二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ダンガンロンパEXTRA 〜二人の幸運と一人の絶望〜 ( No.69 )
- 日時: 2014/06/15 21:29
- 名前: レイナ (ID: nyr1MBL9)
流星雨「え、初音ちゃん・・・?」
奏鳴「・・・」
モノクマ「やっと決まったね!では、張り切ってまいりましょー!! 投票の結果クロとなるのは誰か!! 果たして、その答えは正解なのか不正解なのか!!」
『VOTE』
【ソウメイ】 【ソウメイ】 【ソウメイ】
モノクマ「ヤッホー!大・正・解!!今回夕嵐クンを殺したのは奏鳴初音サンでした!!」
奏鳴「・・・」
霞桜「そ、奏鳴氏が、夕嵐殿を・・・」
終わった・・・終わってしまった・・・
二度と起こしたくなかった学級裁判が・・・。
流星雨「ど、どうして!?どうして初音ちゃん夕嵐君を殺したの!?」
奏鳴「そ、それは・・・その・・・」
流星雨「せ、正当防衛だよね!?夕嵐君に呼び出されて、殺されそうになったから仕方なく正当防衛したんだよね?」
奏鳴「・・・」
篝火「じゃあ、あいつが秘密を世間にバラされたくないから奏鳴を殺そうとしたって事か!!!」
深淵「それだったら仕方がな・・・」
奏鳴「ち、違います!!!私が殺したくて殺したんです!!!」
奏鳴の声はこの部屋全体に響きわたるほど大きかった。
奏鳴「私は昨日、夕嵐さんに呼ばれて、殺されちゃうのかな、って心配になってナイフを護身用に持って行ったんです。
けど、夕嵐さんの話は全く想像もつかないお話だったんです。」
奏鳴は昨日あった出来事を話してくれた。
〈プール 昨日夜〉
〈奏鳴Side〉
メモを渡されたのは、動機を出されて一時間後位でした・・・
夜10時過ぎたらプールに来いって呼ばれました。
そこで話されたことは意外な内容でした・・・
「え・・・今何て言いました?」
私は一瞬自分の耳を疑った。だって普通じゃあり得ない言葉だったから・・・
夕嵐さんはそんなことを気にせずにもう一度言った。
「僕は君に”殺してほしい”って頼んでるのさ。」
私は夕嵐さんの頼み事の内容に驚いた。
「ど、どうしてですか!?」
「・・・やっぱこの状況でこんな頼み事するっておかしいか・・・」
夕嵐さんははぁ、とため息をつきながらも話を続けた。
「理由は単純、"動機"なのさ。」
「"動機"・・・」
バラされたくない秘密、忘れたい過去、モノクマはそれを動機として出したんだ。しかも誰か一人にはバレている。
「・・・僕の動機は、コレさ。」
そう言って夕嵐さんは私に小さい紙を渡した。私はそれを読むことにした。
『夕嵐クンは極道の一家』
「へっ!?夕嵐さんがですか!?」
「やっぱ皆そういう反応するな・・・怖いか?」
「え・・・!?」
「だって僕が極道って分かった今では、僕が怖いだろ?」
「え、っと・・・」
正直言うと怖い・・・でも、夕嵐さんは私のクラスの一人で、"仲間"なんだ。
だから私は少し微笑んで言った。
「例え夕嵐さんが極道って知っても、夕嵐さんは夕嵐さんです。だから今更態度を変えたりしません。」
「・・・本当、なのさ・・・?」
「はい。」
「・・・よかった・・・ありがとう・・・」
夕嵐さんの顔を覗いてみると、少し泣き出しそうだった。
・・・ずっと誰にも打ち明けられなかったのかな?でもどうして私に?
「話は長くなるが、少し"俺"の過去話聞いてくれないか?」
「は、はい!」
「今から話すことは"シェフの僕"じゃなくて"極道の俺"として話すのさ。」
そう言って夕嵐さんは過去の話をしてくれた。
モノクマ「どうでもいい人は省略してねー!」
〈夕嵐side〉
俺の家系は、動機の通り極道の一家なんだ。親なんて見ず知らずの人から金を巻き上げたり、極道同士の争いごとで無関係な人を銃で被弾させたりなんて事がよくあった。
俺はそんな両親が嫌だった。いや、夕嵐という姓自体が嫌だった。
だから、俺が高校生になって一人暮らしを始めたときに警察に密告した、『有名なグループのリーダーがとある家にいる』ってな。だから親は警察に捕まったよ。
そこからが大変だった、親の汚い金はちゃんと返したし、必死でアルバイトして生活費や被弾者の賠償金稼ぐのはきつかった。
でも、その中で知ったんだ。料理を作って皆に食べてもらって、『美味しい』って言ってくれることの嬉しさに。
そこからかな、俺がシェフの道を目指したのは。
〈奏鳴side〉
「だから正直最初の動機はどうでもいいって思った。俺が一方的に縁を切ったんだからな。」
「それでも分かりません・・・どうして殺してなんてお願いするのか・・・」
「・・・」
夕嵐さんは一呼吸して話を続けた。
「・・・俺はこの生活に疲れた。いや、生きること自体が疲れた。」
「・・・え。」
「だから、どうせならこの命、必要としている人にあげようと思ってな。それで奏鳴を呼んだんだ。」
「・・・」
これが、夕嵐さんの本性・・・普段の性格からは予想もできない話だった。
いや、こういう頼み事すること自体が珍しい。
「奏鳴の動機、俺に回ってきた。」
「嘘・・・」
「まぁその様子だと俺の動機回ってないみたいだな。きっと奏鳴も親を嫌っているんだろ?だから親を嫌っているもの同士・・・」
夕嵐さんは話を続ける。でも・・・
奏鳴(バレてしまったバレてしまったバレてしまったバレてしまったバレてしまったバレてしまったバレてしまった!!!)
バレたことでの恐怖で、全く話が耳に入らなかった。
すると、夕嵐さんはそんな私の様子を見て、頭を撫でてくれた。
「奏鳴、きっと何か理由があってそうなったんだろ?だったら怖がる必要なんてないんじゃないか?」
「ゆう、あらしさん・・・」
「だから、俺を殺せば、世間にばれない。"ソイツ"も探せる。まさに一石二鳥じゃないのさ!?」
夕嵐さんは私に元気つけさせようと無理矢理明るく、いつものテンションで話した。
「だから、俺をその右ポケットに入っている凶器で殺せ。」
「へっ!?ど、どうして凶器が入ってるって・・・」
「極道の時の慣れかな?まぁそんなのどうでもいいけどな。」ハハッ
夕嵐さんはもうすぐ殺されるというのに、笑っていた。
「・・・ごめんなさい。」
「・・・
"大切な弟"、見つかるといいな。」
夕嵐さんは最後まで私を心配してくれました・・・