二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.118 )
日時: 2014/04/02 12:52
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

「「ふぅ」」

茶屋に入り、椅子に座ったところで二人は同時に息を吐いた。

なれないことをして少々疲労を感じるというのもあるが、それ以上に人に話かけられて止まることが多く、気疲れというのが大きい。

咲夜「暁に知り合いが多いとは思わなかったわ」

暁と歩いているだけでレミリアと歩いているとき以上に声を掛けられていた。

おそらくレミリアよりも話しかけやすいということもあるのだろうが。

咲夜 「特に子供が凄かったわね」

一人駆け寄ってきたと思えば、あっという間に周りを囲まれ「何しに来たのー?」から始まる質問攻めを食らうことになったことは今日一番の疲労ポイントだった。

ちなみに、子供たちの質問には「このおねーちゃん誰ー?」から連なるものもあったのだが、全てに暁はうまい具合にお茶を濁していた。

一方質問攻めに慣れていなかった咲夜は終始あぅあぅとなっていたので、あんまり余裕はなかった。

咲夜 「暁先生とか呼ばれてたけど、あれは一体?」

咲夜が若干疑念のこもった目を向ける。

暁 「あぁ、慧音に手伝いを頼まれて寺子屋で授業をしているからな」

暁は慧音と一緒に飲んで以来、たまに人里に赴き先生のようなことをしていた。

慧音曰く「私以外の者に教わるのも良い経験だろう」だとか。

暁がなぜ今まで自分一人でやっていたのかを問えば、「適材がいなかったからだ」と、遠い目をして答えられてしまった。

一番親しいであろう妹紅を思い浮かべてなるほどと十分以上に納得した。

我が儘をいった生徒を燃やしてしまいそうだと、本人が知ったら憤慨しそうな感想を添えて。

長い間人間社会に溶け込んでいたこともあり、他者に教えられる程度の教養もあった。

咲夜 「へぇ、そんなことしてたの?。そういえば暁ってよく小さい子に好かれてない?」

咲夜はふと思ったことを口に出した。

永遠亭ではてゐと悪戯仲間であるし、フランは言わずもがな、今回の寺子屋の子供たちも皆マイナス感情は持っていないようだった。

暁 「ふむ、そうだな……、甘いからかもしれん。昔からの条件反射なんだが」

咲夜 「甘い……? あれが……?」

咲夜が思い浮かべたのは、レミリアのことである。

あれも一応好かれているだろうと勘定に入れていた咲夜ではあるが、どう考えても暁が咲夜に甘いようには見えなかった。

暁 「あれは別だ。自らを主と称する者だからな」

当たり前のように暁はそう答えた。

ただ、無意識下で若干他者に比べて甘かったりもするのだが。








凡そ、このような普段とあまり変わらない二人の会話は緩やかに流れ、淀まず日が傾くまで続いた。

いつも通りと言ってしまえばいつも通りの特別な一日は残すところあと少しだけ続くことになる。