二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方刃暁録-sword morn record - ( No.40 )
日時: 2014/04/01 11:37
名前: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ (ID: H4NN94uP)

聞こえた声はつい十分前まで聞いていた声。

その声を聞いて反射的に伏せる美鈴。


——憑符「鬼神千手観音」


美鈴の真上を巨大な無数の腕が通過した。

なぎ払われたナイフの群れはいかなる法則によるものか瞬時に咲夜の手元に戻る。

暁は巨大な腕をそのまま叩きつけた。

暁「む……」

違和感があった。

避けられた。

そこに違和感はない。

避けられない攻撃ではなかった。

だが、ただ避けられただけとは違う感覚。

血が、警戒音を鳴らす。

"何かが違う"そう叫んでいた。

咲夜「暁?」

暁「今美鈴との血の盟約に従い、参上した」

もっとも、

暁 「結んで十分で呼ばれるとは思わなかったがな」

咲夜 「どきなさい。私は美鈴に用があるの」

暁 「言ったはずだ、血の盟約だと。それを破るのは俺の存在に関わる。無理な注文だ」

咲夜 「力ずくでいくわよ?」

暁 「それでこそ妖怪のやり方だろう」



——幻符「殺人ドール」


先ほどよりも増えたナイフが暁を取り囲む。

咄嗟の反応で、グレイズしながら避けていく。

だが、同じ違和感を感じる。

(召喚?いや取り出すモーションはあった。空間の跳躍?これも違う。するようなモーションはなかった)



暁「チッ!」

思わず舌打ちする。

秘密がわからないこともあるが、それ以上にまずい状況だ。

ナイフ一本一本の威力はたいしたことない。

しかし、如何せん手数が多いのだ。

避けるにも労し、刀はでかすぎて手数では追い付けない。



取り出すのは、美鈴に渡したのと同じ小刀。

鬼切丸は解放状態のまま鞘に戻しておく。

ナイフを打ち払いながら接近、小刀で切り上げる。

咲夜はスウェーで躱し、ナイフで反撃する。

だが、暁は妙な動きをする。

左手を横に伸ばしたかと思うと、勢いがついたように右側に傾く。

避けたと同時、地面に手をつけて足払いをするように蹴を放つ。

バックステップをした朔夜に追いすがり、全身で突っ込みながら突き。

いなされたが、何もないところで反転、空中で壁を蹴り再接近する。



咲夜はそういうものだと認識した。

幻想卿において、不思議な現象は日常茶飯事だ。

この辺りが、暁との差。

そういうものと認識して、自らの力でそれを上回る。

相手の能力など必ずしも知らなければいけない訳ではないのだから。



——時符「パーフェクトスクウェア」



時が止まる。

動かない暁の目の前にナイフをまるで壁のように配置。

そして再び時を動かそうとしたときだ。

暁 「うむ、時を操るか。人の身とは思えぬ能力だな」

突如暁の姿が消えた。

咲夜は反射的に振り返りざまにナイフを振るい、小刀と衝突して甲高い音を響かせた。

一度間合いを空け、仕切りなおす。

暁 「何でわかった」

暁「千手観音を避けられたとき違和感があった。今思えば、メイド服と髪のゆれだ。あのタイミングの攻撃を避けるなら、揺れるのが自然。それが無いということは何かしらの理由がある。紅白巫女の無時間移動で思いついて当たりを付けたが、まさか正解だとは思っていなかったな」

と語る暁。



こいつは危険だ。

咲夜はそう判断した。

全力で潰す!

「『咲夜の世——

「技巧『久遠の——

と、その時割り込む声があった。

レミリア 「止まりなさい、咲夜」

ピタリと止まる両者。