二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.110 )
日時: 2014/04/02 12:11
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

暁「っと」

着地と同時に咲夜を降ろそうとしたが、

暁 「いつまで掴んでいるんだ?」

咲夜 「んっ……ぁ!」

ぱっと手を離し、暁の腕の中から飛び降りる咲夜。

それを確認した暁は、たいした反応を見せず、すぐに縮地、もちなおしレミリアに向かったフランの前に立ちふさがった。

フラン 「何でみんなを守るの!?」

暁 「守る? 違うな、壊させないだけだ」

フラン 「嘘だ!」

暁は後ろに視線を流し、レミリアを見る。

それだけでレミリアは意志を受け取った。

フラン 「暁はそいつらを守ってる!」

言葉と共にフランは周りの物を破壊、暁は後退を余儀なくされる。

フラン 「そっか……」

フランが小さく呟いた。



——封符「鬼神滅陣」



暁、フラン、咲夜を中に抱え、更に広大に時間断層が展開される。

フラン 「そいつらさえ……」

だが、満月から切り離されてなおフランは止まらない。

フラン 「そいつらさえいなければァァァァアア!!!」



——QED「495年の波紋」



前方三方向から襲い来る破壊の波。

今は鬼神滅陣の中にいるだけに逃げ場はない。

だから、咲夜はスペルカードを引いた。

ただ、そのカードの出番はなかった。

暁 「すまんな、危険な目にあわせて」

そっと頭に乗せられた手。

ぐりぐりと頭を撫でられる。

暁は目を細めながら言った。

暁 「だが、俺だけでは足りない。俺には咲夜が必要だ」

ぐっと一歩踏み出し片手には古ぼけた一冊の本。

暁 「道は俺が作ろう。後は任せた」

咲夜を背に置き、道を拓くためにスペルカードを引いた。



——「平家物語」



暁 「出現せよ、八咫鏡」

巨大な銅鏡が出現、一時的に破壊の波を押し留める。

それが暁に数秒の時間を与えた。

暁 「変革せよ、八尺瓊勾玉」

勾玉が鬼切丸の周りを回り、暁に最後の一を扱うだけの霊力を授ける。

そうして高まった霊力が強烈な光を放つ。

暁は鬼切丸を上段に構え、振り下ろした。

暁 「蹂躙せよ、鬼竜八頭破」

文字通りの蹂躙だった。

暁が放った光は、八つの頭を持つ竜の形をとり、破壊の波に喰らい付いていく。

もちろんそれは波に当たる端から破壊されていくが、壊される以上に再生するそれは圧倒的で、破壊の波を押しつぶしていく。

徐々に、というレベルではない。

爆発的にその大きさを拡大した光が辺りを一飲みした後は、何も残っていなかった。

フランはその事実を確認した瞬間、次なるスペルカードを準備した。

暁は動いていない。

発動すれば確実に仕留められた。

ただし、それは発動すればの話だった。



——「時符「ミステリアスジャック」」



咲夜は一分の疑いもなく、暁が道を作ることを信じていた。

もはや咲夜にとってはフランまでの道ができることは必然、知っていることと同じだった。

その差が明暗を分けた。

咲夜は狂気を完全に打ち消し、意識を奪い去る。

重力に反抗していた翼が力を失い、落下を始める。

戦いが、フランの狂気が終わった印だった。