二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.102 )
日時: 2014/04/02 11:05
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

廊下を進む暁。

ふと、緑の帽子に赤毛という存在を見つけた。

暁 「あ、美鈴さん、よ——」

美鈴は、暁の姿を目視するや否や回れ右。

美鈴 「ご、ごめんなさい!」

そして、風神少女も驚きの速さで走り去って行った。

暁 「??」

暁は現状が理解できない。

特に美鈴に何かをしたということもないし、謝られるようなこともないはずである。

パチュリー 「気にしないであげて」

暁 「パチュリー様……」

いつの間にか現れたパチュリーが言った。

パチュリー「今日はちょっと情緒不安定なのよ、あの子」

暁 「はぁ、そうですか」

パチュリー 「ちょうどアレの日だから」

暁 「……」

パチュリー 「……」

沈黙が二人を包む。

暁は、パチュリーなりの冗談かと思ったが、当の本人は無表情で前をじっと見据えている。

パチュリー 「それよりも、妹様のところに行ってあげて。そろそろ起きる時間よ」

沈黙を破ったのは、パチュリーであった。

暁 「はい。では、失礼します」

その言葉に従い、暁はフランの部屋へと進んでいった。







パチュリー 「これでいいかしら、レミィ」

レミリア 「ええ、上出来よ、パチェ」

一匹の蝙蝠が徐々に増え、レミリアを形成した。

レミリア「今回の事はあまり良くないと思うわ。紅魔館のことを考えれば——」

パチュリー 「わかってる」

パチュリーの言葉をレミリアが遮る。

レミリア 「暁が消えればどんなことになるか。でも、フランには必要なことなのよ」

一呼吸おいて続ける。

レミリア 「『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』。他人とは決して相容れない能力。でも、暁ならあるいは……」

「そう」

パチュリーはゆっくりと言った。

パチュリー 「もしものときは、レミィが止めなきゃだめよ。どちらの危機でも」

そう言ってレミリアに背を向けると、図書館に帰って行った。

レミリア 「わかってる。…わかってるわ」

そう、自分に言い聞かせるように呟いたのだった。