二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ゆずはね 〜ポケモンオリジナルストーリー〜 ( No.107 )
日時: 2015/04/01 08:57
名前: シャルティン (ID: QJG1DFOg)

「—————今日は『えいぷりるふーる』というのがあるらしいわ」
「はぁ? 『えいぷりるふーる』?」

突然言い出したリッカに聞き返した。
リッカはそう! といって俺の方を指差す。……おい、ヒトのこと指さすんじゃねぇ。

「どうやら、午前まであって、それまでなら嘘をついてもいいらしいわ」
「なんだそれ……。でも、そんな嘘って唐突に思いつくものなのか?」

疑問に思ったことを投げかけると、そうねぇ……と言ってから悩むような仕草をし、思いついたかのようにこちらを見た。
……今、ピンポンという幻聴が聴こえたが気のせいだ、うん。

「火事だー、とか」
「そりゃ大迷惑な嘘だな」
「クモが大量発生」
「タイプ的にアウトな気が——」
「メタ発言アウトー」

最後には被せられた。……いや、だって悪と草って絶対虫アウトだろ。
またまた悩むような仕草をして、今度は素早くびしっと俺を指差す。だから指さしやめろやおい。

「私、風邪ひいたー、とか」
「ここが大騒ぎだな」

主に、家事をしてくれているリッカが倒れると、この家大迷惑だな。
それもそうか、といってさっきまで座っていた椅子から立って料理の準備を始める。いい匂いが漂ってくるのはいつものこと。



「じゃあさじゃあさ」
「んー……?」

料理が出来た頃にテーブルまで持ってきたリッカがまた話しかけてくる。
今度は何の嘘なんだか、と思いながら楽しみにしてる自分がいる。
そうしてリッカから紡がれた言葉は完全に予想外のもので。

「—————私が、ルエのこと好きっていったらどうする?」
「………………はい?」

思考が、止まる。その後に見えたのは、リッカのにやにやしてる表情。
嘘だと分かっててもドキドキしてしまう。

「……まあ、嘘だけどね」
「だろうな……」

ちょっとだけ、残念に思ってしまったのは内緒だけど。
またパタパタとキッチンの方に戻っていくリッカの背を見つめた。

「———本当にそうだったらいいのにね」

途中呟いたリッカの声は、聴こえなかったけど。