒々しい。」
後ろの方から声がした。
そこには扉を開けて様子を伺っているアルフレッドがいた。
「・・・見ての通りよ。」
湖川さんが二人の死体を見る。
その様子をアルフレッドはただじっと見つめ、数秒後ふっと笑った。
「・・・・え?」
思わずこんな声を上げてしまった。
・・・だって・・・人が・・・仲間が・・・同級生が死んだのに笑ったんだぞ・・・?
「・・・あんた・・・笑った?」
「ふっ・・・だって・・・不良は言っただろう?『もうこれ以上殺し合いは起こさせない』と。 結局起きたじゃないか。」
「・・・・っ!!」
彼女は顔を俯かせた後一部の髪をしばっている水色のゴムに触れた。
「・・・やっぱり・・・無理なのかな・・・。 あの子みたいに優しくはなれないのかな・・・。」
そう泣きそうな声で笑っていた。
「・・・湖川さん・・・。」
「アルフ、言い過ぎじゃないか?」
「そうです!! さすがにこれは酷いですよ!!」
「平民共が傷つこうが痛み分けしようが大貧民が野を這いずり回っていようがぼくには関係無いね。」
「・・・なに? この状況。」
声がした方を向くと雪柳さんがそんなぼけた声で発言していた。
しかもその後ろには残りのみんなが目を見開いてやり取りを見ていた。
「平民共が傷の擦り付けをしている。 以上。」
「とかなんとか言って本当はアルフがなんか言ったんじゃないのかー!?」
「・・・はぁ、いいのよ。 あいつの言ったこと本当の事だから。」
顔を上げた湖川さんがそう言うとみんな静まりかえった。
その顔は悲しい表情がなかった。 むしろ、清々しそうなそんな感じ。
「モノクマ、いるんでしょ? 出てきなさい!!」
「はいはーい!!出るタイミングなくなっちゃったよー!!」
と、バンガローの屋根から声がしたのでその方角を見る。
そこにはラーメンを呑気にズルズルと啜っているモノクマがいた。
「はぁ、もうその二人がいるだけでドラマが完成しちゃうよ・・・。」
スープをゴクゴクと飲みながらモノクマは飛び降りた。
「んじゃ、いつも通り探索求む!! 以上!! ファイルは渡しておくから頑張ってねー?」
いつも通りリモコンを押してモノクマは退場した。
振動も同時に来たので更新が完了されたらしい。
まず俺はファイルを見た。
被害者:『超高校級の画家』一色千絵 『超高校級の新聞記者』東野文子
死因:一色の胸には包丁が刺さっているため刺殺と思われる。 東野はおそらく毒殺と思われる。
死体発見場所:被害者(一色千絵)のバンガロー
参照:ガムテープでグルグル巻きにされている。
「これだけか・・・。」
「見張りはいつも通り私と星鎖希ね。」
「検死・・・できるのか? 星鎖希・・・。今まで男だったからいいけど・・・。」
「人には興味ない。」
そうズバッと言って二人の遺体を調べ始めた。
「僕達も調べようか。」
「そうだな・・・。」
そう言ってバンガローに入る。
テーブルをふと見ると緑茶とお菓子があった。 緑茶が入っているコップは全部で3つ。
・・・とすると・・・。
「犯人の分も含まれているのかな?」
【緑茶の入ったコップ】緑茶が飲まれた形跡がある。 全部で三つのため犯人もここにいたと思われる。
「・・・っ!? 翼!! この緑茶の中何か入ってるよ!!」
「・・・見えない。」
「本当だって!!」
「それ多分薬品じゃない? 普通の茶葉とかの奴ならまだわかるけど・・・風空、その粉どんな色?」
「透明−・・・かな? どっちも白い。 あと一つだけ無いのがあるよ。」
【緑茶の中に入っている粉】透明か白色の粉。 薬品である可能性が高い。
「・・・検死終了。」
「おぉ、早いな。」
「それほど調べる物が無かった・・・。 一色の包丁、心臓を明確に刺してあるから・・・即死。 口の中見たけど粉があった。」
「・・・粉?」
「東野のも・・・吐血して見えづらかったけど粉があった。 一応取っておく。」
「・・・変な趣味持ってる人みたいよ。あんた。」
【検死結果】一色の包丁は心臓を明確に刺してあり、即死である。
また、一色と東野の口から粉が発見された。
「・・・ねぇ、確かお茶類ってさ食堂の台所にしかないのよね?」
「あぁ、そういえば!!」
「そうとなれば行くしかないな・・・!!」
そう決意してバンガローへ出た。
すると、とある事を思いだした。
誰か・・・緑茶を淹れていたような・・・。
しかし誰かがどうしても思い出せないため今は出来ることをする。
【緑茶を淹れている誰か】誰かが緑茶を淹れていたという記憶の片隅。
食堂の台所に着き、色々探索した。
「・・・これ中途半端というか・・・入れる場所違うよね?」
「確かに。緑茶はちょっと高いけど下から3番目の棚に入れるんだよね。」
「この缶・・・どう見ても緑茶のやつなのに・・・どうして紅茶類の棚に入れてあるんだ・・・?」
「一番下の棚だよね紅茶類の入ってるのは・・・。」
【缶の入れてある場所】緑茶類の棚は下から三段目だが、何故か一番下の紅茶類を入れるところに入っていた。
「ガムテープってどこから調達したんだろ?」
「コンビニ・・・だったと思う。 確かあった。」
「・・・最後に入ったの何時だ。」
「一昨日だよ!!」
「記憶力もすごいな風空君・・・。」
そう言いながら俺達はコンビニへと向かった。
- chapter3 絶望ってなんて読めますか? 非日常 ( No.59 )
- 日時: 2014/02/20 17:19
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
俺達はコンビニへ着くとガムテープのあるところへ行った。
「やっぱりここから取って行ったのかな・・・?」
「不自然に・・・っていうのないからわからないな・・・。」
そしてふと隣の棚に目を向けた。
そこには薬品がずらりと並んでいた。
「・・・このコンビニってなんだよ・・・。」
「・・・もう一種の便利屋だね・・・。」
そういいながら棚を調べる。
「あれ、水上君と風空君じゃないか。 君たちもこの薬が怪しいとふんだのかい?」
「春風・・・。 ううん、薬品を見つけたのは今日が初めてだから・・・。」
「前からあったのか?」
「そうだよ。 ただ目に付かないところにあるせいで見つけれなかったんだね・・・。」
そういいながらじーっと薬品を見る。
「・・・なんだろ・・・?」
風空君がそう言いながら手に取ったのは箱。 よく瓶に詰められている薬などを入れてある普通の小さい箱だった。
ただ、風空君はその箱に書かれてある名前を見て手に取ったようだ。
「・・・『反応液』・・・?」
説明の部分を見てみた。
『この薬品はベンゾジアゼピンや水銀などの人に何か影響のある薬に反応する物です。 誤飲してしまうと数分で死に至る可能性があるため注意しましょう。』
なんでそんな物がここに並んでるんだよ!?
「使えそう・・・だね。」
「そうだね。 俺はちょっと見たい場所があるから二人はそれを使って何か調べて見てくれ。 じゃあ。」
そう言うと春風君はコンビニをそそくさと出ていってしまった。
「・・・これをどう使えって・・・?」
「・・・これ粉でも水とかに溶かせば反応するんじゃないか・・・?」
「それだ!! 翼、戻ろう!!」
そう言って俺の手を掴んで走り出した。
もちろんバテた。
「おかえりー。 水上君は息切れご苦労様。」
「・・・何か見つかった?」
見張り役の二人が出迎えてくれた。
「見てみて!! これ見つけたんだよ!!」
「・・・反応液・・・? 風空、借りるよ。」
星鎖希君は風空君が持っている箱を奪うと中から瓶とミニスポイトを取り出した。
「何するの?」
「・・・予想があってればどっちが睡眠薬かがわかるはず・・・。」
そう言って瓶の蓋を開けて二つのお茶の入ったコップに液を垂らした。
すると片方は青、もう片方は紫へとその色を変えた。
「・・・わぁ、毒々しい色・・・。」
「こ・・・これで何がわかるの!?」
「・・・説明書によると青はベンゾジアゼピンに反応するらしい。」
「さっきから思ってたんだが・・・そのベンゾジアゼピンって何だ・・・?」
「・・・ベンゾジアゼピンって言うのは中枢神経の信号の流れを抑制することによって、不安や興奮などを抑制する働きを持つ物質・・・。
いわゆる睡眠薬に含まれる物・・・。」
「・・・・・・・??」
睡眠薬に含まれるというのはわかったが前半の説明が全然頭に入らない。
「・・・だから青になったお茶は睡眠薬入り。 よってこのお茶を飲んだ一色は眠ってしまいその隙に犯人は殺した・・・と考えられる。」
「紫は?」
「・・・有害物質に反応するから・・・毒物。 だから東野はこれを飲んで死んでしまった・・・。」
「はぁ・・・。」
星鎖希君は賢すぎるのかどうかは知らないけど天文以外の知識を詰め込みすぎている。
もう『超高校級の天才』とでも呼んだ方がいいかもしれない。
「しかも毒物に反応したのは数分後・・・。 東野は約数分ぐらいの即効製の物を飲んだんだね・・・。」
「・・・で、星鎖希そう言いながら何してるんだよ・・・。」
「粉物調べ。」
そう言って彼は別のコップに一色さんと東野さんの口から採取したと思われる粉を別々に入れ、薬品に入れた。
結果、片方が青、片方が紫へとなった。
「・・・一色が睡眠薬、東野が毒薬であってる。」
まったくもってよくわからない。 一般人には消化しきれない知識だった。
【反応液】薬品が入ってるお茶に入れたところ、片方が青、片方が紫へと色が変わった。 また、一色が睡眠薬、東野が毒薬が入ったお茶を飲んだらしい。
キーンコーンカーンコーン....
『えー、みんなが早い早い言うのでちょっとばかし遅くしてみました。 だからとっととこいやぁぁぁぁ!! 以上です。』
・・・気が短いのだろうか。
「そろそろ時間・・・ね。 行こうか。」
「・・・そうだね。」
「ボクは先に行っている・・・。」
そうスタスタと広場へと早歩きで星鎖希君は去っていった。
「俺らも行くか・・・。」
湖川さんもバンガローを出て広場へと向かった。
俺達もその後を追って広場へと向かう。
俺達が着くとみんな既に集まっていた。
「遅いよ君たち。」
「だーかーらあんたは黙ってろ!!」
「うん、二人共黙ろうか。」
春風君がそう言ってくれたためドラマチックな喧嘩は起こらなかった。
「えー、春風クンとめちゃ駄目だよー。 ドラマまた見れると思ったのにー。」
モノクマが教壇からひょこっと出てきた。
「では、時間押してるから行っちゃいますよー。」
そう言ってリモコンを押した。
ゴゴゴ...
地鳴りがする。 あの最悪の地鳴りが。
ゴゴゴゴ...
地鳴りが強くなるとモノクマのあの岩が出てきた。
同じように口からエスカレーターを出した。
「はいはい、乗っちゃってくださいねー?」
同じように言われるがまま俺達は乗った。
着いた裁判所はやはり内装が違った。
今回のは海の底にいるかのような感覚だった。マリンスノーもきめ細やかに再現されている。
「では、同じように席に着いてくださいねー。」
自分の席に着き、増えてしまった遺影を見る。
久地先さんと一色さん、そして東野さんの遺影が増えていた。
増やしたくはなかった・・・忌々しい写真。
一色さんはすごくオドオドしてるけど・・・凄くいい人だった。
東野さんは一色さんと反対で凄く明るくて・・・いわゆるムードメーカーのような存在だった。
そんな二人を・・・殺した人がここにいる・・・。
命がけの裁判。
命がけの騙し合い・・・。
それが今始まる。
コトダマ一覧。
【モノクマファイル】
【緑茶の入ったコップ】
【緑茶の中に入っている粉】
【検死結果】
【緑茶を淹れている誰か】
【缶の入れてある場所】
【反応液】