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Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.101 )
日時: 2014/04/02 10:59
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

第二十五章−躊躇、タイミング、間の悪さ。 ‐

時は七日目、約束の終焉も近づいてきた。

暁は変わらず執事の仕事に精を出している。

レミリア 「契約は今日の夜までだったかしら」

レミリアは二階の手すりに腰をかけ、廊下の掃除をしている暁に話し掛けた。

暁 「そうですね。もう一週間ですか」

レミリア「あら、物足りないならもう少しいいわよ?」

暁 「いえ、咲夜さんにあまり心労をかけるものではないですよ」

手を止めず、暁は答えた。

フランのことは気に掛かるのだが、約束の期間はあと数時間。

それが過ぎれば、暁は居候に戻る。

暁は元々紅魔館の居候なのだから。

レミリア 「咲夜は仕事ができるのが増えて喜んでるんじゃないかしら?」

暁 「日に日に顔がやつれてますよ」

その通りだった。

暁にその気はないが、咲夜は暁がなにか起こさないか目を光らせているために、自分一人でやっている時以上に疲れている。

暁 「何もしてるつもりはないんですがね」

妙に咲夜に嫌われているような気がした暁は呟いた。

レミリア 「犬が縄張りを守ろうとするのは当たり前でしょ」

ふと、レミリアは視界の端に小さな影を見つけた。

それはフランに違いない。

そして、暁からは死角になっていて気付いている様子はない。

レミリア 「本当に戻るのね?」

暁 「ええ、そうさせていただきます」

レミリアはそれを知った上で再び問い、暁はそれを知らぬまま答え、フランはそれを聞きどこかへ去っていった。

暁「では、ここの掃除も終わりましたので」

レミリア 「そう」

レミリアは、そう言って背中を向けた暁に返し、見送った。

レミリア 「気をつけなさい。今夜は少々ルナティックよ」

小さくつぶやいた言葉は、暁に届くことはない。

運命は順当に、確実に崩壊へと向かっていく。