二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter4 希望の羅針盤よ!!我らを導け!! ( No.81 )
- 日時: 2014/03/01 12:39
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
「えー、議論の結果が出たみたいですね。では、投票タイムに入りますよ。
オマエラ、お手元のスイッチを押して投票してください。
さてっ今回クロとなるのはだれか!? それは正解なのか不正解なのかー!!?」
仲間がもう一人減るぞという合図のスロット。
ほとんどの人の顔が灰色に塗りたくられている。
動きは遅くなり・・・寒色がほとんどの星鎖希君の顔で止まる。
ファンファーレが鳴り・・・紙吹雪が舞う。
その表現は・・・俺達の肩を、心を重くさせていった。
「だっいせいかーい!!! 今回暁さんを殺したのはー・・・星鎖希仔夜クンでしたぁぁぁぁ!!」
「ひどい・・・こんなの・・・あんまりだよ!!」
「アルフ・・・てめぇなんでこんな事・・・!!」
アルフレッドはクスクスと笑うと口を開いた。
「モノクマは言ったんだ。 人を殺せと。 しかしぼくなんかが平民のために手を汚すのは勘弁・・・。しかし君たちはこれまでにミスを一度もしていない・・・。 だからああしたのさ。」
「・・・一言でいいな。」
「簡単に言えば・・・私利私欲だな。」
そうニヤリと笑った。
あまりにも酷い内容に・・・拳を握ってしまう。
「・・・お前本当に人間か・・・?」
「あぁ、人間だね。 言葉をしゃべる人間。」
「私利私欲のために人に殺人を擦り付けるような奴・・・人間じゃねぇ!! 今ここで殺してやる!!」
湖川さんはバールをもってアルフレッドへと襲いかかった。
「・・・やめな。」
星鎖希君が湖川さんの肩を掴み止めた。
「・・・もう済んでしまった事なんだ・・・。今更足掻いてもしかたがない。」
「あんた・・・これから死ぬのよ? 怖く・・・ないの?」
「・・・どうだろう。 少なくとも・・・。」
そう言うと星鎖希君はパーカーを脱いだ。
半袖のワイシャツで・・・彼にとっては肌を晒すのは勘弁だと言っていた。
・・・その理由がわかった。
「・・・こんな風になるよりはマシだろ?」
両腕には・・・無数の切り傷、痣、火傷の痕があった。
改めてみてしまうと・・・・酷い。
「・・・あるところに・・・小さな男の子がいました。」
モノクマが・・・おとぎ話のような物を語る。
「男の子は無邪気で明るくて人懐っこい性格でした。
友達も多く、端から見るととても幸せそうな子だと思われる程でした。
しかし・・・小学生に入る辺りから・・・両親から暴力を振るわれるようになったのです。
殴る、蹴るは当たり前。 ある時は火傷を負わせ、ある時は溺死させかけられ。 ある時は包丁で腕に切り傷を付けてました。
そんな傷を見られたくないがために彼はどんなに暑いときでも長袖を着ていました。 しかしそれが返って目立ってしまい、周りは気味悪がって近くに寄ろうとはしませんでした。
小4ぐらいから・・・本格的な虐めを受けるようになりました。
机に落書き、元々運動が嫌いな彼を蔑み笑い、問題の答えを間違えると笑われてしまう。刃物を投げられた事だってありました。」
それは・・・本当に・・・現実であったかのような物だった。
「彼はそのまま、親に暴力を振るわれながら、いじめを受けながら中学へと進学しました。 当然虐めも虐待も無くなりません。
耐えきれなくなった彼は親に言いました。 しかしこれぽっちも心配なんかしないで同じように殴ったり蹴ったりしてました。
先生にも言いました。 しかし対処はまったくしません。
彼は次第に人を嫌うようになりました。幸せを忘れました。」
・・・もしかして・・・これは。
「彼は中学3年に上がると今までの鬱憤を晴らすが如く、両親を殺害しました。 それを平然と・・・他人が殺したと思わせるように仕向けました。
彼は親から解放されました。 親戚の人に引き取られましたがそこでも前と同じように暴力の嵐。 彼は家出して前いた家で暮らすようになりました。
以上、星鎖希クンの今までの歩みでした。」
・・・想像していたよりも酷い物だった。
彼はそんな人生を歩んでいたのか。
「・・・同情でもするの?」
「しない・・・でも・・・星鎖希は・・・」
「いいんだよもう・・・。 死ぬからさ。」
その言葉が示す物・・・オシオキの事だ。
「はい、では時間が押してるのでいっちゃいましょうー!!
とんでもない不運の中生まれてしまった『超高校級の天文学者』星鎖希仔夜クンのために・・・スペシャルな!! オシオキを!! 用意しましたー!!」
「・・・水上。」
「・・・なんだ・・・?」
「ボク・・・水上達と・・・少ない間だったけど・・・一緒に過ごせた事・・・すごく幸せだよ!!」
彼は・・・本当の意味で・・・笑った。
初めて目の前で笑った。
『セイサキクン が クロ に きまりました。 オシオキを かいしします。』
彼は俺達に手を振ると首を引っ張られて連れて行かれた。
優しい笑みで俺達をずっと見ていた。