二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter5 繋いだ答えは希望でした。 ( No.89 )
- 日時: 2014/03/07 19:03
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』
・・・何故俺は首なしの奴等に追われた夢を見たのだろう。
寝っ転がったままそう思う。
しかし、問題なのはこんなのではない。
・・・何故俺はベットから落ちて寝ていたんだ。
足はベットにあるけどそれ以外の体は全て床に投げ出されていた。
いくらなんでもこれはない。
とりあえず身を起こして背伸びをする。
落ちた影響で体は痛くなくて安心した。
「さて・・・行くまで暇だな・・・。」
とりあえず暇つぶしにモノモノマシーンでもやる。
出てきたのは『ドライビングビドロ』と『桜の花束』だった。
このドライなんちゃら・・・どうやって使うんだろう。
とりあえず出てきた二つを棚に置いて食堂へと向かった。
「おはようさん。」
「おっはよー!!」
今日も元気な早起き組の二人は手を振って挨拶をする。
「二人共、おはよう。」
俺も手を振って返事を返しながら椅子に座る。
「聞いて聞いて−・・・今日すっごい変な夢見てさ−・・・。」
「変な夢?」
「なんか半壊した町でドンパチやってる夢。 風空はちょっと成長してて・・・星鎖希も背伸びてたなぁ。」
「えっ!!? 僕背伸びてたの!?」
「そうね・・・大体170ぐらいはあったかな。」
「希望が見えたっ!!」
「風空君大げさだな・・・。」
立ち上がってガッチポーズをしている風空君を苦笑いで見つめながら話を聞く。
「それで・・・ここで死んだみんながいたんだけどね・・・。」
「・・・生き残ってるみんなも?」
「うん、全員いたの。 でも・・・知らない人が一人・・・」
「おーい、何話してるのかーい!!?」
雪柳さんが手を振りながらこちらへ来た。
「三人とも早いね・・・。」
「早起き組ですからね。」
春風君と紅杏さんも姿を現した。
「っと・・・もう時間か。 んじゃみんな食べちゃって−。」
そう指揮をとったためご飯を食べる。
食べながら湖川さんに夢の続きを問うと忘れたの一言で切り出されてしまった。
・・・夢って本当に忘れやすいなぁ。
その後、俺はバンガローへ戻った。
「・・・時間あるな。」
暇だな、と思い外へ出た。
そこら辺を歩いていると春風君がひなたぼっこしていた。
「・・・あっ水上君。 ここ暖かいよ。」
「ひなたぼっこ・・・。 俺もいいか?」
「全然。構わないよ。」
春風君の隣に座りぼんやりと日に当たる。
軽く眠たさで意識が飛びかけてしまった。
「・・・これやるよ。」
このままだと完璧に寝てしまうため『ドライビングビドロ』を渡して会話を広げよう・・・。
「あっいいのかい? ありがとう。」
「・・・本当にゲーム好きだな。」
「作る側としてもやる側としてもゲームは好きだよ。ミニアプリのゲームとかよく作るし。」
「と言うことは・・・プログラミングできるって事か?」
「本場の人には負けるけどね・・・基本的な組み立てはできるよ。」
「すげぇ・・・。」
さすがはクリエイター。様々なゲームに手を伸ばしているせいかプログラミングができるとは・・・。
俺は尊敬しながら春風君と話を続けた。
でもプログラムの話がほとんどだったのでちんぷんかんぷんのままバンガローへ戻った。
- chapter5 繋いだ答えは希望でした。 ( No.90 )
- 日時: 2014/03/08 20:18
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
バンガローへ戻る途中、木の陰から誰かと誰かが見えた。
アルフレッドと湖川さんが話をしていた。
湖川さんは一方的に話をしているように見えて、喧嘩腰に話している。
アルフレッドは軽く流しながらあざ笑うようにぽつりぽつりと言葉を言っている。そのたびに湖川さんは今にも殴りかかろうとするぐらいに声を荒げて突っかかっている。
そして視線に気づいた湖川さんはチラッとこちらを向いた。
俺は思わず肩をビクッと跳ねてしまいながら逃げてしまった。
その鋭い目は普段の彼女とは思えないほどもの凄く怖かった。
正に・・・不良だった。
バンガローに戻ってぼんやりと時間を過ごした後時計を見る。
「・・・まだ時間があるな・・・。」
外へ出て散歩をする。
今は夕方という時間なので周りがオレンジ色に染まっている。
たまには黄昏れ時の散歩もいいなと思いながら歩く。
「水上君、やっほー。」
後ろから声がしたので振り向くと湖川さんがいた。
・・・一瞬あの目つきを思い出すが、今はいつもの穏やかな笑みが見えたため怒られることはないなと思い手を振る。
「水上君・・・散歩? 俺もいいかな?」
「いいよ。 一緒に歩こう。」
湖川さんと一緒に歩きながら夕日を見たり話したりした。
「水上君はこの生活どう?」
「・・・どうって?」
「殺人どうのこうの無ければ最高だと思わない? みんなと交流深められて、楽しくて・・・宿泊みたいで・・・。」
「・・・確かにな。」
「・・・もしもこれが全て嘘だったら・・・よかったのになぁ。」
「現実は甘くないんだよな・・・。」
これは現実だ。
夢じゃない、全て現実・・・。
まぁ死人が実は死んでいなかったなんてのが一番いいけどな。
「・・・湖川さん、これいる?」
そう渡したのは『桜の花束』。
「・・・あ、ありがと・・・。」
湖川さんは照れながら受け取ってくれた。
「・・・水上君って、どうして料理できるの?」
「あぁ・・・俺の両親が仕事の都合でよく家抜けてさ・・・。」
「確かお兄さんいるのよね? 何で水上君が?」
「・・・俺の兄ちゃん超が付くほど不器用で・・・。」
「た・・・例えば?」
「折り紙でさ、チューリップ折るだろ? そうしたら何故かすごいぐちゃぐちゃになって来るんだよ。」
「ふ・・・不思議な兄さんだな・・・。」
しかしこんな物ではない。
洗濯物を畳めばもうそのままにした方がマシというものになり、料理を作れば鍋は爆発。
とにかく家庭的なことはやらせないほうがいいのだ。
「と言うことは・・・それで水上君は料理が作れるようになったと。」
「ま・・・まぁな・・・。」
「知ってる? 自炊とかできる家庭的な人ってモテるだって。」
「そ・・・そうなのか?」
「まぁ・・・、私がモテさせないけど。」
「えぇ!!?」
「フフッ、覚悟しなさい。」
覚悟も何も言われても・・・モテさせないとかなんかあれだなぁ。
そろそろ暗くなってきたため、湖川さんと別れてバンガローへ戻った。
キーンコーンカーンコーン....
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。オマエラ、夜10時なので、夜時間となります。 施設の食堂のドアがロックされますので、ご注意ください。 ではではいい夢を。おやすみなさい。』
もうそんな時間か・・・。
学ランをハンガーに掛けてベットへ入る。
今でも思い出す湖川さんのあの目つき。
今まで忘れていたけど・・・湖川さんは『超高校級の不良』。
ただの優しい女の子だけど・・・怖い肩書きを持っているんだ。
・・・明日、何もないといいな。
そんな思いで俺は瞼を閉じる。