二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ゆずはね 〜ポケモンオリジナルストーリー〜 ( No.4 )
日時: 2014/03/24 19:43
名前: シャルティン (ID: 7yVkKRde)

〜プロローグ③ ヒナノ&エズキ編〜

ヒナノseed

お家の前で誰かの帰りを待っていた。誰でもない、立った1人の弟を。

「ただいまー!!」

「!お帰りー!エズキ!!」

「うん、今日も外でずっと待ってくれてたの?」

少し心配した顔で、エズキは聞いてきた。何の躊躇いもなく答えた。

「もちろん!!だってボクにとってエズキは大切だからね!」

「そっか。でも無理しないでよ?」

「あっははー!だいじょーぶだいじょーぶ!!」

そうやってエズキに笑った。うん、大丈夫なのはホントだからねっ。
そういえば、とエズキは思い返したように聞いてきた。

「ルエはまだ出て来ないの?」

「うん。また昨日も皆出てない時間に出たみたいだよー」

「もう、少しくらい顔合わせてくれてもいいのに」

少し怒った表情で誰もいないところに向かって言った。
この村の住人のルエは、何年も会ってくれない。たまに、ボク達が居ない時に村を出て行ってるのは村の皆が知っている。
ボク等は、ただ不安にその姿をいつも見つめていた。


エズキseed

まったく、と思った。どれだけルエは皆を心配させるんだろう。少なくとも、この村でルエを心配してない人なんていない。
そう、ぼくとヒナノも。

そうずっと考えていたぼくらは、今の時間に気づかなかった。

「ねえヒナノ。今何時くらいかな」

「え?うーん、と…何時だろ??」

「もしかしたらそろそろルエ帰ってくるんじゃ…」

「……Σあっ」

村の皆で話し合った結果、皆でルエが帰ってくるときに隠れて、できるだけ引きこもらないようにしてきた。だから、この時間でルエが帰ってきたら。

その時、何処からか声が聞こえた。村の出入り口からだった。

「……あー、もう遅いな」

久しぶりに聞いた声だった。でも、忘れるはずがなかった。ルエだった。どうしよう、と二人で隠れることも忘れて悩んでいる時に、もう一つ声が聞こえた。

「ちょっと待ってよ!!」

女の子の声だった。その声はルエを呼び止めるようだった。

「…遅いぞ」

「…っ、もう!速いよ!!…で?ここがコルシア村?」

「そうだ」

「ふーん。…久しぶりに村なんて見た」

ルエが、他の人と普通に会話している。その事実にぼくたちは正直驚きすぎていた。ヒナノもすごい驚いていた。
2人で少し小声で話して、声の主が出てくるのを待った。

「…ルエ」

「…ヒナノ、エズキ」

ぼくが言った言葉に気づいたルエは、こちらに気づいたようだった。っていうか気付かなかったの!?ぼくたち君が誰かと話してるの10メートルくらい離れたところから見てたんだけど!!君そんな視力悪かった!?
頭の中で一人ツッコミを続けている間に、もう一人の声の主が出てきた。

「…えと」

もう一人の声の主———リーフィアのお姉ちゃんは困っていたように見てきた。誰、とぼくが言う前に先にヒナノが聞いた。

「お姉ちゃんだーれ?」

まるで、新しい住人さんを見てるかのような顔で聞いてきた。リーフィアの人が答えるより先にルエが答えた言葉は。

「…新しい住人だ」

それを聞いた途端、ヒナノの顔がぱぁーっと笑顔になった。

「わーい!!新しい人ー!!」

「ちょ、わ、わー!」

瞬間、リーフィアの人に抱き付いた。リーフィアの人は混乱していたようで、ぼくに助けを求めていた。

「ね、自己紹介。忘れてるよ」

「あ、そだった。ボクはエーフィのヒナノ!!よろしくね!おねーちゃん!」

「ぼくはイーブイのエズキ。ヒナノとは双子の弟なんだ」

「あ、わ、私はリーフィアのリッカ!!」

「そっか!リッカおねーちゃんかー!」

ヒナノはますますリッカさんに抱き付いた。そんな2人のやり取りを見ている間に、ルエに聞いた。

「…どうしたんですか?」

「いや、ちょっとな」

そう言うルエは微かに笑っていた。

翌日、新しい住人が来た、とルエが出てきた、という噂はたちまち村中に広がった。