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Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.100 )
日時: 2014/04/02 10:53
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

暁「失礼します」

ノックをしてからフランの部屋の扉を開いた。

その先には物が散乱していた。

暁 「フランお嬢様?」

その中心にフランがいる。

フラン 「え?」

どうやらノックには気付かなかったようで、ようやく暁に気付いたようだ。

そして、隠すように手に持っていたものを箱に突っ込んだ。

暁 「捜し物ですか?」

「……」

フランは喋らない。

暁 「一緒に探しますよ」

フラン 「……もう怒ってないの?」

暁 「? 何がですか?」

はて、と暁は首をかしげた。

フラン 「さっきの……咲夜はって言っちゃったから。すぐに謝ろうと思ったけど、魔理沙が来て暁は行っちゃって。美鈴に相談したら贈り物したら、って言われたから選んでたんだけど、私、何をあげたら暁が喜んでくれるかわかんなくて……」

下を俯いてぽつぽつと話すフラン。

暁 「大丈夫ですよ」

今の今まで忘れていたぐらいですから、と暁は言った。

撫でられたフランはゆっくりと顔を上げた。

そして、目線の先に何かを見つけた。

フラン 「あっ!」

何かを思いついたように箱の中を探ると、その中の一つを取り出した。

フラン 「はい! さっきはごめんなさい!」

手に持ったものは髪を縛るための白い紐。

暁の後ろで縛っている髪を見て思いついたのだった。

暁 「よろしいのですか?」

フラン 「うん! それより付けてみて」

フランの言葉に従い、暁は髪を一度解き受け取った物で結び直した。

フラン 「へへっ、これで私の帽子と色がお揃いだね!」

暁 「そうですね」

二人はそう言って笑い合った。

フランにとって今は幸せな時間だった。

しかし、変わらないものというのは少ない。

時間は過ぎ去っていくものなのだから。