二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- chapter5 繋いだ答えは希望でした。 非日常編 ( No.92 )
- 日時: 2014/03/11 16:46
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
思い切り叫んだ後、状況を出来るだけ整理する。
まず、アルフレッドは首を吊って死んでいる。
そして、今この場にいるのは風空君と俺だけ。二人だとアナウンスは鳴らない。
「・・・翼、僕ちょっと・・・みんな呼んでくるよ・・・。」
「お・・・おう。頼んだ。」
風空君はこっちに来るとそう言ってすぐに来た道を引き返した。
俺は持てる力を出してアルフレッドのロープの留め金となっていた釘を頑張って取り、降ろした。
目は見開いていて、瞳孔が開いている。温もりもぬるい程度で人並みの暖かさは感じない。
・・・もう、既に死んでいた。
確かにコイツはあまり人には好かれていなかった。
むしろ、ここまで生き延びたというのが凄いと言うほど。誰かしらの恨みを買ってしまい早めに死んでしまうと誰しもが思っているはずだ・・・。
「・・・まぁ、そんな奴でも人だもんな・・・。」
俺は静かに手を合わせて合掌をした。
「連れてきたよー!!」
「ふ・・・うからく・・・はやっ・・・」
春風君が風空君の俊足の餌食になったようだ。
しかも彼は運動音痴らしく、死にかけている。虫の息という言葉が正しいほど。
ピーンポーンパーンポーン...
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後学級裁判を行います!!』
アナウンスが鳴った。
・・・どうやら、三人が死体を発見するとなるらしい。
「やっぱ・・・死んでいたのか・・・。」
「・・・でも、どうするの? 星鎖希がいないんじゃ・・・検死は・・・。」
「そこは問題ありません!!」
モノクマがひょこっと木の陰から飛び出した。
「・・・どこが?」
「モノクマファイルの参照に必要最低限の検死結果を残してあげました!!
ボクってやっさしぃ〜!! 納得がいかないなら・・・誰かがやればいいだけの話だけど・・・?」
と言うことは・・・普段慣れない人間の死体をよく見なくてはいけないということだ。
こんなのを進んでやるのはあまりいないと思うが・・・。
「・・・私がやるよ。」
「湖川さ・・・?」
後ろから声がしたので後ろを向くと湖川さんが腕組みをして立っていた。
「喧嘩で酷い怪我の奴等を見てきたんだ。 多少は慣れてるさ・・・。」
「で・・・でも・・・。」
「星鎖希の検死を今まで見てきたし、それに・・・。」
「それに?」
「アルフの死体の方がまだマシさ。 拷問好きの奴等の被害者の方がもっと酷い。」
「・・・。」
あまりいい話ではないので深く聞かないことにした。
後ろから他の二人が息を切らしてやってきた。
「うん、みんな揃ったね? じゃあ、ファイル受信ー!! そして頑張ってねー!!」
リモコンのボタンが押されると電子生徒手帳が振動した。
受診が確認されるとモノクマはどこかへ行ってしまった。
俺は受診されたファイルを確認する。
被害者:『超高校級の大富豪』 アルフレッド・エインズワース
死因 :鈍器か何かによる撲殺
死体発見場所:神社の鳥居
参照 :首つりで発見されており、頭の後頭部には何か細い物で殴られたような痕がある。 死亡時刻、8:00頃。
「・・・そんなに無かったのか・・・?」
「頭から血を出してる。っていうのは書かないのね・・・。」
「見てわかるからね・・・。」
とりあえず周りの探索をする。まずは釘でロープを留め金にしていたところを調べた。
近くに小さいハンマーが落ちてあった。
「・・・風空君、血痕とか付いてないかな?」
「僕の見る限り付いてないね・・・。」
【ハンマー】留め金にされていた所の傍に落ちていたハンマー。 血痕が付いておらず、ファイルの情報からでも凶器とは考えにくい。
「・・・ん? なんか入ってない?」
「えっ!?」
湖川さんがスーツのポケットから紙を取り出した。
紙には『話がある。7時半に鳥居に来て。来なきゃ承知しない。』と書かれていた。
【メモ】「話がある。七時半に鳥居に来て。来なきゃ承知しない」とかかれたメモがポケットに入っていた。
「・・・脅迫文みたいだな。」
「モロ脅迫文でしょこれ。」
「でも意外なのはアルフがそれに承知してここに来た事よね。」
「あー・・・確かに。」
しかし何故アルフレッドは犯人の誘いに乗ったのだろうか。
そこが不思議である。
「なぁなぁ、お水君。」
「白柳さん・・・? どうしたの?」
「こっちこっち。」
ぐいぐいと腕を引っ張られて白柳さんが行きたい場所へと連れて行かれた。
そこは湖・・・だが、何か物が落ちていた。
「・・・タオル?」
「そうそう。それ一部濡れてるのよ。」
確かに触ると一部が濡れているのがわかった。
・・・これで凶器の血を洗い流して拭いたのかもしれない。
【濡れているタオル】湖に落ちていたタオル。一部が濡れている。
「そう言えばお水君、あんたら早起き組どうしたの?」
「えっ・・・?」
「先客の春化君に聞いたらまだ誰も来てないだとよ。 いつも私達より早く来てるアンタ等がいないと不安じゃん。」
「それ・・・いつぐらい?」
「しらねっ。 春化君に聞いて。」
「う・・・うん、情報ありがとう。」
俺は春風君を捜しに湖のあるところから出た。
- chapter5 繋いだ答えは希望でした。 非日常編 ( No.93 )
- 日時: 2014/03/11 19:30
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
アルフレッドのいたところに行くと春風君が調べ物をしていた。
「春風くーん!!」
「・・・あっ水上君じゃないか。 何か用かい?」
「えっと・・・一番早く来たって本当?」
「うん。 食堂に来たら珍しく誰もいなくて・・・その時間は大抵君たちがいるから・・・。」
「それは・・・何時頃?」
「大体・・・8時20分ぐらい・・・かな?」
【春風の証言】8時20分ぐらい食堂へ行くと誰もいなかった。
「うーん・・・そうか。 ありがとうな。」
「俺なんかで良ければ役に立つよ。」
苦笑でそう返された後、彼は周りを調べるのを再開した。
・・・ふと思い当たる事があったため、周りに人がいないところへ行く。
「・・・ここら辺がいいかな。」
周りを見渡して人がいない、来る気配がない事を確かめて息をすうっと吸う。
「モノクマぁぁぁぁぁ出てこぉぉぉぉい!!!」
「うるさぁぁぁぁぁぁい!! 何のようだぁぁぁぁ!!」
モノクマが今にも獲物を狩るような勢いでこちらに来た。
それをひょい、と躱してモノクマを捕まえる。
「・・・モノクマ、聞きたいことがあるんだ。」
「だったら大声出さないでそのまま呼べよ!! 鼓膜が破れるわ!!」
モノクマは大変激怒していらっしゃった。
とりあえず下ろしてやり、モノクマの目線に合わせてしゃがむ。
「で、何のようなの?」
「コンビニの他に鈍器って置いてあるかな?」
「いーや、ないよ。 あっもしかして犯人の足取り掴み?」
「・・・まぁ、そんなところ。」
「まぁ・・・!! そんな熱心な生徒にボク、感動しました!!」
モノクマに感動されても微塵も嬉しくないのは気のせいではないだろう。みんな同じ気持ちの筈だ。
「特別に教えてあげましょう・・・ボクは嘘をつきません!! 心して聞くように・・・!!」
「はいはい。」
「むっ・・・まぁいいや。 ボクは生徒の行動を始終観察しています。なので仕入れの所もちゃーんと見てますよ!!」
「ストーカー?」
「違います!! で、クロがコンビニで仕入れてるの見たよ。 ロープとハンマーだけね!!」
【モノクマの証言】ハンマーとロープをコンビニで仕入れていたのを見たようだ。
「凶器・・・は?」
「いーえ? 持ってきてませんが?」
「あっ・・・そう。」
「さてさて・・・そろそろ飽きてきたし、通知してこなきゃ。」
モノクマはどこかへ行ってしまった。
キーンコーンカーンコーン....
『お腹すきました。お腹すきました。 あっこれは違うや・・・。
では、みなさん。そろそろ時間ですので集まってください。』
「・・・時間・・・か。」
俺は立ち上がり、広場へ直行した。
広場へ行くとみんな既に揃っていていた。
「寂しくなったな・・・。」
「もう6人・・・10人減ったね・・・。」
「しかも・・・場合によっては一人減る・・・。」
「まぁ、自殺でも裁判は行われますからね!! 場合によっては六人のままになるかもしれません!!」
モノクマは出てくると同時にそう説明した。
・・・自殺の可能性もある・・・が、撲殺されている以上それはあり得ない。
「それでは、いきましょうー!!」
リモコンをピッと押した。
ゴゴゴ...
仲間が一人減ったぞ、と言うようにあざ笑う地鳴りが聞こえる。
ゴゴゴゴ...
その地鳴りが強くなるとモノクマの形をした岩が現れた。
いつもと同じように口からエスカレーターを出す。
「では、みなさんお乗りください!!」
モノクマに言われるがままに乗る。
・・・このまま、人数が減る様をもう見たくない。
そう願いながら、瞼を閉じた。
目を開くと裁判所へ着いていた。
内装は・・・ハッキリ言うとすごろくが描かれてあった。
コマと、そのマス。そしてルーレットに必要なサイコロが大きく壁に描かれていた。
「うぷぷ・・・では、席に着いてください。」
席に着いてアルフレッドと星鎖希君の遺影を見た。
罠にはまってしまった星鎖希君。
そしてその罠を仕掛けたアルフレッド。
アルフレッドのしてきたことは・・・多分みんなの怒りを買っていた。
それでも彼は生物だ。人間だ。
殺してはいけないんだ・・・。
だから・・・絶対に犯人を突き止める・・・!!
命がけの裁判。
命がけの騙し合い・・・。
それが今始まる。
コトダマ一覧。
【モノクマファイル】
【ハンマー】
【メモ】
【濡れているタオル】
【春風の証言】
【モノクマの証言】