二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ダンガンロンパEXTRA 〜二人の幸運と一人の絶望〜 ( No.101 )
- 日時: 2014/08/15 15:10
- 名前: レイナ (ID: vstNT7v3)
「やっと決まったね!では、張り切ってまいりましょー!! 投票の結果クロとなるのは誰か!!果たして、その答えは正解なのか不正解なのか!!」
モノクマがそう言うと、いつものように俺達の顔が描かれているスロットが現れ、回り出した。
そして、スロットがリエルの顔で止まった途端、沢山のコインと 『Guilty』の文字が浮かび出てきた。
「ヤッホー!またまた大・正・解!!今回深淵クンと啄木鳥サンを殺したのはリエルクンでした!!」
「あぁ・・・龍園寺様の『希望』と江ノ島様が味わった『絶望』を同時に味わえたなんて・・・」ゾクゾク
・・・決まった。あの二人を殺した犯人はリエルだった。
だが、俺の心の中にはまだ疑問が残っていた。
「なぁ・・・どうして二人を殺したんだ?」
「・・・では逆に聞きます。"人を殺すのに理由なんていりますか"?」
「なっ!?」
「あぁ、勘違いしないで下さい。僕はただ『江ノ島様に会いたい』という理由で殺しただけで、別に二人を選んだのには理由がありません。」
リエルはそうハッキリと言った。それはつまり、"殺すなら誰でも良かった"と言うことだ。
「そなたは、それだけの理由であの愚民・・・"啄木鳥"を殺したのか。」
「えぇ、もしかして小鳥遊様は『絶望』しましたか?」
「・・・・・・フン、妾には関係ないことだ。」
「そうですか。」
やはり小鳥遊の様子が変だ、本当に何があったんだ?
それよりも・・・
「リエル、本当に何があったんだ・・・?」
いつもは『日本ラブ男』と言われ、日本の全てが好きで、人殺しを嫌ってた奴だ。そんな奴がここまで性格が変わるのには違和感があった。
すると、咲澄が何かに気付いたようで、皆に聞こえるように言った。
「もしかして、"リエルクンも絶望病"・・・」
「・・・え?」
「絶望病って確かオメーと星野、春夏秋冬と深淵だけだったよな?おかしくねぇか?」
「そうなんだけど、皆が絶望感染者に気付いた時・・・」
モノクマ『だから今のうちに絶望ウィルスにかかった人全員で『ゴレン○ャー』とか『プ○キュア5』とかしとけばいいんだよ!』
天風『いやな日曜日っすよ!!!』
「もしかして・・・あの時はスルーしていましたが、本当は『絶望病は五人いた』ということでしょうか?」
「そうなんっすか!?」
「そうだよ?リエルクンは"五人目の絶望感染者"なのでしたー!」
「マジでか!?」
「ビックリ仰天でござるよ!?」
今の俺にはその"絶望病"が何かは分からないが・・・
とてつもなくヤバい病気だというのはよく分かった。
「リエルクンの場合は『思い出し病』だね。リエルクンの過去は変な『希望厨』と江ノ島様の『絶望厨』が混ざった感じなんだねー」
「・・・"思い出し病"?"江ノ島様"?」
「ち、ちょっと待つっすよ!絶望感染者は事件発生後に治るんっすよね!?どうしてリエルさんは治ってないんっすか!?」
「えー、だってボクちゃんと言ったよね?」
モノクマ『"龍園寺クンと星野さんと春夏秋冬クンは事件発生したあとに元に戻った"よ。まぁ深淵クンは死んじゃったから分からないよねー』
「オマエラが勝手に絶望病が四人だけって思ってただけだよね?それってオマエラの自業自得じゃーん!!オマヌケさんが多いねー!!」ブヒャヒャ!!
「・・・モノクマ様、『希望』の皆様の侮辱は止めていただきたい。」
「・・・リエル?」
星野がリエルの名を言うと、リエルはニコッと笑った。
「モノクマ様は皆様を『絶望』に落としたいのですよね?果たして、それがそれが可能でしょうか?」
「んー?何?オマエごときが僕に口出しする訳?」
「いえ、一つだけ言っておきます。"希望"をなめると痛い目に遭いますよ?」
リエル・・・
「さて、これといった弁解の言葉もありませんし、"終わり"までまだ時間があるようですし、少し小話でもしましょうか。・・・龍園寺様。」
「お、おう。」
「・・・この前、この『眼』は移植させてもらったと言いましたよね?」
「そうだったな。」
確かリエルの左目はダーツで怪我をして、移植させてもらったんだっけ・・・
「・・・僕は別に移植なんてしなくても良かったんですよ。眼帯という素晴らしい物がありますので。」
「え、じゃあどうして・・・」
「・・・『希望』と『絶望』が混ざり合い、更なるものが存在することを期待したのです。」
「・・・どういうことだ?」
秋宵の質問に、リエルは何も表情を変えずに答えた。
「『希望』である僕の目、『絶望』であるあの方の目・・・それを背負うことで更なるものが出来る・・・と思っていましたが、そう上手くいきませんね。」
リエルは過去の出来事を苦笑いで話した。
・・・確かにリエルは狂っているかもしれない、それでも・・・仲間であることには変わりない。
「・・・さて、僕もそろそろ退場しますか。」
リエルは覚悟したようだ、"オシオキ"されることを・・・
「ど、どうして笑っていられるのよ・・・」
「星野様、どうかしました?」
「だって・・・殺されちゃうのよ!?怖くないの!?」
「・・・あぁ、こんな『希望』と『絶望』どちらかを選べなかったクズみたいな僕のことを心配して下さるなんて、光栄です。ですが僕は恐怖心など全くないのです。」
「リエルっち・・・」
皆分かっていた・・・彼が今まで接してきたリエルでないことを、既に"オシオキ"される覚悟をしていることを・・・
「咲澄さん、一言だけでいいですか?」
「え、うん」
そう言ってリエルは咲澄に耳打ちし、何かを伝えたようだ。
・・・一瞬、咲澄の表情が強ばったような気がした。
「・・・それを選ぶのは、咲澄さん自身です。」
リエルは最後にそう告げ、自分の席に戻った。
「では、"超高校級のダーツプレイヤー"であるリエル・K・アーチライトクンにスペシャルな、オシオキを用意しました!」
「・・・皆さん、最後まで"希望"を捨てないで下さい。そうでなければ"絶望"へと進んでしまった僕が地獄で"退屈"してしまいます。」
・・・一瞬、絶望病ではなく、いつものリエルに戻ったような気がした。
「オシオキターイム!!!」
「・・・狛枝様、江ノ島様、『希望』と『絶望』を選べなかった僕をお許し下さい。」
モノクマは手元のボタンを叩いた。すると、ゲーム絵のリエルがモノクマによって連れて行かれてしまった。
リエルは連れ去られる最後の瞬間は、あの不気味な笑顔だった・・・